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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


へ引越しました。

2008.12.08
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カテゴリ:mandala-integral

「創造的人間」宗教・価値・至高経験
エーブラハム・ハロルド・マズロー /佐藤三郎1972/07  誠信書房 全集・双書 230p 、原書RELIGIONS, VALUES AND PEAK-EXPERIENCES 1964
Vol.2 No.459  ★★★☆☆

 ひととおり目を通して、なにごとかメモしておこうと思ったのだが、なんのうまい言い方も浮かばないまま時間ばかりが過ぎた。とかく別段に敵対すべきことが書いてあるわけでもなく、また、これこそ読みたかった、という感動的な部分があるわけでもない。非常にノーマルな一冊と言えるだろうか。

 図書館の書庫からでてきた古書に部類する一冊であり、発行されてからすで36年が経過している、ということで、書かれた時代環境と、読もうとしている時代環境に、大きな変化があったことが原因ともなっているだろう。マズローは問題意識をもって、やや挑戦的にこの本を書いているのだが、すでに、多くの問題はこれらの時代背景のなかで、読み変えられなくてはならなくなっている。

 いまや科学と宗教の両方、少なくともかなり知的な学識のある両者の代表者たちにとって、何事かが起こりつつある。これらの変化のおかげで、それほど狭い考えをもっていない科学者にあっては、宗教的問題、少なくとも自然主義的・人間主義的な宗教問題にたいして、これまでとは非常にちがった態度をとることが、可能となってきている。p15

 この文章が書かれた1964年においては、この文章はたしかに力のある、意欲的な一文でもあり得ただろう。しかし、その後70年代のフリチョフ・カプラ「タオ自然学」を象徴とした新しい思想の流れにおいて、マズロー的世界観は、一気に旧態化してしまったと言えるだろう。21世紀においては、科学者の多くは宗教から何事かのインスピレーションを得たことを公言することをはばからないし、保守的思潮の源泉ともいうべき組織宗教においても、科学に照らして確実に誤りであったような場合は、過去を訂正し謝罪する場面もみられるようになっている。

 ここ数年間にまったく明らかになってきたことだが、「催幻覚剤(サイケデリック)」と呼ばれる薬剤、とくにLSDとプシロシピンとが、この至高体験の領域における制御の可能性を、いくらか与えてくれることになったのである。これらの薬剤は、まともな状況のもとで、まともな人のうちに、しばしば至高体験をつくり出してくれるので、至高体験が運よく起こるのを待つ必要はおそらくないかの観がする。p34

 薬物革命においては、まだまだ蜜月時代であったということができるが、現代において、薬物体験を至高体験と同義的に解釈したら、誰にも相手にされなくなるだろう。科学畑でも宗教畑でも、これほどお人よしな論理はいまや通らない。薬物にたよっておこるようなことは至高と感じることもあるかもしれないが、使い方によっては、至「低」体験にすらなりかねないのでご用心。

 彼は尊敬する人物の一人としてリンカーンをあげているが、リンカーンこそ自己実現的人間の代表であり、「どの一年をとっても前の年より成長していない年はなかった」といわれる人物であったことを考えれば、意味が深い。p192「解説明」

 アブラハム・リンカーンもなにかのきっかけで再び脚光をあびることもあるだろうが、いかなトランスパーソナルな流れのひとたちの流れにあったとしても、至高体験者の代表者としてのリンカーンだけをあげて、ことたれりとする研究者はいまやいないだろう。

 1968年の映画の中で、マズローは、自分は現代の聴衆読者をこえて、彼の特愛の個人聴衆を相手にしてきた、すなわちジェファソン、リンカーン、ソクラテス、スピノザの4人をいつも心に置いてきたと語っている。p199「解説」

 40年前のお話である。この4人を並べているセンスを、マズロー的とひとまず表現してもいいだろう。スピノザも興味深いし、もちろんソクラテスも偉大である。ジェファソン、リンカーンも偉人であることはまちがいない。しかし、トランスパーソナルな領域において、これらの人々が特段に評価されなくてはならない、といういわれはないのではないだろうか。なるほどこの本、マズロー的ではある。






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Last updated  2008.12.09 14:54:23
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