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美女・特撮・時代劇・反逆

天知茂の「美女シリーズ」、60~80年代の特撮・時代劇・ドラマ、横溝正史関連作品、
および「セーラー服反逆同盟」「スケバン刑事」「不良少女とよばれて」「スクール☆ウォーズ」などを紹介しています。2012年9月開設。

毎度お買い上げありがとうございます。
現在のタイトル画像は田山真美子さんです。
2017.11.18
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カテゴリ:仮面ライダーBLACK
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 第9話「マリバロンの妖術」(1988年12月18日)

 第8話(特に面白くないのでスルー)に続き、幼女が主役のロリコン戦士御用達のエピソードである。

 冒頭、爽やかな秋晴れの空の下、佐原一家と光太郎が、渓流釣りを楽しんでいる。周囲には他の家族連れもたくさんていて、おのおのレジャーシートを広げている。

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 光太郎「大丈夫かなぁ、お昼のおかず……」

 スポンサーである明治製菓のカールの袋をわざとらしく持って、これからマス釣りをしようと言う俊吉と茂を心配そう見詰めている光太郎。

 そんな和やかな光景が、突然地中からもりもりと出現した巨大なサボテンによって一変する。

 巨大サボテンは、表面に生えている無数の鋭い針を吹き矢のように飛ばして、川原にいる人々に突き刺していく。光太郎もあまりに突然の出来事に対処できず、気がついた時には、そこにいた全員が針を刺され、体の一部がサボテンのように変形した上、彫像のようにピクリとも動けなくさせられていた。

 無論、それはクライシスの仕業で、巨大サボテンの正体は、体中から太い角(牙?)を生やした怪物、怪魔異生獣アッチペッチーであった。

 ビジュアルもだが、ネーミングもなかなかインパクト大の敵である。

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 アッチペッチー、太いツタを伸ばして光太郎の体に巻きつける。

 アッチペッチー「人間をサボテンと合体させて新たな異生獣に作り変える為にやってきた!」

 光太郎、そのまま空中へ投げ飛ばされ、川の反対側の岩場に着地する。

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 アッチペッチーが、光太郎目掛けてミサイルのように角を発射する。

 光太郎は「変身!」と叫んで変身ポーズを取る。その手前に着弾した角が水中で爆発し、

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 光太郎の体を覆い尽くすほどの巨大な水柱が上がる。

 水しぶきの中、光太郎はRXとなって川を飛び越え、アッチペッチーに反撃する。

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 アッチペッチーは角を折られてもすぐに再生してしまい、さらに針を刺した人間を意のままに操ってRXを襲わせる。
 さっきまでにこやかに話していた佐原家の人々も、ゾンビのように恐ろしい形相でRXに群がってくる。

 ところが、すぐにサボテン人間にされた人々が頭を押さえて苦しみ出し、アッチペッチーも「そんな筈では!」と狼狽する。

 アッチペッチー、今度は小さなサボテンになると、再び地中へ潜り込む。それと同時にみんな、何事もなかったように正常に戻る。

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 その後、クライス要塞では、三度のメシよりお仕置きが好きなジャーク将軍が、作戦の責任者であるゲドリアンを電磁ムチでいたぶっていた。

 ゲドリアン「お、お許し下さい~」
 ジャーク「黙れ! あのような役立たずの異生獣を送り込むとは!」
 ゲドリアン「アッチペッチーは、怪魔界の人喰いサボテンから作り出した異生獣、地球人の体が思わぬ拒否反応を起こしてしまったのです」

 一方、操られていた間の記憶はないが、すっかり疲れ果てた様子で帰宅した佐原家の人々。

 と、玲子が会いに来たと知ると、光太郎は「まずい!」と、急に慌て出して、小さな鉢植えのサボテンを持って佐原家から逃亡する。

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 光太郎「あーああー、これじゃ玲ちゃん怒るよなぁ……」

 実は光太郎、取材旅行に出掛けていた玲子から、留守中、彼女のサボテンの世話を頼まれていたのだが、見事に失敗して、サボテンを弱らせてしまっていたのだ。

 光太郎「困ったなぁ。……ああっ、そうだ、泥棒が入って盗まれたことにすれば……うっはっ、それしかないなぁ。うふふ、ようし……」

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 光太郎、「BLACK」の時と比べて、人間性のみならず、知力も大幅に低下してしまったようで、小学生みたいな言い訳を思い付くと、ウキウキしながら目に付いたゴミ箱に投棄しようとする。

 明敏な玲子が、泥棒がわざわざサボテンだけを盗んで行ったなどと言うタワゴトを信じてくれると、本気で考えていたのだろうか、コイツは?

 光太郎「さようなら、サボテンさん、と……」
 千草「待ってぇっ!」

 だが、その光太郎の、人間として「終わってる」感の漂う愚挙を寸前で止めた天使がいた。

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 千草「サボテンを捨てないで!」
 光太郎「えっはっはっはっ、可愛いサボテン!」

 光太郎、取って付けたようにサボテンを撫で回して、笑って誤魔化そうとするのだった。

 このあどけない少女・千草を演じるのは、今も声優、女優として活躍する本名陽子さん。

 可愛い上に、演技も同時期の子役の中ではずば抜けている。レギュラーのひとみを、あの棒読み子役じゃなくて彼女が演じていたら……と、ロリコン戦士じゃなくても思うところだ。

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 で、次のシーンでは、彼女がひとりでいる広々とした部屋に、光太郎が上がり込んでいると言う、現実にはまずありえない展開となっている。

 光太郎「わぁ、奇麗だなぁ。凄いなぁ、千草ちゃんは本当にサボテンが好きなんだね」

 光太郎、ところ狭しと置かれた様々なサボテンに、少年のように目を輝かせる。

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 千草「お兄ちゃん、お水やり過ぎたのね。サボテンがそう言ってるわ」
 光太郎「へー、分かるの?」
 千草「サボテンにはね、心があるの」
 光太郎「心が?」

 千草、光太郎が捨てようとしていた玲子のサボテンを、「専門家」としてメンテナンスしてやっているのだ。

 千草「サボテンさん、サボテンさん、奇麗に咲いてね」
 光太郎「ふぅーん」
 千草「こんな風にお話してると奇麗なお花咲かせてくれるの……ママはいつもそうしてたの、ママは千草はずっと小さい時に亡くなったの。サボテンが大好きだったのよ」
 光太郎「じゃあ、ここのサボテンは?」
 千草「みぃんな、ママが大切にしていたの。だからここでサボテンの世話をしてサボテンとお話しているとママと一緒にいるみたいなんだ。うふふっ」

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 千草「はい、もう大丈夫」
 光太郎「元気になるかな」
 千草「サボテンは少し乾いた温かい国に生まれたの、だから生まれた国と同じようにしてやると元気になるわよ」
 光太郎「そっかぁ、ありがとう、千草ちゃん」
 千草「うん! うふふふ……」

 千草の可愛らしくて頬ずりしたくなるような笑顔を浴びて、光太郎は、

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 「嗚呼、ロリコンやってて(註1)良かったぁーっ!!」と、心の中で叫ぶのであった。

 (註1……断じてやってません)

 光太郎、佐原家に戻ると、千草に治してもらったサボテンを、さも自分が最初から最後まで世話してきたような顔で、玲子に返す。

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 玲子「枯らされる覚悟、してたんだけどなーっ」
 光太郎「何言ってんだよ、自分で預けておいて」
 玲子「それはね、光太郎さんのがさつな性格もサボテンの世話でもすれば少しは治るんじゃないかなって」

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 光太郎「冗談でしょ。サボテンさん、サボテンさん、奇麗に咲いてね、でゅっふっふっ、サボテンの言葉が分かる。サボテンと対話する。この僕の何処ががさつなのかなぁ~?」

 サボテンを手に起立し、芝居がかった口調で千草の受け売りをする光太郎の姿は、「BLACK」の頃のストイックで寡黙なキャラクターとはほとんど別人の観があった。

 と言うか、コイツってほんとに別人で、光太郎のイトコかなんかじゃないのかと思う時がしばしばある。

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 再びクライス要塞。あれから延々とお仕置きタイムを楽しんでいたジャーク将軍とゲドリアンの前に、マリバロンが悠然と現れる。

 マリバロン「ジャーク将軍、地球人をサボテン人間に変え、意のままに操ることが出来れば私たちの地球侵略計画は大きく前進します」
 ジャーク「そのとおり、クライシス帝国建設の為に働かせ、その後は人民の食糧としてもつかえる」

 高畑さんの太腿、美味しそうですね……。

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 マリバロン「アッチペッチーを改造してこの作戦を成功させる為には純粋で汚れのない心を持った地球人と合体させなければいけないわ。チュッ!」

 マリバロン、手にしたコンパクトディスクに口付けしてからゲドリアンに放り投げる。

 マリバロン「それにもっともふさわしい地球人のデータがその中に入ってるわ」

 無論、マリバロンが選び出した純粋な地球人とは、千草のことであった。

 いつものようにサボテンの世話に余念のない千草。

 しかし、こんな小さな女の子がいつもひとりで居ると言うのは、若干不自然な感じがする。

 父親がいるのだろうが、こんな小さな娘をひとりきりにさせて平気なのだろうか? しかも、千草の部屋を見る限り、なかなか裕福そうな家庭で、ベビーシッター的な使用人を雇う余裕がないとも思えないし……。

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 声「千草ちゃん、千草ちゃん」
 千草「誰?」
 声「千草ちゃん、ママよ」
 千草「ママ? 何処なの?」

 さて、その千草の部屋に、アッチペッチーの化けたサボテンがパッと現れ、優しい女性の声で千草に語りかけてくる。

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 声「此処よ」
 千草「ママ、本当にママなの?」
 声「そう、ママよ。ママはサボテンに生まれ変わったの、千草に会いたくて」
 千草「ほんとなのね、ママなのね?」

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 千草は疑うことなく、その声を母親のものだと信じ込んでしまうが、それは遠く離れたマリバロンの作戦司令室から、マリバロンがボイスチェンジャーで声を変えながらサボテンを通して語りかけているのだった。

 マリバロン「ママはもう一度人間に、千草のママに戻れるの」
 千草「ほんとー?」
 マリバロン「そうよ、その代わり、なんでもママの言うことを聞かなければダメよ」
 千草「千草、なんでもする!」

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 マリバロン、一旦千草との会話を終えると、本来の声に戻ってゲドリアンと話す。

 マリバロン「あの子は生まれた時からサボテンに深い親しみを持っているわ。異生獣と合体させるにはもっともふさわしい筈」
 ゲドリアン「だが、力尽くではなく人間らしい純粋な心を持ったまま、自分から進んで合体させねばならんのだ」
 マリバロン「ほほほほっ、その通りよ、しかしあの子はもう私の意のまま、訳もないことだわ」

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 その後、光太郎がまるで恋人の部屋でも訪ねるように、ウキウキした気分で千草のマンションのチャイムを押す。

 千草「はーい」
 光太郎「やあ!」

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 千草「お兄ちゃん!」

 何の警戒心もなくドアを開け、ニッコリ微笑む千草。

 光太郎、この前のお礼に別のサボテンをプレゼントしに来たのだが、千草の頭越しに、部屋の中央に置かれた石油ストーブがガンガン焚かれているのを見て、怪訝な顔をする。

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 光太郎「随分、暑くしてるんだね」
 千草「ママが……いえっ、サボテンが喜ぶから」
 光太郎「でも、これじゃ体に毒だよ」

 サボテン経由で光太郎の声を聞いたのか、マリバロンは思わず「南光太郎!」と叫び、問題のサボテンをパッと隠す。

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 ここで、光太郎、実にさりげなく、幼女がひとりで留守番している部屋に上がり込もうとする。

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 これにはさすがの千草を恐怖を覚え(註2)、「ダメ!」と慌てて光太郎の体を押し返すのだった。

 (註2……嘘。本当は母親のサボテンを見られたくなかったからである)

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 光太郎が追い出された後、サボテンが再び出て来て、一気に巨大化する。

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 千草「ママ、本当にママなの?」
 声「千草、ママに会いたくないの?」
 千草「会いたい、会いたいわ」
 声「千草の命のエネルギーをママに頂戴」
 千草「ええっ!」

 なんとなく、千草の姿勢が変だ。

 声「千草、助けて」
 千草「ママ、何でも上げる。ママが戻ってきてくれるなら、何でも!」

 半ば催眠状態にあるのか、千草はサボテンから伸びた太いツタに、恐れる色もなく自らの腕を絡ませ、巨大サボテンに密着する。

 異変を感じた光太郎、ドアをこじ開けて入ってくるが、巨大サボテンはたちまちアッチペッチーの姿に変わり、千草を連れてまたしても地中に逃げ込んでしまう。

 光太郎、RXに変身してライドロンを呼び、アッチペッチーと千草の行方を追う。

 アッチペッチーは、地下のねぐらにやってくると、もう一度サボテンに化け、母親の声で千草に優しく語り掛け、今度こそ千草と合体しようとする。

 RX、アッチペッチーの隠れ家が分からず、焦っていたが、ふと、千草が言った「サボテンは少し乾いた温かい国に生まれたの」と言う言葉を思い出し、ライドロンの温度センサーを使って遂にその場所を突き止める。

 ライドロンで岩壁を突き破ると、今まさに、巨大サボテンが千草と融合しようとしているところで、そばにはマリバロンとゲドリアンの姿もあった。

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 RX「千草ちゃん、そいつはママじゃない!」
 マリバロン「あんな奴の言うこと聞いちゃダメ!」

 この台詞は、高畑さんの作り声で、なんとなく笑ってしまう喋り方となっている。

 RX「千草ちゃん、これを見るんだ。君のママはサボテンが大好きだった。本当のママならサボテンにこんなことをする筈がない!」

 RX、アッチペッチーに養分を吸い取られて枯れてしまったサボテンの鉢を千草に見せて、ゆめうつつの状態にある彼女を説得しようとする。

 千草「……ママじゃない!」

 それを見て、一気に千草の催眠状態が解け、激しい拒絶反応が起き、サボテンと千草を繋ぐツタが爆発して焼き切れてしまう。

 こうなればもう特に書くことはない。

 地上へ出て、アッチペッチーと雌雄を決するのみ。

 今回のアクションの見所は、やはり、

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 アッチペッチーの角ミサイルの爆発をバックに、RXが空中で回転してカメラに向かって飛んでくるシーンだろう。

 なお、1枚目の画像、下部に二つの黒い物体が見えるのだが……、何コレ?

 ひょっとして、下でトランポリンを支えているスタッフが二人いて、キャップを被った頭が見切れてしまったのだろうか?

 で、RXは、アッチペッチーの再生能力に手を焼きつつも、最後はリボルケインで普通に撃破するのだった。

 事件解決後、佐原家に招かれた千草に、光太郎たちは大量のサボテンを押し付け、いや、プレゼントするのだった。

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 光太郎「なんか、これ、チン○みたいだね!」(註3)

 ラスト、両手にサボテンの鉢を持って浮かれている光太郎の姿を映しつつ、幕となる。

 (註3……断じて言ってません。チン○みたいなのは事実だが)

 以上、ストーリーもドラマもアクションも、いまひとつ突き抜けたものがない、ロリコン戦士が喜ぶだけの凡作であった。

 冒頭の川原のシーンを削り、千草の亡き母親への思いをもっと掘り下げて描いていれば、もう少しちゃんとしたドラマになったと思うのだが。






最終更新日  2017.11.18 20:56:50
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