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2012.12.02
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カテゴリ:文芸
 父である皇帝ヴァレリアヌスをペルシア王シャプールに捕らえられ、
 後を継いだ息子・ガリエヌスには、さらなる試練が待ち受けていた。
 遠ゲルマニア属州総督ポストゥムスが、ガリア帝国創設を宣言して皇帝になり、
 さらに、ローマ帝国内は疫病や地震に見舞われるなど、状況は苦しくなる一方。

 そんな中、またしてもクーデターが勃発、ガリエヌスは殺されてしまう。
 そして、その首謀者クラウディウスが次期皇帝に即位。
 彼は、ゴート族を撃破する活躍を見せるが、即位2年目に疫病で死去。
 その後弟が即位するが、将兵たちに推挙されたアウレリアヌスが取って代わる。

アウレリアヌスは、ヴァンダル族の侵入を撃破すると共に、ガリア帝国の平定にも成功。
また、通貨の発行権を元老院から皇帝に移したり、アウレリアヌス城壁の建設にも着手した。
しかし、彼は秘書の謀略により命を落とすことになってしまう。
皇帝空位は5か月にも及んだが、結局75歳のタキトゥスがその座に就いた。

だが、このタキトゥスも、東方に向け出陣してすぐ死去。
元老院は、その弟を皇帝に指名するが、彼もすぐ警護の兵士に殺されてしまう。
そして、東方の軍団の司令官プロブスが次の皇帝に推挙される。
彼は各地の蛮族一掃に成功し、ペルシアとの戦いに赴くが、そこで兵士たちに殺される。

その後、近衛軍団長カルスが皇帝に推挙されると、彼は長男と次男を共同皇帝に指名。
カルスは、ペルシア戦役でメソポタミア攻略に成功するものの、落雷により死去。
その後、次男が暗殺されると、それを解決した身辺警護責任者、38歳のディオクレスが、
カルスの長男暗殺後に、ディオクレティアヌスと改名して皇帝に即位することになった。

   ***

まぁ、このように3世紀のローマ帝国は、何ともひどい状況である。
アウレリアヌスやプロブスなどは、東西から追いつめられたローマ帝国の窮状を
かなり頑張って、ある程度回復するのに成功した功労者とも思えるのだが、
それでも、身内に殺されてしまったのである。

  皇帝アウレリアヌスの死に方もこのプロブスの死にようも、
  この時期の統治する側と統治される側の距離が、
  限度を超えて短縮していたことを示している。
  彼ら軍人出身の皇帝たちは、言ってみれば実力重視政策の成果であった。
  生まれも育ちも非エリート階級に属した彼らが帝位にまで登りつめたのも、
  既成の指導者層に絶望した世の中が、実力をもつ者の登場を求めたからである。
  だが、正当であるのは明かな実力重視路線だが、
  人間世界のすべてのことと同じように、利点もあれば欠点もある。
  実力主義とは、昨日まで自分と同格であった者が、
  今日からは自分に命令する立場に立つ、ということでもある。
  この現実を直視し納得して受け入れるには相当な思慮が求められるが、
  そのような合理的精神を持ち合わせている人は常に少ない。
  いわゆる「貴種」、生まれや育ちが自分とはかけ離れている人に対して、
  下層の人々が説明のしようのない敬意を感ずるのは、それが非合理だからである。
  多くの人にとってより素直に胸に入ってくるのは、
  合理的な理性よりも非合理的な感性のほうなのだ。(p.157)

人間の感情の不思議さを思い知らされる記述をもう一つ。

  異教徒側からの批判は、専らキリスト教のこの不寛容に向けられていた。
  しかし、不安に満ちた時代に生きる人々は、寛容でリベラルなものよりも、
  不寛容で全体主義的でさえある信仰のほうに、
  より強く魅きつけられるものなのである。(p.184)

そして最期に、リーダーについて考えさせられる記述を。

  五万もの軍勢を率いる総司令官と、
  その十分の一の組織を率いるリーダーとでは、求められる能力がちがってくる。
  つまり、多種多様な人間の集まる大規模な集団のリーダーは
  ゼネラリストでないと務まらないが、
  同種のスペシャリストを集めた小規模集団ならば、
  その中で最も優秀なスペシャリストで充分、ということになる。(p.51)





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Last updated  2012.12.02 11:44:11
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