カテゴリ:突発的な作品
※昨日の補足話です
俺は お前を恨むよ (だからお前も 俺を恨んで) 俺は お前に全てを捧げたのに お前は 俺に全てをくれなかった (俺は ずっとお前の一番になれなかった) お前の中で 一番はツナで 俺は 中学の頃から変わらず2番手 それが・・・どれだけ悲しかったか分かるか? 手を伸ばせば 今にも届きそうな範囲なのに 無理矢理奪い去ろうとすれば 奪い去られる範囲なのに お前の事を愛しているから信じてた いや、今だって お前の事を愛してるから信じてる いつか・・・俺の事を1番に考えてくれる日が来るってこと・・・ (今だ淡い期待を持っている俺を見て 嘲笑ってくれよ) - 深紅と漆黒 - あの日の事は 今でも覚えている 仕事帰りのことだった その日の仕事は 敵対マフィアとの抗争で 今回は ボンゴレに軍配があがった 俺もお前もかすり傷程度の怪我で 十代目に報告するために 2人で車でアジトまで向かっている時だった (窓から 黄金に光る満月が見えた) 俺は 助手席に座ってて お前は車を走らせながら 俺と他愛無い話をしていた時だった (急にお前が 車を止めたんだ) そして お前は車から降りると 俺のほうを見ながら 笑顔で言ったよな (『arrivederci』と・・・) 笑顔とは裏腹に発せられた言葉は 俺の身体から体温を奪っていった するとお前は また優しい笑みを浮かべると そのまま 街中へと走り去っていった ・・・そう、このときお前を追っていればよかったんだ (あの時 お前が泣きそうな顔をしてたのは 気のせいだ) 数週間後 お前は また俺の所へきた ・・・いや、現れたと言った方がいい・・・ お前の傍には 数週間前に抗争したマフィアの生き残り そう・・・あの日 俺たちが戦っていた敵対マフィアの人間 その中には 幹部クラスの凄腕のマフィアもいた 俺は・・・頭が真っ白になった 何故 お前がそいつ等と一緒にいるのか 何故 お前が自分の部下を斬り付けているのか 何故 お前が俺に刀を向けているのか 分からない 分からない 分からない 分からない (本当は信じたくなかっただけ) (自分の中で構成された 最低最悪なストーリーに・・・) 「獄寺、この紋章がなんだか分かるよな?」 そう言うと お前はスーツにつけてあるバッチを指差した 指刺されたところを見た そこには月明かりを受けて 光り輝く敵対マフィアの紋章 途端 俺の中で何かが崩れ落ちた (嗚呼 お前の事を信じていた俺が馬鹿だった) 「・・・ボンゴレを裏切ったって事かよっ・・・。」 俺は 歯を食いしばりながら 今にも溢れ出そうな怒りを抑えながら発した お前を睨みつけた お前と目が合った お前は・・・微笑んでいた どこか 満足そうに俺を見ていた 俺は その顔を見た瞬間 呆然と・・・お前の顔を見た お前は俺に言ったよな ずっと・・・中学生の頃から変わらない 優しく 温かい低い声で・・・ 「獄寺 俺が憎い?」 「俺の事 殺したいくらい憎い?」 「俺が憎いなら 憎んでよ」 「憎んで憎んで 俺しか考えないで」 (それはまるで・・・夢を見ているかのようだった・・・) 「俺さ、ずっと獄寺の一番になりたかったんだ」 「けど 獄寺の一番はずっとツナだろ?」 「けどさ・・・獄寺が俺の事を憎んでくれたら」 「ツナ以上の存在になれるって思ったんだ」 「だから 獄寺」 「俺の事 憎んでよ 恨んでよ」 「そして 俺の事しか考えないで」 (自分の罪の大きさを 思い知った瞬間だった・・・) お前は 馬鹿だ 確かに俺の一番は十代目だ けど お前と十代目とでは 想いが違いすぎる 十代目には“敬愛”を お前には“愛情”を お前は ちゃんと分かっているって思っていた だから俺も 口では言わなかった そんな事言わなくても ちゃんと伝わってるって思ってた (その考えが甘かったんだ・・・) お前も馬鹿だが 俺も馬鹿だ お前が こんな考えを持ってるなんて 全然気づかなかった お前が そんなに俺からの言葉が欲しかったのかなんて 全然気づかなかった ごめんな・・・山本 後日 俺と山本は戦いを迫られる事になった ボンゴレを裏切った山本を 敵対マフィアが保護し 十代目とその敵対ボスが ある提案を出した それが 俺と山本の戦い 俺が勝てば 山本の身柄はボンゴレのもの 山本が勝てば 山本は敵マフィアの人間になる ・・・なぁ 山本 お前は俺を恨めって言った けど 俺はお前の事を憎む以上に 俺自身を恨んでいる 憎んでいる けど お前が望んでいるなら・・・ 俺がお前を憎む事を望んでいるなら・・・ 「十代目」 「あとは お願いしますね」 俺は お前を憎む気持ち以上に お前の事を愛してるから せめて お前の気持ちが晴れるように 俺は お前の前で死ぬよ (自分が犯してしまった罪を 洗い流せるなら流してしまいたい・・・) お前は やっぱり野球をするべきだった お前は やっぱり日本に残るべきだった お前は やっぱり平和な世界で平凡に生きるべきだった お前は やっぱり光の世界に置いて行くべきだった 俺が犯した罪 それを自分の罰として返した時 お前が元に戻る事を願っている 好きだ 大好きだ お前を愛してるぜ 山本 ずっとずっと中学ん時から お前は 初めて俺に愛を与えてくれた お前は 初めて俺に愛を教えてくれた ありがとう 山本・・・ 素直に言ってあげれば 良かった・・・ なんて いまさら言っても遅い 時が戻れるなら あの頃の俺たちに帰りたい・・・ (愛から憎しみは生まれても) (憎しみから愛が生まれる事は無い) (銀色の髪が月夜に反射し) (男は 自嘲しがちに笑いながら) (零れ落ちるものが 涙とは認めなかった・・・) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.19 17:16:49
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