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テーマ:読書(8192)
カテゴリ:【読書Memo】
「偽りの明治維新 会津戊辰戦争の真実」
2008年1月15日 初版発行 著者 星亮一 判型 文庫版 269p 発行所 大和書房 時代の転換点というのは理不尽なものだ。幕末から明治維新においては何が正義で何が悪かはわからない。現在の戦争のない時代があるのは良い悪いはべつにして間違いなく維新があったからだ。孝明天皇の死については疑問が残るがこれが転換点となったことは確かだ。天皇に対して考えると長州と会津は不義と正義がひっくり返って戊辰戦争を戦った。 戊辰戦争の勝敗しだいでは奥羽越列藩同盟に優秀で非情な指導者がいて戦略戦術を駆使して闘っていれば彼らが官軍になっていたかもしれない。 しかしそれでは士農工商の封建制度の打破、下剋上は起きていなかったと思う。 読んでいて会津や東北の悔しさは伝わったが、為政者というのはいつの時代でも正史と称して都合のいい歴史をつくり上げるものだ。 偽りの歴史を書き直すにしても数十年の執念が必要になる。 会津でさえ「ならぬものはならぬ」とする武士道を貫きつつ世界情勢に対応できた山川家の人々もいれば、同じ「ならぬものはならぬ」を是としながらも頑迷で対応できなかった家老など上級武士も多かった。 幕藩体制自体が制度疲労を起こしていたことは確かだ。 この本を読んで一番感じたことは為政者は平気でうそをつく。特に長州にはそんな気風が脈々と受け継がれているように思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.02.18 17:35:04
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