左らく天

　先日、吉田茂元首相の暗殺計画が報じられていました。クーデターを企てたのは元参謀本部士官ら、旧日本軍幹部です。しかし、実行グループのリーダーを陸軍参謀の僚友、辻政信が説得し、未遂に終わったというのです。

　この辻政信たる人物、山中出身者ではセレブ中のセレブです。しかし、太平洋戦争に深く関わったこともあり、地元でもタブー扱いです。その後、辻政信は衆議院議員に当選。政治家への道を踏み出しますが、インドシナで消息を絶ちました。

　一方、吉田茂の方は動乱の昭和史の中で、エピソードにもこと欠きません。そのさいたるものが「バカヤロー解散」 でしょう。衆議院予算委員会で右派社会党の西村栄一議員に対し、吉田首相が「バカヤロー」と暴言を吐いたのは、今から54年前の1953年のきょう、2月28日です。ちょうどこのタイミングにCIAの文書が公開されたのも、この日付に関係があるのでしょうか。

　あのとき命を失っていれば舌禍もなかったわけですから、まあものは考えようです。今も柳沢厚労相や、伊吹文科相、菅直人代表代行まで失言のオンパレードですが、浅沼委員長の刺殺事件といい、当時の政治家は命がけでしたから、少しは気が楽というか・・・

※画像は2月27日付け北国新聞朝刊より

■ 辻政信　関連書籍
■ 作戦参謀辻政信新装版
■ 辻政信と七人の僧　（結構お勧め）
■ 津本陽 著 / 八月の砲声
（盗作疑惑が起こったいわくつきの作品・2007/2月28日現在在庫なし）
■ 牛島康允 著 / ノモンハン全戦史
（津本氏に無断引用された、と指摘されている作品）