100メートルビルって コストが割高?
100メートルビルの建築敷地 4,284.73平方メートルの 所有権の持分は 本来の地権者さん 約39パーセント 三菱地所(株)が 約31パーセント 西武不動産販売(株)が 約10パーセント 再開発組合が 約20パーセント近く です。地権者さんの権利変換のために ビルが必要! というのでしたら、単純に考えて、現在の計画の39パーセントのビル床を持つビルで良いのではないか?と思うわけです。建設費も 64億円の39パーセントなら 25~26億円で税金投入額が 30億円近いのだから それで 十分 間に合うのでは?39パーセント規模のビルなら、1~4階までのフロアー面積は多いし10階以下でも良いのでは~? とも思ったり…ビルが低くなれば、鉄骨の太さも関係して、コストも割安に…?などと 漠然と思っていましたら、次の 抹茶さんのコメントから他にも 高層ビルだから 余分にかかる設備が あることを知りました。 東村山の再開発ビルについてではなく、一般的な高層建築物の避難について東村山消防に限らず、殆どの消防署が持っているハシゴ車は30m程度の高さまでしか届きません。これは建築基準法にも反映されていまして、非常用進入口というのを3階以上の階には設けなくてはいけないのですが(よくビルの窓に赤い三角マークがついているのがこれです)、これは31m以上の階には設置しなくても良い事になっています。何故ならハシゴ車が届かないから。どうやって避難や救助、消火を行うのか?避難については基本は階段です。但し 高層建築物の場合は より安全性の高い「特別避難階段」を一つ以上設置することが義務付けられます。 この階段は廊下から直接階段室に入るのではなくて、「附室」という部屋を通ってから階段に入る為に 煙が 階段室に流れ込み難いという構造となっています。また階段についても必ず2方向に逃げられるように複数の階段を設けることが義務付けられます。ヘリによるホバリングスペース(Rマーク)は、これらの補完し かつ緊急救助活動の為のスペースとして 高層建物については消防から設置を指導されます。所沢の高層マンション群や田無の再開発ビルでも航空写真を見ると設置されていることが判ると思います。 ハシゴ車も届かない高層階の消火はどうするか?初期消火についてのスプリンクラー設備は非常に有効であることは、過去の火災実例等を見ても判りますし、また消防ではスプリンクラー設備を非常に重視します。消防隊を高層階に送る方法ですが、これは「非常用エレベーター」で対応します。これは一般用エレベーターとは独立した区画を持ち、かつ非常電源でも動き、さらに乗降ロビーも他の部分と区画されたエレベーターです。31mを超える建物についてはこの「非常用エレベーター」の設置が義務付けられ(一部例外規定はあります)ています。普段は普通のエレベーターとして使用されていたり、商業施設などでは荷物搬入用として使われていたりもします。これで高層階に消防隊を送り込む訳です。消火用水はどうするか?これには「連結送水管」という設備があります。この設備は 地上にある送水口にポンプ車のホースを繋ぐと、そこから高層階へパイプが通じていて 消防隊はその階にある取出し口にホースを繋いで消火に当たるわけです。大きな建物だと1階のどこかの壁に「送水口」と赤いプレートや赤い文字で書いた差込口があります・・・これがそれです。 延焼防止について 高層階では避難までの時間が必要であることから、特に防火区画という一定時間炎を食い止める壁や扉で細かく区画されます。前述した階段室や非常用エレベーター、附室の壁もこの防火区画で囲まれています。火災発生区画に居た人は、まずこの区画を一つくぐることで まず第一次の避難ができます。そして次に 階段室の区画をくぐり 地上へと向かう事になります。このように高層建物に限らず、大規模な建物では延焼防止、避難、消火の為の設備が建築基準法、消防法等でかなり細かく規定されています。勿論、これはハード的な対策であって、これにソフト面の対策があって初めて 防災的に安全な建物であると言える訳です。ただ一つ言える事は、これらの対策を行っても決して万全ではないという事。想定を超した災害に対しては これらの設備でも対応できない事も十分考えられます。ですので、このような防火避難規定は、過去大きな災害が起きる度に改定されてきたという経緯があります。ガス? 電気? 最近はオール電化のマンションも増えていますが、こればっかりは高層マンションだからオール電化という公式にはなっていません。どちらかと言うと、そのマンションを造るデベロッパーのコンセプトに拠る所が大きいかもしれません。オール電化でのマンションの場合、給湯面でネックになる事もあります。オール電化は夜間電力を用いて給湯し、それを貯めて昼間使うという事になりますが、特に家族用住戸の場合一日につかう湯量を賄うだけの量を貯めるスペースが必要であったりすることから、この点ではガス湯沸器の方にメリットがある場合も多いです。 抹茶さん、ありがとうございました。ハシゴ車が届かない分を 二重、三重に 設備をしているのですね。普通だったら 『それで 安心!』 となるのでしょうが、私としては販売用マンションを含めることで高層化し、建設コストは割高になるということの、ひとつの 裏付けをいただいたようで 嬉しく思いました♪100メートルビルって コストが割高? (このタイトルでどうか?)銀座とか 土地も少なく、地価が高いところでは 高層ビルが良いのかも…その銀座でも、景観を保つため 高さ制限を考えているのですよね。