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カテゴリ:agarta-david
コリン・ウィルソン 鈴木大拙 本誌裏表紙見返し ウィルソンや大拙と並んでOshoがここに名を連ねているのは、巻末に13ページの長文の解説を書いている小森健太朗のアドバイスが影響しているだろう。小森には「 グルジェフの残影」2006/07という近刊がある。 学生時代に、神田の北沢書店で、"TERTIUM ORGANUM"(本書)の原書(英語版)を手にとって最初の方を少し読んだときには、突然予期せぬところから別世界への扉が開いたような気がして、一瞬眩惑感めいた不思議な感覚にとらわれた。この書物の最初の一行からして、別世界へと誘うだけの力強さに満ちていた。「解説」小森健太朗 p439 「この本なら、たとえ自分の命で購(あがな)わなければならないとしても、僕は買いますよ。最初の一行を読んだだけで十分だ。どんなに高くても僕はこれを買わなくちゃならない」と、私は言った。 Osho「私が愛した本」p29 二人の感覚はそうとうに似ているようだが、邪推すれば、小森はOshoの強い影響を受けていたか、あるいはモノマネした可能性がゼロではない。しかし、これらの人々がなんであれこれだけ絶賛しているのだから、それだけの意義のある一冊なのだろう。 Oshoがこの本を買ったとき、やはり学生時代だったというから1950年代中半だと思われるが、70ルピーしたという。70ルピーとはOshoの学生アルバイトひと月の給料と同額だったという。小森もまた「学生が買う本にしては比較的高価だった」というが、1965年生まれの彼の学生時代とは1980年代後半。 この二人の学生を圧倒的に魅了した「ターシャム・オルガヌム」は、21世紀の学生なら2,625円で日本語版が買える。なんと幸運なのだろう、と思いつつ、現代の学生に、この本はどれだけ愛されているだろう、とちょっと疑問にもなる。 この本につづくウスペンスキーの本「宇宙の新モデル」は、1980年に工作舎から「超宇宙論」として既に刊行されている。しかし、この翻訳本は芳しくない。翻訳の高橋弘泰は「「部分訳は出ているが、原文の意味とはかけ離れ誤訳が目だつ」p436と苦言を呈している。小森に至っては、「抄訳の上に悪訳だった」p441と酷評している。 かたや「超宇宙論」の翻訳者・高橋克己は「原題は『宇宙の新模型」12章分から、4章分を選定し訳出、三部作の第一部とした。「超宇宙論」エピローグp388と語っているのだから、本来であれば、抄訳ではなく、三部作になる予定だったのだろう。しかし、いまのところ続刊された様子も、これから出る気配もない。もっとも高橋だって「翻訳にあたっては、おもいきって意訳を前面に押しした」同p387ということだから、確信犯ということになる。 「松岡正剛がタイトルを『超宇宙論』と仕切った」同p388ということだから、当時の工作舎の社員だった高橋克己にとっては、この翻訳環境がよかったのかどうかは、いまいち再考する必要があろう。もっともこの本がでた1980年においては、このような本の日本のマーケットは成熟していなかった。工作舎の健闘は、一定程度評価されるべきだと思うが、時代の検証は厳しい。 当の松岡正剛においてはどうなっているのかというと、「松岡正剛が選ぶ365冊」には入っているが、「千夜千冊」には入っていない、ということだから、どこかやましい気分が残っているのかもしれない(笑)。
Last updated
2010.06.08 19:48:00
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