モラルに体当たり記

■「手作りブーム」が来てる。

昔（といっても2004年～2005年前半）どこかに、
今、手作りがきてる、という話を書いた気がする。

私が挑戦した手作り化粧品だけでなく、
洋裁・和裁、
家庭菜園、
等々、なんか、必需品を「自分で作る」ということが、
密かにブームになりつつある気配がする。

たぶん、これはビッグウェーブが来る感じがしていたのだが、
ここのところ、さまざまな人のお話を伺って、
ますます確信に変わった。

もちろん、大量消費・大量破棄の世界もまだまだ進むだろうが、
「自給自足」への回顧は着実に浸透しているし、
間違いなく、大転換が来る。

たぶん、21世紀の後半には、そっちが主流になる匂いがする。

私の「作る」といえば、今は、化粧品と家庭菜園。
ついでに梅酒も今年は6ビン漬けた。

実は、オフィスの紫蘇はGW中に枯れてしまいまして。
再度、果敢にベランダ菜園に挑戦中なのです。
今度はいいよ～。プランターもでかくていいかんじだ。


■貨幣経済のほかに、もうひとつの経済活動を持つ

で、なんでこんなことを思ったかというと。

主婦労働、いわゆるUnpaid Workを研究しているうち、
様々なUnpaid Workのかたちに、触れたのがきっかけ。

現在、世のさまざまな指標は、貨幣経済活動に基づいて
調査されている。

今までの議論や世の流れは、
Unpaid Workを貨幣経済に換算しよう、というもの。

たとえば、主婦をUnpaid WorkerからPaid Workerにしよう、
というような話だったけれど、

最近、「作る」の現場から出てきている話は、これと逆で、
貨幣経済システムから、ちょっと外れてみよう、
という話。

つまり、お金で取引されない経済活動分野を増やそうぜ、と。

確かに、お店で買うから野菜に
お金を払わなきゃいけないわけで、
家に野菜が生えていたら、お金を払う必要はない。

そのぶん、稼ぐ必要もなくなる。

洋服も既製品を買うから高いわけで、
自分で縫えば、布代のみ。
ワンピースとか一回作ったら、買う気力なくなるね。
だって、むちゃくちゃ安いんだもん！
（パンツはカッティングが命なのでそうそう作れないけど）

同様に、世界中に友達がいれば、
その国に行ったときに、ホテル代を払う必要はない。

お土産は、和裁で仕立てた浴衣なんかどうだ？
慣れたら1着1時間くらいで作れるそうで、
さらに、喜ばれること間違いなしだぞ。

話が長くなったが、

貨幣経済以外の経済活動をもっともっと、
普通の生活の中に取り込んでいく、
これが、これからすごく重要になるんじゃないかと思う。

なぜなら、

第一に、貨幣経済社会側では、たぶん、
これからすごい格差が広がるから。
しかも、超一部の勝ち組と、その他大勢という形で。

そんなとき、その他大勢には、
貨幣取引以外の経済活動が、すごい重要になってくる。

なぜなら、それによって、稼がなくても生きられる、という
最低限の生存保証をできるようになると思うからだ。

第二に、たぶん、大量消費大量破棄時代は、
ほんとにこの数十年で限界を迎えるから。

たとえば、お水を考えてみよう。

20年前、水やお茶なんか売っても誰も買わなかった。
それが、この20年間ですごいことになったのは、
水道水が安全じゃなくなったからだ。

うちなんか、一日2Lペットボトル3本は消費してるから、
一年間で1000本超、1本100円換算でも10万円。

でも、自分たちで水を汚して、
自分たちでそのツケを払ってるのに、
それに気づかないなんて、ばかみたいだ。
みたいじゃなくて大馬鹿だ。

ついでに、自分が飲む水だけミネラルウォーターにしても、
野菜はどうする？
カルキ水で育った野菜は美味しいか？害は本当にないか？

ちなみに、人口肥料と薬剤で育った今の野菜は、
50年前の野菜の1/15程度の栄養分しかないそう。
だからって、15個もトマトやキャベツ食えるかっつーの。

だから、たぶんどこかで、普通の水を
きれいにするような方向に変わらざるを得ないし、
一部ではそういう動きがすごい出ている。


お金がすべてではない、とよく言うけれど、
お金で多くのものを買えるのも事実。

でも、お金がないからといって、
したいことや欲しいものを諦める必要もなく、
ないなら、作ればいいのだ！！！！

美味い水も、
美味い野菜も、
可愛いワンピも、
素敵なバッグも、靴も、
作って作れないことは、ないわなぁ。

しかも、いい物ほど、結局ハンドメイドなんだぜ、ベイベー。
エルメスのバッグぐらい、がんばれば作れるんじゃないか？

てなわけで、ぜひ、みんなも手作りに挑戦してみてください。
いやいや、楽しいですよ、まじで。