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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


へ引越しました。

2008.11.28
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カテゴリ:mandala-integral

<1>よりつづく

「ダライ・ラマ ゾクチェン入門」 <2>
ダライ・ラマ14世テンジン・ギャツォ / 宮坂 宥洪 2003/05 春秋社 単行本  340ページ 

 書店で立ち読みしたのは「新装版」だったが、図書館から廻ってきたのは、2003年の第一刷だった。表紙は違うが、内容にさほどの違いはないだろう。

 どんな思考にも陥ることなく、しっかり留まっている意識の状態のことを、ゾクチェンの用語では、「平穏で落ち着き払ったアーラヤの体験」といいます。ただし、この状態は、思考こそ生じていませんが、清浄さを欠いているので、やや愚鈍な性質をそなえた状態であり、それゆえ「愚鈍な部分をもっている平穏なアーラヤ」と呼ばれます。
 この状態をは保持し続け、長く実践を続けていると、この愚鈍さは、ある要因が活動を始めるのと相俟って、徐々に取り除かれるようになります。リクパは、日常的な心---ゾクチェンでは日常的な心とリクパを区別します---がもつ概念や思考に歪められることなく、きわめて明瞭で清浄なものとなり、アーラヤにそなわる愚鈍な性質が取り除かれます。
p140

 ここで言われるアーラヤとは、いわゆるアラヤ識とか阿頼耶識などと呼ばれるものと同じものかどうか定かではないが、近似のものを指しているという前提で読み進める。

 タントラにおいては、より洗練された、究極的な智慧と方便の統一があります。この場合の統合は、智慧と方便の要素が一つの意識の中で完成し、一なるものとして住するもので、きわめて深淵で微細なレベルにもたらされます。タントラをスートラから区別する特徴には多くのものがありますが、智慧と方便の分かちがたい統合は、タントラの重要な特徴の一つです。p202

 ここでは、スートラ=顕教、タントラ=密教、という用語が対応している。

 <質問>マハームドラーとゾクチェンの違いは何ですか?
 <ダライ・ラマ> マハームドラーとゾクチェンのいずれの方法に従っても、その究極において獲得されるものは同じです。しかし、その実践の初期段階において何を強調しているかによって違いがあります。マハームドラーとゾクチェンの違いは、基本的には、これらの教法がどの資料に基づいているかによって区別されます。
 マハームドラーは主に新訳派のタントラによって伝承されました。しかし、マハームドラーの教師たちがゾクチェンの体験を得て、そのテクニックをマハムドラーの実践と結びつけるということもありえます。これは「明空双運」というサキャ派の実践にもあてはまります。ゾクチェンの瞑想を行なうことによって覚醒を得た導師が、そのテクニックの一部を空性と明澄さを統合するための実践に結びつけるということもありえます。
p205

 「究極において獲得されるものは同じ」という部分をまずは確認しておこう。

 カギュ派の代表的な実践は、マハームドラーです。マハームドラーの実践も、究極的にいえば、土台として本来そなわっている光明としての心を体験することを目的としています。カギュ派のマハムドラーの実践は、四瑜伽すなわち一心・不二・一味・無修という枠組みの中で行われます。これらの言葉については、資料によって微妙に異なった表現が使われる場合があります。p226

 ここでのダライ・ラマは、ゲルク派の総帥、というより、チベット仏教全体の統治者としての立場で、俯瞰的立場で解いている。

 無上瑜伽タントラの文脈の中で、空性の見解を主観的・体験的見地から語ることはできます。たとえばゲルク派の理解は、自生の大楽ないし倶生歓喜(くしょうかんぎ)と呼ばれる、四歓喜の最終段階を体験することによって実現されますが、このような主観的な観点から見れば、ゲルク派における空性の体現も、今までに述べてきたすべての見解---サキャ派の「有寂無別」や「明空双運」、カギュ派のマハムドラー、ニンマ派のゾクチェン---も、最終的には同じ所に到達します。これらの見解を分析すれば、これらすべてが究極的な点で一致していることがわかるでしょう。p228

 いきなり登場させるのもなんだが、このあたりでは、悟りとかエンライテンメントという用語との親和性を量っておきたい。

 しかしこのような多様なアプローチが、究極的には同じ境位に到達することを目的としているならば、なぜゾクチェンないアティヨーガが九乗の頂点と呼ばれるのか、皆さんは疑問に思うかもしれません。すでに述べたように、ゾクチェンの特徴は、その瞑想に、散漫な思考、概念的思考といった心の粗大なレベルを用いることがないということです。ゾクチェンでは、その初期段階からすぐに、光明の体験を、直接にありありと、裸のまま明示するための実践に入ります。p229

 心の粗大なレベル、と言い放っていいかどうかはともかくとして、チベット密教の行法には、きわめて膨大なシンボリズムやイメージングが必要とされることに、一瞑想者として、すこし違和感を感じるのは確かである。

 概念や思考を喚起する必要はありません。土台として本来そなわっている光明としての心がもつこうした独特な性質へと導かれたら、ひたすらそれに集中するだけでいいのです。その結果、実践者はいなかるものにも似ていない非日常的な体験を得ることになります。これこそがゾクチェンの非凡なる特徴だと私は思います。p235

 エンライトメント、そしてビヨンド・エンライトメント、という言葉との対応が必要となる。

 私がいつもいっているように、すべての人には責務があります。ですから私たちは責任感をしっかりもって、一人ひとりがその役割を果たさなければなりません。幸せな人間が住む、より良き世界、より幸福な世界をつくりましょう。
 ふだん私たちが、自らの涅槃、すなわち煩悩の永遠の止滅と呼んでいるものは、個人の問題であり、個人の平安です。しかし私たちにとって本当に必要なものは、社会の涅槃---より幸福な人間共同体、慈悲に満ちた社会---です。これこそが私たちの欲しているものであり、私たちはそれを実現することができます。
 私たちには、このような社会を実現する責任があります。個人の涅槃は、自分自身で追及することができる自分自身の問題です。
p266

 玉川本の章立てになぞらえて言えば、この本は、「瞑想による自己超越の世界を説」いていながら、するどく「この地上においていかに生きるか?」を、聞くものすべてに問いかける。当ブログは、そこから更に「具体的社会構想」へと言う項目に移行していくべきなのかどうかはまだ決定していない。だが、内側にも関心があり、外側にも目を向けるバランスのよい人間像が探されなくてはならない。Oshoなら、それをゾルバ・ザ・ブッダと呼ぶだろう。

 共に生きなければならないというのが、人間の本性なのです。しかし同時に、私たちはまだまだ責任感が欠けていて、自分以外の仲間たちに対する態度に、まだ多くの課題が残っていると、私は感じています。
 私たちが住む大都市には、何百万、何千万という人々が住んでいて、その中には孤独に苦しめられている人々がたくさんいます。心の深い部分を分かち合ってくれるような、頼りになる自分を見つけることはとても困難です。他者と友情の感覚を育むところではなく、どんな人に出会っても心が動揺してしまい、いつもまでもその状況から逃れることができません。これはとても悲劇的なことです。
 私たちは自問しなければなりません。何が間違っているのか? 物質的なレベルで何か間違いがあるのか? それはまったく違います。私たちを取り巻くさまざまな機械、あるいは科学テクノロジーに問題があるのか? 私はそうは思いません。もちろん産業構造の変化が私たちの生活を大きく変えたことは否定できません。しかし問題の核心は、むしろ私たちの心の態度にかかわっているのです。
p311






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Last updated  2008.11.28 14:08:03
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