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カテゴリ:社会・政治・時事
副題は「歴史・人・旅に学ぶ生き方」。
著者は、2006年にライフネット生命保険株式会社を設立し、 2018年からは立命館大学アジア太平洋大学学長を務める出口治明さん。 1948年のお生まれなので、現在71歳か72歳のはず。 本のタイトルや副題から「還暦後の過ごし方指南書」をイメージしましたが、 本著に記されているのは、そういうジャンルのものとは全く別物でした。 還暦後、個々人が日々をどのように過ごしていくかに焦点を当てたものではなく、 日本の社会全体や経済活動の在り様、そしてそこに生きる人々について考察した内容。 日本経済の低迷は、新たな産業構造の牽引役になれるユニコーンが なかなか生まれないところに根本的な原因があります。 学者によれば、ユニコーンを生むキーワードは、 女性・ダイバーシティ・高学歴の3つだそうです。(p.39) 著者は、このような人材が集い、育成される場が必要であるとし、 それをAPU(立命館大学アジア太平洋大学)で取り組んでいると述べています。 世界のトップ企業たるGAFAやユニコーンでは、 自分の頭で考え、新しいアイディアを創造することが大切な 「頭を使う仕事」が中心です。 世界ではとっくの昔にパラダイムシフトしているのに、 日本だけが製造業の工場モデルに固執し続ければ、 競争力を失い世界に置いて行かれるのは当然です。(p.106) このような変化の中で、還暦後も「人・本・旅」による自己投資を行い、 これまでの蓄積に頼らず、新しい物事を勉強し、チャレンジしていくことが大切。 動物の自立は自分で食い扶持を得ることなので、 だいたい20歳ぐらいまでを子供とすると、大人としての人生は80年あります。 そう考えると20歳からスタートして半分の40年が経過した60歳は、 ちょうど人生のど真ん中。 人生100年時代の60歳は折り返し地点と位置付けられます。 「60歳にになったからそろそろ人生も終わりに近い」と思っている人は、 定年制という歪んだ考えに毒されているのです。(p.53) まだまだ人生は長い。 健康寿命を延ばすためにも働ける限りは働き続け、 新しい世の中に置いて行かれることがないよう自身をアップデートしながら、 好きなことを、やれることをやり続けましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.09.26 11:33:49
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