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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


へ引越しました。

2008.10.23
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テーマ:心の病(7505)
カテゴリ:環境心理学


「仏教が好き!」
河合隼雄 /中沢新一 2003/08  朝日新聞出版  単行本  261p  文庫本化2008/06
Vol.2 No.343 ★★★★☆

 「がんばれ!」と言われてみたり、「くたばれ!」と言われたり、仏教もなかなか忙しい。今度は、「好き!」と来た。もっとも、河合隼雄 /中沢新一、という当代でも相当に口の悪そうな二人に「好き!」と言い寄られても、そのまま言葉通りに受け取ってはならない。この二人の対談は、「ブッダの夢」というものがあるが、今回もまた「週刊朝日別冊小説トリッパー」に連載(2001冬~2003春)されたものの合本=単行本化である。

中沢--- (中略)ナーガールジュナもインド人の全哲学者を向こうに回して闘った人なんですよ。それで「ナーガールジュナ」と聞いただけでも怒り出すような人もいて、どうもその弟子のアーリヤデーヴァは暗殺されたみたいです。
河合---あなたも気をつけたほうがいいな(笑)。
中沢---そうですね。論争相手が何か言うと、ナーガールジュナは即座に相手のテーゼを「否定」してしまう。そうすると相手は怒り出すでしょう。ナーガールジュナという人を見ていて危険だなあって思うのは、そこのところなんですね。
河合----「ナカザワルジュナ」とか言って(笑)。
中沢---それそれ。初めてチベット人に会ったとき、「名前は何だ」って聞かれたから、「ナカザワ」って言ったら、「おーッ、ナガルジュナ?」って、そこで「ナガレジュナ」「ナガルジュナ」ってすごくえらい人になっちゃったんですね(笑)。
p143

 最初の掴みでうまく掴まれれば、中沢ワールドもそうとうに面白いが、そこがはずれると、つっこみどころ満載の隙だらけの世界が現出してしまう。まともな批判にも真正面から答えようとはしない人だが、それでもやっぱり面白いことは面白い。

中沢---(中略)あらゆるものを「否定」していく精神の運動と、それから親鸞のような大肯定の精神は背中合わせです。何しろ「大日経」では、大日如来ご自身がしゃべり出すわけですから。
河合---「華厳経」ではしゃべらないですもんね。あれは感動したなぁ。徹頭徹尾、最後までしゃべらへん。
中沢---あれはむしろヴィトゲンシュタインですよね。 
p165

 当ブログにおけるこの「環境心理学」カテゴリは、この書き込みをもって108に達する。もともとは環境心理学シンポジウムの後追いのつもりで作ったカテゴリであったが、はやばやと失速した。そのあと、ほかのカテゴリに収まりきれない書き込みの逃げ場となっていて、最近はチベット密教のやや外向きエネルギーの受け皿となってきたが、今回、この書き込みを持って終了とする。

 最後の一冊となることは、この本にとってもふさわしいところがあるのではないか。ここで語られているウィトゲンシュタインや大日如来については、次なる「インテグラル」「アバター多火手」でつないでいくことにする。

河合---マトリックスはまさに曼荼羅です。「腿蔵界曼荼羅」、英語にしたら「マトリックス」。
中沢---数を縦横に並べたあれを、数学者がどうして「マトリックス」と命名したのか、不思議でなりません。
p228

 この辺のテーマは、後段にゆずる。

河合---曼荼羅に胎蔵界と金剛界があるでしょう。あれはどう考えたらいいですか。
中沢---日本でだけ、それが問題になるという性質の話なんです。胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅は、もともとのインドでは出身が違うもので、インド人はそれをセットにして考えるということをしませんでしたから。それぞれの系統の曼荼羅を考えだしたグループも違うし、時代的にも、場所的にも、文化伝統も違うところでつくられたものです。ところがこれを中国で不空や恵果が同時代に同じ場所でセットで学習するようにして、そしてそれを継いだ空海が「胎蔵・金剛」というふうに思想として統一的に組織したんです。これはすごい発想なんですよ。
p236

 すこしづつこれらのテーマにつないでいく準備をしているところ。

河合---そのように考えると空海は偉大ですね。
中沢---胎蔵界は、字を見てもわかるように、女性の子宮でしょう。金剛界は、不動で変化しないものというわけですから、外の世界の変化とか不安定な生命現象とかから比較的自由になった、脳のなかの活動のことをさしているのだと思います。脳がおこなう形而上学への傾向を、そう言っているわけですし、金剛のように堅いものといったら、柔らかなヴァギナに対して男性のペニスのことも意味します。ですから、空海は胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅をセットにすることで、男性と女性をめぐる土着的な二元論を、とてもダイナミックなかたちにつくり変えようとしたと言えます。
p237

 この辺、日本人としてなら理解しやすいが、チベット密教を学んでいくなかでは、かなり注意を要するところ。

河合---ノーベル賞に対抗して「空海賞」か何かをつくらないといけない。
中沢---おっ、いいアイディアですね、長官。
河合---「何をくれる」と聞かれたら「中空の」・・・・(笑)。
中沢---煙がでてくるだけですかあ(笑)。
河合---それで「食うかい?」とか言って(笑)。
中沢---出た(笑)。 
p245

 河合隼雄は小泉政権のもと、2002年1月より5年間に渡って、文化庁長官を務め、2007/07に亡くなった。享年79歳。合掌。






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Last updated  2008.10.23 18:38:34
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