カテゴリ:桜木町事故
引き続き、今回も横浜市警察鑑識課員による証言が続きます。
かなり詳細に当時の状況を証言しており、私もこの議事録を読んで改めて知った内容も多々有ります。 高速度遮断機が作動しなかったことで被害が拡大 鑑識課員による証言はかなり詳細にわたっており、当時の様子が手に取るように読むことが出来ます。 下記の図に示したのですが、作業員が吊架線とトロリー線をスパナでショートさせてしまったことで、アークが発生、これによりトロリー線が溶断、そこに電車が入ってきたモノですから、溶断したトロリー線を巻き込みながら電車の屋根に接地したと証言しています。 更に電車の屋根が絶縁設計でなかったこと、更には高速遮断機が作動せずに電流が流れ続けたことなどが指摘されています。 ○井出証人 大分縮尺してありますが、この部分が川崎変電区になります。それからここが鶴見饋電室です。鶴見饋電室の母線に一度入りまして、それから高速度回路遮断器を通しまして横浜変電区の高速度遮断器に入る一歩手前で、デイスコン・スイツチというスイツチがありますが、それを経て桜木町の現場の方に行っている。それからまた横浜の変電区から出たのも桜木町方面あるいは鶴見の方面へ供給されておる。大体こういつたシステムにはなっておりますが、この高速度回路遮断器といいますが、これが三十八分に、ここでこのワイヤー・クリツプと、それから先ほど話しましたが、このワイヤー・クリツプの上のビームの間にモンキー・スパナというスパナがありますが、それが接触して切れました。そのときの接地電流によりまして、一時三十八分に横浜のこのサーキツト・ブレーカー、これと、それから鶴見饋電室のこの高速度回路遮断器が約三十八分に同時に働いております。それでこれが切れて、電車が入つて来まして、パンタグラフがごわれて車体にアースしたわけですが、そのときには横浜変電区の高速度回路遮断器が働いておりますが、鶴見が働かなかつたということです。 ![]() 上記のように証言していますが、実際に直流電流の場合異常電流を検知しにくかった(当時の技術)と異うっ区鉄部内誌での証言もあります。 実際に、この6分間が被害を更に大きくしたと言っても過言ではなく、車輌自体の問題もさることながらこの事故の背景は非常に複雑に多くの要因が絡み合っていた事が判ります。 電源が落ちたことで、異常が無いかを探ることに 証言が正直中々理解しがたいのですが、横浜側で電源が切れたが鶴見側では検知できず、新橋からの指令で電源を止めたとされており、その間4分間電流が流され続けたとされています。 桜木町の事故では、これ以外に横浜変電区の高速度遮断機が撤去された云々の証言となっているのですが、何れにしても、この事故は単に不幸な複数の要因がいくつも重なって起こった事だけは間違いなさそうです。 その川崎変電区の働いたのが大体約一時四十四分、ですから前のが約三十八分、それから今度のやつが約四十四分ですから、その間に六分の時間があるのです。それでここから横浜変電区の高速度回路遮断器を、切れたから四十四分にまた入れてみた。けれども入らなかつた、入らないと、何か国鉄の電気関係の命令系統がありまして、新橋の司令の方ヘスイツチが入らない、どこか事故じやないかと連絡をしました。そうして向うから――新橋の電力司令の方から入つて来たのが、四十八分に、鶴見饋電室の横浜の方へ行く電気回路を遮断しろ、開放しろという指令があつたので、ここのところで切つたのは四十八分です。四十八分に指令があつて切っておりますが、それまでは持続的にずつと横浜の火災の現状の方に約四分――四十四分にこの事故があつて、それから四十八分に新橋から切れという指令があつたといいますから、四分間火災の現場に電気が供給されていたんだということが言えるわけです。それでこれが働けば問題はなかつたのですが、従来横浜変電区のちようどここに入つたのですが、この部分に高速度回路遮断器が二十三年ごろまでついていた。その後はずしたのですが、ここにさえ高速度回路遮断器があつたならば、ああいう惨状は呈さなくて済んだんじやないか、電車の屋根にアースされた瞬間にこっちの高速度回路遮断器が働きますから、そうすればああいつた惨状を呈さなくて済んだんじやないかということがこの場合言えるわけです。大体それで……。 ![]() にほんブログ村 ![]() にほんブログ村 ******************************************************** 取材・記事の執筆等、お問い合わせはお気軽に blackcat.kat@gmail.comにメール またはメッセージ、コメントにて お待ちしております。 国鉄があった時代 JNR-era ******************************************************** **********************桜木町事故国会審問の議事録***************************** ○井出証人 大分縮尺してありますが、この部分が川崎変電区になります。それからここが鶴見饋電室です。鶴見饋電室の母線に一度入りまして、それから高速度回路遮断器を通しまして横浜変電区の高速度遮断器に入る一歩手前で、デイスコン・スイツチというスイツチがありますが、それを経て桜木町の現場の方に行っている。それからまた横浜の変電区から出たのも桜木町方面あるいは鶴見の方面へ供給されておる。大体こういつたシステムにはなっておりますが、この高速度回路遮断器といいますが、これが三十八分に、ここでこのワイヤー・クリツプと、それから先ほど話しましたが、このワイヤー・クリツプの上のビームの間にモンキー・スパナというスパナがありますが、それが接触して切れました。そのときの接地電流によりまして、一時三十八分に横浜のこのサーキツト・ブレーカー、これと、それから鶴見饋電室のこの高速度回路遮断器が約三十八分に同時に働いております。それでこれが切れて、電車が入つて来まして、パンタグラフがごわれて車体にアースしたわけですが、そのときには横浜変電区の高速度回路遮断器が働いておりますが、鶴見が働かなかつたということです。 その川崎変電区の働いたのが大体約一時四十四分、ですから前のが約三十八分、それから今度のやつが約四十四分ですから、その間に六分の時間があるのです。それでここから横浜変電区の高速度回路遮断器を、切れたから四十四分にまた入れてみた。けれども入らなかつた、入らないと、何か国鉄の電気関係の命令系統がありまして、新橋の司令の方ヘスイツチが入らない、どこか事故じやないかと連絡をしました。そうして向うから――新橋の電力司令の方から入つて来たのが、四十八分に、鶴見饋電室の横浜の方へ行く電気回路を遮断しろ、開放しろという指令があつたので、ここのところで切つたのは四十八分です。四十八分に指令があつて切っておりますが、それまでは持続的にずつと横浜の火災の現状の方に約四分――四十四分にこの事故があつて、それから四十八分に新橋から切れという指令があつたといいますから、四分間火災の現場に電気が供給されていたんだということが言えるわけです。それでこれが働けば問題はなかつたのですが、従来横浜変電区のちようどここに入つたのですが、この部分に高速度回路遮断器が二十三年ごろまでついていた。その後はずしたのですが、ここにさえ高速度回路遮断器があつたならば、ああいう惨状は呈さなくて済んだんじやないか、電車の屋根にアースされた瞬間にこっちの高速度回路遮断器が働きますから、そうすればああいつた惨状を呈さなくて済んだんじやないかということがこの場合言えるわけです。大体それで……。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.02.04 19:46:13
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