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カテゴリ:agarta-david
当初、当ブログは、読書と連動したものでもなかったし、読書と連動してからも、決して書評のようなブログではない。そのような要素はまったくないのだが、もし話題として書物がでてきたとするなら、その時、その本を鏡として使った時、自分のなかからどんなことが誘発されて表出されてでてくるのだろうか、そんなことに関心を持っている。 だから、この本に関しても、客観的な評価を試みるというより、すでに蔵書として20年を超えているこの本を、より内在化した形で、この本に接した時に自らの中に見え隠れするものを、断片的にでも書きとめておく、ということが当ブログでの主な目的となる。 エサレンとオアシス、さらにアメリカ中の類似した成長センターから生まれてくるこれらの新たな魂の医者たちは、われわれの自覚を分離した魂だけではなく、有機体全体へと向けさせ、「セラピー」の意味を刷新しようとしている。いまでは直接、自覚を超個人的な意識へと向けさせることを目指したトランスパーソナルな魂の医者が生まれてきつつある。ところが、不幸にも、これらの医者は、誰一人として互いに相容れる意見をもっていない。誰を信じればいいのだろうか? p151 この本が書かれたのは1970年代末。1949年生まれの著者20代最後であった。であるがゆえに、瑞々しい直観的天性を発揮して、当時の状況を把握し書きとめているが、また、まだまだ実験的な試論を出ない部分もある。医師となるべき訓練を放棄して、著作活動に入った著者は、まさに時代の寵児であった。 ユングがフロイトについて学びはじめたのは今世紀の初めであった。フロイトがユングを、彼の唯一の「後継者」に任命したにもかかわらず、ユングは10年も経ないうちに、教義上の意見の相違からフロイトと袂を分かつこととなった。この有名な訣別ののち、この二人の偉大な人物は二度とふたたびことばを交わすことがなかった。二人が相容れない基盤は、つぎのような事実から派生したものであった-----スペクトルの特定レベルを研究している心理学の研究者が誰であれ、一般に自分自身のレベルとその上のレベルはすべて実在すると認めるものの、自分自身がかかわっているレベルより深いレベルに関してはしばしばその実在を否定する。それらのより深いレベルを病理的で幻想的な、実在しないものと主張するのである。 フロイトはトランスパーソナルな領域には入れてもらえない。ユングは集合的無意識を発見する。 いったいユングは何に出くわしたのだろうか? 人間の魂の深淵にユングが見出した超個的領域をまちがいなく指し示すものとはなんだったのだろうか? 一人の人間の内にあり、当人を超えるものとは何であろうか?p212 ユングは世界の神話の研究に膨大な時間を費やした。 無意識の一部には(仮面、自我、ケンタウロスのレベルに対応する)個人的記憶、個人的願望、考え、体験、潜在性が含まれている。だが、深層領域、自分の内側にある集合的無意識は、厳密に個人的なものを含んでいるわけではない。むしろそこには全人類の集合的なモチーフが貯蔵されている---自分自身の存在の深淵には、世界の古代の神話によって描写されているあらゆる男神と女神、神々と悪魔、英雄と悪漢が凝縮された形態で含まれているのだ。ユングによれば、われわれが感知しるしないにかかわらず、それらは生きつづけ、創造的、破壊的な形でわれわれを深くつき動かしつづけるのである。p214 ケン・ウィルバー著作リスト 「空像としての世界」 1983 「量子の公案」 1984 「意識のスペクトル1・2」 1985 「アートマン・プロジェクト」 1986/06 「無境界 自己成長のセラピー論」 1986/06 「眼には眼を」 1987/04 「構造としての神」 1990/08 「進化の構造」(part1) 1995 「エデンから」 1996 「万物の歴史」 1996/12 「科学と宗教の統合」 1998 「グレース&グリット」(上) 1999/10 「グレース&グリット」(下) 1999/10 「統合心理学への道」 2000 「ワン・テイスト」(上) 2002/03 「ワン・テイスト」(下) 2002/05 「万物の理論」 2002/9 「存在することのシンプルな感覚」 2005/11 「インテグラル・スピリチュアリティ」 2008/02
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Last updated
2008.12.05 20:11:15
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