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2006/08/08
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カテゴリ:カテゴリ未分類
さっきまでの、
怖い怨霊の声がもうしない!?

どう言う事なんだ!?

まさか…。

~いいから、そのまま続けなさい。
 あの変貌した声を思い出すんだ。
 さあ、続けなさい。~


でも…!?
僕は自分のしようとしている事に、
重要な理由が、
どんどん薄らいで行くのを感じていた。

『どうしました?』

《あ…いや》

~そのまま…。~

《あの…でも…》

~何をためらってるんだ!
私を消したいんじゃないのかい。
 私がお化けなら、《霊》と呼ばれているものなら、
 この僧侶が成仏させてくれるかも知れん。
 そうなら、
 本当はその事の方が、
 私にとって芯から望んでいた事ならどうする!?

成仏する事が出来ず、
 この世に無念を残し、
 お前に縋るしかない、
 哀れな魂だったら、
 お前がそれを察する事が出来るからこそ、
 今日までの現象を成して居たとしたらどうする!?~


『大丈夫ですか…!?』

《あ…ごめんなさい。》

『何が起きていますか!?…今… 』

僕は途中からお坊さんの話しが、
耳に入らなくなってしまった。

自分が何を言いたいのか、
混乱している…。

お坊さんの口だけが動いていた。
何も聞こえなくなった。

整理しなきゃえっと…、

苦しいかも知れないけど、
それでも、
この事で、
成仏してくれるかも知れない。
僕はそれを望んであげなきゃいけないんだろうか…。
そうなのかも知れない。
だからきっとわざとあんな嫌なもうひとつの声を作って…、
そうなんだきっと、
きっとそうなんだ!
言わなきゃ…言わなきゃ…!

《…と、突然…声が聞こえてくるようになったんです。あの、》

先の話しを遮(さえぎ)る勢いで、
お坊さんは僕に言葉を吐いた。

『それは【異次元】のものです。
 気を付けないと、たいへんな事になります。
 まず聴いてはいけません。
 強い意志で聴かない事です!
ともすると、
 死に至らしめる程の恐ろしい力を持っているかも知れませんよ。』

《えっ!?でも…でも別にそんなにいつも、
 怖がらせられてるわけじゃなくて…あの…》

『最初は守護霊でもあるかのように、
 優しい事を言ったり、
 いい事に感じられる事も起こして来ます。
 しかし、
 次第にそれは悪質なものになり、
 殺生に関わる程の恐ろしい場所まで人間を追い込み、
 取り憑いてしまうんですよ。』

《いえ、そんなんじゃないんですよ…》

~また何を言おうとしてる…。
  そんな事は言わなくていい。
  恐ろしくて、仕方ないと言いなさい。

  いいかい。

  目を閉じなさい。~


あっ!?

周りの音も、
ざわめきも聞こえない。
何も聞こえない。

~時を止めた…。
   そのまま、目を閉じて聞きなさい。
   今、夢の中に居ると思えばいい。
   確かめなくていい。
   話せなくなるよ…私と…。
   何も考えず、
   ノートに書いて会話をしている時を、
   心に浮かべて、
   私の声を聞くんだ。

   そして、ざわめきが聞こえたら、
   私の言う通りに僧侶に話すんだ。

   約束出来るね。~



分かりました…。

~私は、
  《霊》ではない。

  私は、《神》でもない。

  私は異次元のものでもない。

  私は…。

  それはいつかお前の心が、
  何かの言葉に辿り着ける事になる。
  名前に辿り着ける事になる。

  それは、
  お前の芯なる体験の内側、
  命の日々の内側にしか生まれない答えなんだ。
  解るかい。

  その少なくともひとつの種として、
  この事はお前の体験の真実になるんだ。

  この僧侶の答えも、
  体験と、自らの選んだ道の中にある、
  選び取った学びの中の知識として、
  その使命を明けた心が、
  人の命をも救った事がある。

  お前もその一人かも知れん。

  それを知る為の大切な《今この時》なんだ。

  明けだと信ずる心から、
  お前自身の今は咲く。

  さっきの怖い声をもう一度呼ぶかい…。
  そうしなくとも成せる筈だ。

  こうまでしても、
  僧侶のなんらかの経徳を受けて、
  この私はお前を頼り、
  成仏したい魂だとしたらどうする。

  してくれないのかい。

  お前の知識の中では、
  私が怨霊なら、
  苦しむ…となっている。

  しかし、苦しまないかも知れない。

  想像以上に苦しむかも知れない。

  ならば、
  例えば、
  私が今こうして夢の中で話している事を、
  【さぁさっきの話し…。書きなさい。全て。】

  とあとで言ったらどうする。

  この僧侶に私は消せなかったとしたら…。

  せっかく優しい言い方をしているのに、
  この仕方が明けに成せないのなら…~


解りました。
解りました…。
もうさっきみたいな…
!?
ざわめきが戻った。
僕は目を明けた。

『いいですね。』

《は、はい。》

『手を合わせ、目を閉じて、
 私の唱える言葉を、
 しっかりと聞いて、
 強い意志を持って下さい。

 私がその声を異次元に戻します。

 そして、
 その後は、
 もう二度と、
 不信な声を聞こうとしてはいけません。
 いいですね。』

僕の目を一心に見つめて言って下さってるお坊さんの、
有難い気持ちを感じ取った時、
僕は、
何を迷う事があったんだろうと、
申し訳ない気持ちにさえなって、
有難うございます。
と頭を下げた。

そんなにお坊さんが言う程、
僕にとって、
嫌な声ばかりの現象ではなかった。
でも、
僕はこんな事で止まってはいられない。

成仏させてあげられる。
こんなチャンスはまたいつ訪れるか解らない。
助けてあげるんだ。
あの声を。

そう思えばいい。

《お願いします。》

僕が目を閉じた瞬間、
お経が始まった。

叫び声が突然聞こえた。
【やめてくれ!】
やっぱり想像通りの現象だった。
やっぱり…そうだった。
でもきっとしばらくしたら楽にしてあげられる。

お経と重なって聞こえて来る声は、
まさに悪魔祓いのような感じだった。

そして可哀想な位の叫び声のピークだった。
テレビのスイッチをブツっと切ったように、
急に何も聞こえなくなった。

お経だけが聞こえている。

終わったんだろうか…。

そう思った時だった。

~【さぁさっきの話し…。書きなさい。全て。】

   流星…残念でした。~


《え!?》

僕は一瞬噴出しそうになって、
笑いそうになるのを堪えた。

~こらっ。声を出してはいかん。~

はい…。

~そのまま…。
  この子の為に今度は明けの今を成してあげなさい。~


どう言う事ですか…。

~さあ…私にも解らないと言って置こう。
  どうやらこの方法では、
  私は消せないようだ。
  残念だったね…。

  何か少し嬉しそうだが…。~


いえ、そう言うわけじゃなくて、
※お経は続いている。

~いつまでこうしてるんだい。
  ルール違反だよ。
  書きなさい。

  早く終えて…。~


だって、
どうすれば…!?

~そんな事は私には解らん。
  ただ、いつまでこうしているんだいと、
  私はそう言いたいだけだ。~


確かに…。

うっすら目を開けると、
まだまだ続きそうな気配だった。

仕方ない。
芝居しよう。

《あの…、
 あの…なんだかとても楽になりました。
 もう全く何も聞こえなくなりました。

 大丈夫になりました。》

『そうですか…。』
優しい笑顔だった。

《ほんとに有難うございます。》

『いいえ、いいんですよ。
 良かったですね。』

~居るけどね、私はまだ。~

喋らないで下さい!
僕は、心で冷や汗を掻きながら伝えた。








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Last updated  2006/09/27 08:08:45 AM



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