★ケロッグ魔法学院★

　この世にオギャーと生まれて物心つくまで、誰人も損・得という考えを持っていませんでした。

ところが、物心がつく年齢になると最初は他愛のないもの（お兄ちゃんのおかずの方が多いとか、私の方がおかずが少ないとか）で、損した得したという感情が現れてきます。
　
　そして、次第にそのことで、一喜一憂するようになり、だんだん大人になるに従ってこんどはその手口が巧妙になります。
　
　損したように見せかけて得をすることを考えたり、得していると相手に思わせて、相手に損させたりと網の目のように複雑怪奇になってきます。

　それではそもそも損をするとはどういうことでしょう。

　「損をする」訳ですから、能動的です。すると言う意味は自らの意志で動く訳ですから、言い換えれば実は損をしたいのです。

　無駄使いがそれにあたります。無駄に使うのです。特にお金も時間も無駄に使うと結構ストレスの発散になって心地良かったりしませんか。
　
　でも無駄使いにも限度があります。当然無駄なことばかりしていてはよほどのお金持ちで無い限り財布の中身は減る一方です。そして時間は「たいくつな時間」へと変化します。

　｢損をした」ということは受動的で、したと言う意味はさせられたと相手に向けられます。
　
　人間はさせられるということが本能的に大嫌いな生き物で、そのため損をさせられた相手を非難し損を取り返そうという感情が出てきて必死になります。その感情が暴走すると事件になったりして日々の三面記事を賑わせていますが、普通の人は途中であきらめます。

　「損して得する」という意味は上記２つの損を受け入れて最終的に得するということです。ですからこれは非常に計画的です。でもその計画はうまく行く場合もありますが、失敗する場合もあります。何故かと言うと先ほども書いたように現在の損得は網の目のように複雑怪奇になっているので、とても明らかに見抜くことが困難だからです。

　こんな複雑怪奇な世の中で損得を考えるのはやめましょう。損得はコインの裏表のように常に一体であり、もともと意味はないのです。得することばかりを考えて進んできた人類は今、おおいなる自然のしっぺ返しを受け瀕死の状態なのですから。

　生まれて物心つくまで、誰人も損・得という考えを持っていなかったのをもう一度思い出しましょう・・・。

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追記

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