不敗神話は復活したか？やっぱりあんたが大将、中田英寿！

2006年02月28日

終わってみれば２対２で勝ち点１（笑）
実に胃の痛くなる試合内容だった。（苦笑）
前半の立ち上がりから緊迫した試合内容で、終始どちらのペースとも言えない状況が続いた。

ボスニア･ヘルツェゴビナ代表は、長身と高い個人技、中盤から自陣付近では素早いチェック（プレス）で硬い守備だ。これは見た瞬間、手ごわいと感じた。

しかし、日本代表の印象もそれほど悪くはなかった。小笠原も良く動いていた。
中村から絶妙のロングパスにドンピシャの福西の飛び出し、惜しい１点を逃したが、あれが決まっていれば３対２で勝利であった。
不満であったのは、加地の右サイドを抉る上がりが、前半からほとんどなかった点で、これでは昨夏の「コンフェデ杯復活劇」にはならないのは当然だった。センタリングも甘いボールで全くらしさがない。（解説の奥寺氏は遠慮していると表現していた。）

俊輔は小笠原をうまく使おうと、工夫していたようだ。しかし、その分、彼自身の動きが中途半端な感じでキッカーとしては良かったのだが、ボールキープやパサーとしてはイマイチだった。俊輔らしいパスは福西へのロングパスと高原へのコーナキックだけで、本来のテクニックは感じられなかった。

むしろボスニアのＭＦバルバレズの良さだけが目立つ感じであった。
日本代表の守備では危ない場面もあったが、要所要所を中田英寿が相手の芽を摘んでいた。
凄くクレバーな守備で、テクニックに勝るボスニアの選手も中田の前では通用しない。
日本選手の中でボスニア選手と互角に渡り合い、ボールを奪われない、倒れない選手は中田ただ一人であった。ボスニアの選手は、柔らかいピッチ上でも実に鋭い切り返えしで、ブラジル代表のような印象があった。
ボスニアはＦＩＦＡランク６５位･･･何のためのランクなのか。実力は１８位の日本以上ではないのか？

しかし、前半は３０分頃からやや日本ペースになった。ここがジーコ･ジャパンになってから成長した大きな点で、中田や俊輔が加わると一味変わる。選手が自分達で日本ペースを作れるようになったのだ。
特に中田は前半２５分過ぎからは、完全にゲームをコントロールした。要所で中田はボランチの位置から通れば、決定的と言えるキラーロングパスでボスニアの出鼻を挫いた。

そして、ここから神が掛かりが感じられた瞬間である。前半４５分中村のコーナーキックに、高原がヘッドで合わせ１点リードできた。
強いボスニア･ヘルツェゴビナ代表･･･ＦＩＦＡランク６５位全くランキングなど当てにならない。これだけ強いチームがＷ杯に出られないのが欧州のレベルだ。

前半を見終えての印象では、コンフェデの復活劇は不発であったと言える。モチベーションはボスニア代表の方が遥かに高い。勝ちたいという気持ちが動きにヒシヒシと伝わってきていた。

それは、後半の立ち上がりに直ぐに結果として生まれた。後半の立ち上がりは、実に素早いパス回しと速いプレスで日本代表はボールを奪えない時間帯が続いていた。その矢先のバルバドスに対する中澤の守備の不味さで、ＰＫを取られた。ゴールエリアまで短いパスとドリブルで入ってしまったバルバドスを防ぐ手立てはなかった。ＰＫでないとしても、ＰＫを誘ったバルバドスの動きは絶妙だった。

勢いはすでにボスニアのペース、セットプレーから勝ち越しの２点目を許してしまった。
それからかさに掛かったように攻められ、日本代表は自分達のペースを取り戻せない状況が続いた。すべてはあのＰＫで流れが変わったのだ。パニック状態の日本代表選手は、守勢に回っていた。三都主の守備の不味さもあった。

ジーコ監督はたまらず、流れを変えようと、小野と稲本を投入。さらに大黒と柳沢を入れた。ボスニアは選手６人を入れ替え、エースのバルバレズも下げ、勝ちムードであった。
確かに、この時点では誰もボスニアの勝利を疑わなかった。（笑）

しかし、軌跡はまたしても起きた。なんとロスタイム４６分中村のセンタリングに飛び込んだ中田のヘッドがボスニアのゴールマウスを揺らした。
昨年のアジア杯、軌跡を演出したジーコ･ジャパン、ここに蘇った。
勝利の女神は日本代表を見捨てていない。何せ監督が「サッカーの神様」だから（笑）

今日のドルトムントのスタジアムでは、日本語の場内アナウンスがされていた。ドイツＷ杯の準備も万端のようである。スタジアムにはバイエルン･ミュンヘンをはじめ欧州ビッククラブのスカウトが多数来ていたらしい。ボスニアの選手がやる気満々なのも頷ける。俺的な予想ではあの５７ｍゴールを決め、世界のジーコが絶賛した「小笠原」を見に来たのではないだろうか。（笑）

（ちなみに、ブラジルではジーコは神とは呼ばれていない。キリスト教国では神はキリストだけだから。）

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう

最終更新日 2006年03月01日 00時28分45秒
コメント(0) | コメントを書く

[サムライ･ブルー] カテゴリの最新記事