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2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


へ引越しました。

2009.03.06
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テーマ:私のPC生活(6647)
カテゴリ:バック・ヤード
<第1期>ラストの7冊目


<1>よりつづく

「曼荼羅グラフィクス」 <2>
田中公明 2007/04 山川出版社 単行本 135p
★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★★

 コンテナ、コンテンツ、コンシャスネス、の三本柱からチベット密教を見た場合、バランスよくこの三角形の上に成り立っている本は少ない。いや、当ブログの読んできた本の中にはほとんどないと言っていいだろう。そう思って振り返った場合、ほぼ唯一と言って思い出されるのは、この本だ。

 田中公明には、他にも「曼荼羅イコノロジー」など魅力的な本が多いが、世代的にもパソコン少年的生い立ちを持ち、チベット密教研究の途上で、現代テクノロジーを積極的に取り入れてきた経緯がある。

 たび重なるイスラム教徒の侵入により、インドで仏教が滅びようとしていた12世紀の末、ネパールのカトマンドゥ盆地に避難していたインドの密教行者ミトラヨーギンは、トプ訳経官(1173~1225)の招聘を受け、1198年から99年にかけてチベットのツァン地方にあるトプ寺に滞在し、彼がマスターしていた曼荼羅の全レパートリーをチベットに伝えた。

 この時、ミトラヨーギが伝えた108種の曼荼羅は、チベットで「ミトラ百種」(ミトラギャツァ)の名で知られるようになった。その後間もなく、インドの仏教は滅亡したため、「ミトラ百種」はインドで700年にわたって発展してきた曼荼羅の最後のすがたを示す伝承となった。
p5

 前回読んだ時もそうだったが、この最初のイントロだけで、私などは震え上がってしまう。「ミトラヨーギンの108曼荼羅 コンピュータ・グラフィクスを用いた曼荼羅の図像データベース」・・・・このタイトルだけで、私のなかでは★がフルカラー、レインボーカラーでチカチカ点滅する。

 現在はGoogleがインターネット上で提供するサービスを中心として進行している地球上の文明インテグラルだが、地球人スピリットの集積としてのチベット密教が、曼荼羅と言う意識の集積からコンピュータ・グラフィクスに転位されることによって、新たな地平がひらかれたのだ。

 CGのソフトウェアは、ドロー系とペイント系に大別される。ドロー系のソフトは、データを座標系で記述するため、どのような高解像度でも、なめらかな円や曲線が出力できるという利点がある。しかしドロー系ので高解像度のCGを制作した場合、かなりのCPUパフォーマンスを必要とする。

 またドロー系ソフトの間では、完全なデータの互換性が保証されていない。とくに複雑なグラデーションやテクスチャーを含む曼荼羅では、データをコンバートすると、いちいちのグラデーションの階層やテクスチャーの部分が、ポリゴンに分解され、データが厖大に膨れ上がってしまうことがある。

 これに対してペイント系ソフトはGIF、BMP、TIFなど、色数や解像度に応じて、いくつもの共通フォーマットがあり、データの互換性が保証されている。またグラデーションやテクスチャーもピクセルとして出力されるので、CPUに負担をかけることがない。

 そこで著者は、複雑なプランをもつ曼荼羅の輪郭線のみをドロー系ソフトで制作した後、これをプリントアウトするサイズによって適当な画素数の画像データに落とし、グラデーションやテクスチャーを含む彩色は、ペイント系ソフトで行うという方式を採用した。

 この方式では、将来コンピュータやプリンターのパフォーマンスが向上し、さらに大きな画素数のデータが制作できるようになっても、ドロー系ソフトで制作したデータはそのまま、あるいは若干の改良を加えるだけで使い回すことができる。なお1800万ピクセルのデータでは、現在市販されている最大のプリンターで1メートル10センチ四方にプリントアウトしても、ピクセル・データであることによる画像のギザギザは、よほど注意して見ないと気づかない。p11

 チベット密教経典における、色と形とその位置のシンボリズムは非常な重要な意味をもっている。伝統的にマスターから弟子と口伝として伝えられ、その内奥を理解するにも膨大な時間を要しながら伝承されてきた。イニシエーションにも使われるこれらのマンダラ図は、必ずしも絵や壁画として固定されて保存されるものとは限らない。モノによっては、使用されたあと、すぐ消されて単なる砂粒として川に流されたりするという。

 そのようなマンダラの構造をCGに置き換える作業についての是非も問われないければならないが、ブッタから始まる仏教サイクルの2500年経過した現在の地点を考えるとき、このような形でCGにおいて新たなるマンダラ研究が始まるということは、大い喜ばしいものだと考える。

 ケン・ウィルバーの「インテグラル・スピリチュアリティ」を待つまでもなく、人間の意識(コンシャスネス)を理解するには、色と形は重要な意味をもっている。長年の歴史と伝統の中でチベット密教が人間の意識をインテグラルしてきたと考えて場合、その意味をさらにオープンなものとして、地球上の共通した認識にすることも可能なはずである。

 このような伝統の育みと、新たなる資料の発見と、テクノロジーの発展、そして研究者たちのとびぬけた発想や業績によって創り上げられたこの本は、コンパクトではあるが、実に多くのメッセージがいっぱい詰まった一冊である。容易にその神秘を解読できるものでないが、座右において、折にふれて紐といていきたい、とても貴重な一冊である。

<3>につづく


Om Mani Padme Hum







Last updated  2010.02.23 14:55:15
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