「フィンドホーンの魔法」
ポール・ホーケン /山川紘矢・亜希子・訳 1998/10 サンマーク出版 文庫 377p 原書1975 日本教文社版「フィンドホーンの奇跡」1981
No.950★★★★☆
初対面の人に対して、あれ、どこかで会ったな、とか、誰かに似ているな、と思うことはよくあることだ。実際にはそんなことはないのだろうけど、自分のほうとしては、誰かと関連付けて記憶したい、その思いが、「世界には他人の空似が3人いる」というような俗信を生むのだろう。
この本を読んでいて、他の何かとリンクさせたり、比較しながら自分の中で整理してしまいたいという欲望を何度も感じた。しかし、今はまだ早いと感じる。それこそ、なんの先入観ももたないまま、もうすこし進んでいったほうが、読者として受け取るものが多いだろう。
フィンドホーンが唯一のものでも、絶対のものではないことは、創立者のひとりであり、アイリーンの夫でもあったピーターが後年この地を離れていることから考えても、わかる。アメリカからやってきたディビッド・シュパングラーの参加のしかたを見ても、そのことが分る。それにたしかにこのホーケンのレポートは、ちょっとロマンチックすぎるというのは本当だろう。
「フィンドホーンの花」と内容は重なる部分も多いが、別な角度から同じ現象を見ることはステレオ効果があって、立体的に物事を浮き上がらせる効果がある。ただ、いずれも10年以上も前の本であり、また、結局は他人の手によってレポートされた内容である。その地に自分の足で立たないことには、自分の目に見えないこともあることだろう。