釣りをしてまでも。
12月7日 木曜日エージェントAの日記。今日は友達から素晴らしい報告。ここでは割愛。帰って来たらルームメイトから真剣な相談。ここでは割愛。という割愛人生を送ってきた私ではあるが、いかにしても割愛しきれない、勝負の時がいよいよやって来た。かねてから小出しにしてきた、ビザ問題である。もちろん合法滞在、潔白を証明する白を好んで着用する私であるから、小汚い手を使ってビザを取ろうなんて気は毛頭無い。確かに容易とは言えない合衆国でのビザ取得であるが、真っ当に生きていれば何かしらの方法は無きにしも非ず、だ。それは周りを良く見回して、誰が正直に語り、誰が武勇伝をでっち上げているかを見極め、そしてあとは自ら時間を割いて勉強するのみ。めんどくさがらずに大使館や移民局のウェブサイトを読めば、そこに指南はあるというものだ。そして自分にはどれが当てはまるか、見当を付けましょう。終わってみれば、カネこそかかったが、結構簡単だったね、弁護士が全部やってくれたしね、という程度のものだろう。しかしながら、人はなぜか、過去を事実よりも大きく見せ、さらに万華鏡を通しているかのようなイリュージョンと絡めて話したがる。頻出の人物で恐縮だが、中井さん。彼の在米歴は20何年と記憶しているが、最初は我々同様、学生。そこから永住権取得への道がどれほど険しく、いかに大変だったかを尋ねると、話しなれた落語家のようにべらべらと話し始める。大抵は聞き流す我々だが、聞き捨てならないエピソードもあった。他州で生活していた彼は、食うお金にも困り、挙句、釣りをして食べ物を自給自足していた時代があったという。LAもそうだが、特定の場所で釣りを行うためにはライセンスが必要である、が、空腹極まりない彼にそのようなものを取得している時間は無かった。そこで友人と組になり、ひとりを見張りに立たせ、彼は素早くサカナを釣って、針からはずし、上着に隠して逃げるように帰宅したらしい。しかも、毎日。なんという釣りの才能であろうかと、感嘆するより他は無い。人には見えぬ能力が備わっているものだ。というわけでわたくしエージェントAの勝負の時はどうやら2月頭、らしいよ。このブログの存在が、またバレた本日。おおきなまめになるように。→人気blogランキングへ