2006/12/02(土)14:10
元気印で全線踏破(前半)No.13
『軽便鉄道の面影踏みしめ
・・・元気印で井原線全線踏破(前半)』
(2005/10/02、中国新聞に連載したものです)
こんにちは。二カ月ほどごぶさたしているうちに、秋風
とともに本格的なウオークの季節がやってきましたね。
夏編ではナイトウオークで涼を楽しみました。秋編はま
ず、井原線を端(神辺)から端(総社)まで、距離を楽し
みながら踏破するコースを、二回に分けてご紹介しましょ
う。前半戦は、神辺駅から井原駅を経て矢掛駅までの紹介
です。
現在の井原線は、吉備線(岡山―総社)を福山まで延長
する旧国鉄時代の計画をもとに、井笠軽便鉄道を廃止して
その跡に敷設されたものです。今回歩く神辺―矢掛間は、
まさに軽便鉄道の名残を探しながら歩くコースです。
出発は神辺駅。JR福塩線の駅に井原線の駅が併設され
ているのは、井笠軽便鉄道の時代から変わっていません。
神辺駅前を左折するとそこは旧山陽道。沿道の随所に格
子戸が残っています。神辺本陣、菅茶山旧宅・廉塾跡…。
江戸時代の宿場町の情緒を味わいましょう。
高屋川を渡って湯野駅へ。駅の東側に、軽便鉄道のわず
か76.2cmと狭いレール幅の橋げたが残っています。
神辺町内では井原線高架下の水路のところどころに小さな
遺構が見られ、軽便鉄道の廃線跡に井原線が敷設されたこ
とがうかがえます。
ところが県境を越えて井原市内に入ると、とたんに軽便
鉄道の痕跡を見つけるのが難しくなります。区画整理です
っかり改修されてしまったのです。今は井原バスセンター
となっている旧井原駅に、わずかに名残が見られるだけと
なりました。現在の井原線井原駅の約100m東の公園に
展示されている軽便鉄道時代の機関車は、数少ない歴史の
証人です。旧七日市駅以降の線路跡は拡幅され、途中で右
にカーブして笠岡市中心部に向かう主要道路へと変身して
います。旧木之子駅跡の南には井笠鉄道初代社長の実業家、
馬越恭平(1844~1933年)の生家跡を利用した資料館があ
ります。
旧北川駅跡の交差点を左折して小田川に架かる観音橋を
渡ると旧備中小田駅跡。この辺りから再び、井笠鉄道跡を
井原線が走っています。井笠鉄道終点だった旧矢掛駅は現
在の北振バス本社。当時の駅待合室は、今もバス待合室と
して現役です。レトロな気分に浸ったところであと一息、
ゴールの矢掛駅はもうすぐです。
沿道のススキやコスモスを眺めながら、ウオークには最
適の季節。さあ一緒に歩きましょう。(10月初めの設定)
(井原線まちおこしネット代表・岡田正樹)
●歩く距離 約29km ●時間 約7時間
●消費カロリー 1383kcal
※これは「2005/10/02 の中国新聞井笠おかやま版
ほのぼの岡田さんの井原線ウオーク 秋編 第1弾」
の連載を修正加筆したものです。ではまた