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カテゴリ:環境心理学
「西蔵仏教宗義研究」第1巻(トゥカン『一切宗義』サキャ派の章)<2> 18世紀後半から19世紀初頭にかけて活躍した一人のゲルク派の僧侶によってインド、チベット、中国、蒙古における仏教の諸学派、中国儒教、更にはボン教の教説の一大綱要書が著された。その正式名称は『一切の宗義の起源と綱要を示す「善説水晶鏡」』と言う。以後本書では「一切宗義」と略すことにする。第二代トゥカン・ロサンチューキニマ(1737~1802)の作で、彼の死の前年に完成されている。p8 つまり、そもそもが、この「西蔵仏教宗義研究」という東洋文庫から非売品として発行され、20年に渡って刊行されて続けている一連の研究は、この18世紀のチベットのゲルク派僧侶トゥカンによって書かれた「一切経」という経典を日本語に翻訳しながら、その担当者たちが詳しい解説を加えたものである。 もともとの「一切経」としての資料としての価値が一級品で、それを解説した日本語解説も、日本における現代チベット仏教の一流の研究者たちからなるグループによるもので、かなり稀少価値のあるものであるようだ。 しかもこの「サキャ派の章」は、その第一巻としてのスタートを飾るわけだから、なんとも初々しいものがある。担当者が立川武蔵という重鎮で、私は個人的には彼の「インド・アメリカ思索行」にカチンときてしまっているので、うまく心を開けないのだが、日本語文献におけるチベット密教研究を進めるには、この人物を避けては前には進めない。彼は、この第一巻の「サキャ派の章」のほか、第五巻「カギュ派の章」1987/03と、第七巻「ゲルク派の章」も担当している。 「宗義」というジャンル 「伝記」はひとりの僧侶の生涯を年代順に追っていくもの、「仏教史」とは、各学派の開祖の簡単な伝記及びそれ以後の学派の形成を徳にその派の教説に焦点をあてて年代順にのべていくもの、「師の系譜」とは或る特定の学派あるいは不特定多数の学派の人脈を中心に描くものである。トゥカンの「一切宗義」が属する「宗義」は、それぞれの学派において確立され体系化されている教義を述べるものである。 サキャ派の代表的密教教説となった道果説はヴィルーパによって創始されたと伝えられている。p18 顕教では認識主体の働きは独断的悪見解を生むものとして全面的否定されうが、密教では認識主体の働きである照を迷いの世界に属するものとは認めつつもそれは実はやがて清らかなひらめき即ち光明になるものに他ならないとして肯定する。その上で相反する二つの極は直接結びつけられて(c)となる。矛盾する二つの極を全的に肯定しうる真実の世界は言葉では表現できない。あえて言葉にするとき、それは逆説となる。トゥカン「一切宗義」(サキャ派の章)が最後に達したもの、それは逆説であった。p38 本書の第三部において、チベット語のテキスト経典の図版や系図などがかなりのページを割いて紹介されており、読解力のある研究者なら、興味深い部分が多くあるものと思われる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.10.08 21:25:34
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