ごぼうさんのいろは・・・『ごぼうさんのいろは・・・/What Color are Burdocks?』(ジョエル・アソグバ(Joel Assogba)著) 日本語と英語の2言語で書かれています。 この本は、「にんじんさんがあかいわけ」という絵本を読んで大変ショックを受けたことからできました。この「にんじんさんがあかいわけ」はジョエルさんのあとがきによれば「大根と人参と牛蒡が風呂に入ります。牛蒡は熱いお湯に我慢できずにすぐ飛び出したから真っ黒(不潔を連想させる色)。大根はきれいに体を洗ってさっとお湯に浸かったから真っ白(清潔を連想させる色)。人参は熱いお湯に長い事浸かったから、赤。」 ジョエルさんは「昔話や寓話にありがちな教訓がこの話にあるとすれば『ちゃんとお風呂に入らないとごぼうさんみたいに真っ黒ですよ、汚いですよ』という教訓に他ならないと私は思います」とジョエルさんは言います。 この出版社に、内容が人種差別的なので自主回収をしてほしいと訴えたそうですが、編集長の答えは「この話は子どもたちに多様性を教えようとしていて(※)、話が作られた当時はそういう意図はなかった、人気のある本だし自主回収のつもりはない」との一点張りだったそうです。作者も同じ考えだからとして、作者と話をさせてくれなかったと。 「(前略)今ではたくさんの人たちが、日本の社会の構成員となっています。肌の色に限らず、体の特徴、言語、食習慣、服装・・・私たち一人ひとりを特別な存在にしているこれらの違いは自然なことなのです」 「子どもたちは偏見をもって生まれてくるわけではあいrません。子どもたちは周りの大人たちが自分たちと違う人たちとどう接するかをみて育ちます」 どうしたら人と人がよりよく生きていけるでしょうか? ジョエルさんは「一人ひとりの違いを尊重し、共生することの大切さを子どもたちと一緒に考えていくことが、国際化への第一歩だといえるでしょう」とあとがきで結んでいます。 ※紹介者注:どこに多様性があるのか、首をかしげるのですが、あるのならばどこにあるのか、みなさんも探してみてください。 (「 」の部分は本著あとがき「ありのままを受け入れて」から抜粋しました) (A.E.) |