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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


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2009.01.14
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カテゴリ:agarta-david


「グルジェフ伝」神話の解剖
ジェイムズ・ムア /浅井雅志 2002/03 平河出版社 単行本 613p
Vol.2 No.516 ★★★★☆

 この本が最後のメモとなるらしいのは、何の意図したことでもない。ただ単にそういう巡り合わせになっただけのことである。簡単に読めそうな本は、どんどん読書リストの前にやってくる。ちょっと面倒くさそうな本や分厚い本は、どんどん後回しになる。

 かと言って手元にある本はともかくとして、図書館から借りだした本には貸出期限というものがある。地元の図書館なら延長ということもあるが、図書館ネットワークで遠隔地からやってきた本では延長はできない。この本は、そういう形で遠隔地から送られたきた一冊だ。残り数日で返却しなければならい限り目を通さないで返却するのはもったいない、と、その程度の読書意欲である。

 この本、蔵書として備えている図書館はほとんどなく、この本を貸してくれた遠隔地の図書館においても、どうやらある書店が寄贈した本のようだ。だから、一般的にはなかなか手に触れることができない本なのではないだろうか。当然、街の書店に展示されるチャンスも少なく、一般読者が目をとおすことも少ないと思われる。そしてまた、目を通そうとしても、簡単に読み切れる量でも内容でもない。まるで、グルジェフの「ベルゼバブの孫への話」と対をなしているかのようだ。

 その証拠に、造本も同じであれば、分厚さも同じほどあり、出版社も翻訳者も同じである。私の推測はまんざら外れっぱなしでもなさそうだ。「ベルゼバブ」を読もうとする人もまれだろうが、この「グルジェフ伝」を読もうとする人もまれだろう。よほどグルジェフが好きな人、グルジェフを避けて通れなくなった人に限られるだろう。

 戦争が勃発して三カ月後、インド亜大陸のロマンチックなイメージをいっぱいかかえて、ピョートル・ウスペンスキーがロシアに帰ってきた。彼はヨーギで哲学者でもあるオーロビンドに会い、月明かりの下でタージ・マハールを見てきた。さらにアディヤールでは白いラマの皮に座ってアニー・ベサントと話をしてきた。1914年11月13日の金曜日、「モスクワの声」紙をパラパラと見ていたウスペンスキーは偶然「劇場案内」蘭に目をとめた。「魔術師たちの闘争」という新しいバレエのシナリオが紹介されていたが、どうやら舞台はインドで、作者はヒンドゥー教徒のようであった。彼はこれを切り抜いた。
 このやや散文的な、しかし象徴的な行為こそ、グルジェフの思想の伝達という意味では実に画期的な時代の幕を切って落としたのである。
129

 同時代性であることを考えれば、ブラバッキー、アニー・ベサント、ウスペンスキー、グルジェフ、クリシュナムルティ、オーロビンド、といった人々が、ひとつひとの波がしらに見えるようようなことでも、水面下で同じ塩水から出来ていたことは当然のことだったように思える。

 運命がグルジェフをフランスに、ウスペンスキーをイギリスに連れてきたとは、なんとも皮肉である。グルジェフのユーモア、良識、そしてエクセントリックなところはきわめてイギリス的であるのに対し、ウスペンスキーの論理性と形式ばったところはいかにもフランス的である。266

 当ブログでは、「グルジェフとウスペンスキーの関連本リスト」は完読しきれていないが、やはり全部読んでみたいな、と思わせるなにかがある。

 本書にもあるように、グルジェフは神智学に対して激しい言葉を残している。神智学を継承し、人智学という形で発展させたのは、グルジェフの同時代人のルドルフ・シュタイナーであった。グルジェフがシュタイナーを知っていたのか、知っていたとしたらどのような目で見ていたのかは、残念ながら本書では触れられていない。伝えられるシュタイナーの人物像から感じられる静謐さ、温和さ、その著書や講演録に見られる理知的で抑制のきいた語り口などを見るかぎり、「ごろつき賢者」とも呼ばれたグルジェフとこれほど対照的な人間もまたといないように思われる。しかし、こうした差異は本質的なものか、と問い直してみたくなる。こう思わせるのは、シュタイナーがそのニーチェ論、「フリードリヒ・ニーチェ----自らの時代と闘う者」の中で引用している言葉のためだ。すなわちシュタイナーがニーチェの精神の核心部分として注目している、ツァラトゥストラの弟子たちに与える言葉ほど、グルジェフの精神、あるいは彼が終生とりつづけた姿勢に近いものはないと感じられるからだ。ニーチェ・シュタイナー・グルジェフ----人間の生の意味の内奥に迫ろうと奮闘し、おそらくは近代においてもっとも深いところまで到達した三者の間で共振している次の言葉を、本書の読者に贈りたい。

 「君たちは、ツァラトゥストラを信じる、と言う。しかしツァラトゥストラがどうだというのか。君たちは私の信者だと言う。しかし信者だからどうだというのか。君たちは君たち自身をまだ求めなかった。だから私を見つけたのだ。だから信じたところで何も始まらない。私を失いなさい。そして君たち自身を見つけなさい。君たちみんなが私を否定したとき、私はまた君たちのところへ戻ってくるだろう」

p608「訳者あとがき」






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Last updated  2009.01.14 15:42:47
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