世界ロボット大図鑑
「世界ロボット大図鑑ROBOT」 ロバート・マローン著 2005/5 新樹社 いやぁ、実にカラフルな写真いっぱいのカラー図鑑です。ロボット大図鑑というべきか、お宝鑑定団カタログ集ともいうべき、マニア垂涎の一冊。いわゆるロボットいう言葉で連想する実在したロボット画像を一挙に掲載する。アニメやSFを加えたらさらにバリエーションは増えるだろうが、こちらはおもちゃのトイ・ロボットから、最近の人型ロボットまで網羅している。 さらに驚くのは、ロボットの世界においては、世界に先駆けて日本が圧倒的にリードしていること。純然たるトイ・ロボット第一号は、日本製のブリキのおもちゃ、リリパットとされている。1937年ごろに製造されたというから今から70年前、身長15センチと小ぶりながら、ゼンマイ式で、前進歩行した。 それから戦前・戦後を通じておもちゃロボットの世界は、70年代までメイドイン・ジャパンが圧倒する。80年代になると、アメリカから「組み立てロボット・キット」が出始める。バッテリーやマイコンまで搭載され、自分で動き、人間とのコミュニケーションもおこない、簡単な作業ならプログラミングすることもできたという。83年にでたトポは、マック・コンピュータでリモート・コントロールしたというから、時代の黎明期を感じる。 合体型ロボットや変形ロボットなどを経ながら、やっぱり現代の知能ロボットが世界的に話題になったのは、ソニーの犬型AIBOや本田技研のアシモの出た2000年前後となる。新世紀になると、デンマークからレゴ社から組み立て式のマインドストリームなどがでてくるが、いまや、各社が意欲的なロボットを思い思いに出して、まさに現在は「ロボット新世紀」という様相を呈している。 セキュリティ・ロボットやミリタリー・ロボット、手術用ロボットなど、さまざまな実用的なロボットが研究されているが、トヨタではパートナーロボットというコンセプトで、人の役にたつロボットの開発を進めている。ここまでくると、このブログの趣旨から外れていくので、深追いはしないが、ロボット研究がこのように人間社会に貢献することはすばらしいことだと思う。 何度も繰り返されていることだが、[アイザック・アシモフの作品に登場したロボット法三原則]を再掲しておく。1.A robot may not injure a human, or allow a human to be injured. 第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また何も手を下さずに人間が危害を受けるのを黙視していてはならない。2.A robot must follow any order given by a human that doesn't conflict with the First Law. 第二条 ロボットは人間の命令に従わなくてはならない。ただし第一条に反する命令はこの限りではない。3.A robot must protect itself unless that would conflict with the First or Second Laws.第三条 ロボットは自らの存在を護(まも)らなくてはならない。ただし、それは第一条、第二条に違反しない場合に限る。 シンギュラリティというカテゴリ・テーマから見ると、「役に立つロボット」はあまりに生活に近過ぎてどうもピンとこなくなるが、少なくとも、これだけ人類がロボットにかける夢は大きく、少なくともこういうものができるようになった現代というものはすごいなぁ、と思う。