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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
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2008.11.08
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カテゴリ:mandala-integral


「両界曼荼羅の誕生」
田中公明  2004/08 春秋社   単行本   219p 
Vol.2 No.374  ★★★★★

 恵果から空海に与えられたこの二つの曼荼羅は、正しくは「両部曼荼羅」というが、天台密教を大成した五大院安然によって、「両界曼荼羅」と呼ばれるようになった。そのため真言宗の学者は、現在でも両部曼荼羅の名を用いることが多いが、現在では美術史家の間で、両界曼荼羅が広く用いられ、文化財の指定もこの名前で行われているので、本書でもこれからは、両界曼荼羅の呼称を用いることとしたい。p6

 言葉の定義は難しいが、当ブログでは、ごく最近より、「胎蔵マンダラ」「金剛界マンダラ」で統一し始めている。「両部」なのか「両界」なのかは、混同があるようだが、好みとしては「両部」である。が、今のところ、こまかくはこだわらないことにする。

 空海より先に帰朝した最澄は、密教を伝えたことが評判になり、高尾山に日本最初の曼荼羅壇を築いて灌頂を授けたが、このとき制作されたのも金剛界曼荼羅であった。このようなことから考えて、最澄は胎蔵よりも金剛界を得意としていたようである。
 ところが806年に、長安で密教を学んだ空海が帰朝すると、最澄は、自らの伝えた密教が不十分であったことを思い知らされた。そこで、最澄は、812年に高尾山で空海から灌頂を受け、密教の伝授を求めた。二人の親交はしばらく続くが、やがて「理趣釈経」の借覧問題や、最澄の弟子泰範をめぐる問題で、決裂することになる。
p13

 日本密教史黎明期における有名なお話である。ここにおいての「胎蔵マンダラ」の存在の意義だが、インド後期密教やチベット密教のように「金剛界マンダラ」高しとし、「胎蔵マンダラ」を軽視する(無視する)傾向をよしとするのか、今こそ「胎蔵マンダラ」を再認識し復権することが求められているのか、当ブログにおけるニワカ勉強では理解できない。

 胎蔵マンダラと金剛界マンダラの、さらなる進化形に両部不二(双入不二とも)マンダラと呼ばれるものがある。いずれが高しと即断することはできないが、正木晃は別書で次のように書いている。

 私は、21世紀のキーワードとも言われる共生を、両部不二ほど、心身に深く体得させてくれる智恵はほかにない、と考えている。いくら口で、「共生のために、お互いの違いや多様性を認め合いましょう、尊重し会いましょう」といわれても、なかなか身につくものではないが、両部不二にはその可能性が十分に秘められているのではないか。
 両部不二という発想は、つまるところ、異質なものを、異質なままに、統合していこうとする方向性である。つまり、異質なものを排除してしまうという方向性とは、まるで逆の立場である。また、異質なもののあいだに、なんとか妥協点を見出すか、もしくは互いの共通点を探し出すかたちで統合していこうとする方向性とも、まったく違う。
 いささかおおげさなことをいうなら、現代社会を文字どおり世界規模で席巻しようとしているグローバリゼーションに代表される価値一元論や、それにともなって必然的にもたされる均質化、というより平板化の、まさに対極に両部不二は位置している。同時に、両部不二は、自分たちの宗教のみを絶対化して、したがわないものには暴力的な制裁を加える原理主義の、まさに対極にも位置している。
 もし、グローバリゼーションを原理主義を、真に乗り越えようとするならば、ただ単に頭で理解しただけではだめだ。まず第一段階として、グローバリゼーションや原理主義を超える智恵を、心身に刻み込む必要がある。そうしなければ、実際的な行動は起こせない。仮に起こせたとしても、頭だけの、論理だけの行動は、いたって脆い。
 このとき、両部不二がひじょうに有効なのではないか。胎蔵と金剛界のマンダラを対置させて、その両方を見つめることで、心身の奥深いところに、異質なものを、異質なままに、統合していこうとする方向性を体得できるからだ。
 さきほども指摘したように、両部不二を過度に単純化することはつつしむべきだが、異なる二つの現象、異なる二つの原理を対置させて、そのあいだに橋を架ける作業をこころみるとき、両部不二は絶好の手段となるはずである。共生を実現するためにつかえる知恵を、日本の伝統から探し出すとすれば、両部不二はその最有力の候補となるに違いない。
正木晃「マンダラとはなにか」p203

 ちょっと長すぎる引用をしてしまったが、ちょっと前から気になっていた部分だったので、この場にメモしておく。原理主義やグローバリゼーションの意義を一元化して一刀両断というわけにはいかないし、また、「日本の」両部不二とことわるところに、当ブログとしてはすぐにはうなづけないところがあるが、何らかの方向性を提示しようとする姿勢は理解できる。さて、では両部不二マンダラである「時輪タントラ」とはどうか、という風に話しは展開していくことになるのだろうが、今はあまり話しを発展させないでおく。

 この「両界曼荼羅の誕生」を読むには、著者自らが述べているように、田中公明の「曼荼羅イコノロジー」「超密教 時輪タントラ」を参考しなければならない。中国・日本のマンダラに特徴的な「両界マンダラ」を理解するには、チベットのマンダラや、インド密教最後の形態とされる時輪タントラと、注意深く比較検討される必要があり、また、日々専門家たちの研究も進化しつつある。

 金剛界曼荼羅を説く「金剛頂経」は真言八祖の一人、龍猛(ナーガルジュナ)が南天鉄塔で感得、つまり霊感によって発見されたものと言われる。南天鉄塔については、古来から種々の説が唱えられてきたが、高野山の密教学を近代化した栂尾祥雲(とがのおしょううん)は「秘密仏教史」において、南天鉄塔のモデルは、南インドのクリシュナ河(キストナ河ともいう)流域にあるアマラーヴァティー大塔であるとの説を唱えた。「はじめに」ii

 南天鉄塔、で思い出すのは、佐々井秀嶺のことである。本文に南天鉄塔のことが出るたび、彼のことを思い出しながら読んでいたら、やっぱり、最後にはでてきた。

 なお本書執筆中の2004年2月、著者はインドで開催された国際会議「仏教と仏蹟巡礼」に参加し、はじめて佐々井秀嶺師に会うことができた。佐々井師は、ブッダガヤのマハボーディ寺院を仏教徒の手に取り戻す運動などをして、政府から逮捕や布教禁止処分を受けたが、現在はインドに帰化し、ラジブ・ガンジー首相(当時)からアーリヤ・ナーガルジュナの名を贈られた。なおこの法名は、南天鉄塔で「金剛頂経」を感得した龍猛にちなむもので、師は、インド憲法の父、B・R・アンベトカルが被差別カーストの仏教改宗を宣言したマハーラーシュトラ州ナグプル郊外のマンセル遺跡こそ、南天鉄塔の故地であると信じて運動を進めている。このように南天鉄塔の伝承は、現代インドの仏教復興にも生きているのである。「あとがき」219

 さて、本書とは直接的なつながりはなにもなく、すでに過去にできていたものではあるが、個人的には思い入れが深い二つの図形を下にアップしておく。二つは、伝統的なルールに則ったものではないが、個人的には「マンダラ」と名づけられているもので、おのおの別々の経緯をたどって作られたものだ。思えば、片や金剛界、片や胎蔵、と見てみれないこともない。この二つは、自らの中にある混沌とした雑片を整理するために、ささやかなコスモロジーを与えようとして、書かれていたものだ。

 今後、このふたつの「マンダラ」が内なる観想によって、どのように変化していくのか、純化していくのか、渾然としていくのか、それとも新しき「両部不二」を生み出すのか、個人的にはかなり興味深く見守っている。ここにこそ、今後の当ブログのエンディングがある、と言っても決して大げさではない。    

     金剛界mandala.jpg      胎蔵mandala.jpg


Journal of Earth Spirit 両部マンダラ2008






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Last updated  2014.08.22 23:26:36
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