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鉄道ジャーナリスト加藤好啓のblog 国会審議集

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2019.08.13
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カテゴリ:参議院
​久々に更新させてただきます。
今回も、北海道開発庁による、北海道開発株式会社を作ろうとする案ですが、北海道の場合はこうした株式会社の設立も今一度考えても良いのではないかと思えます。
まして、北海道は当初から、民営化では難しいと言われており、それ故の経営安定基金であったわけで、JR九州が上場できたのは半分以上を不動産収入に頼っているわけで、鉄道会社としては異色といえそうです。
どうしても、不動産業などが主力となってしまうと、肝心の鉄道事業がおろそかになってしまうような気がします。

さて、今回の議事録では、資料の解説が行われており、当時の北海道の鉄道が3,813kmあり、北海道だけで19%ということで、当時はいかに北海道の国鉄網が充実していたかうかがえます。
ただし、輸送量ベースで見ると、5%ということですから、かなり閑散線区もあったのは容易に推測できそうです。

最初に、現在北海道における国鉄の経営の現状だけ概略書いてございますが、一番初めのところは、二十八年度の資料について書いてあります。営業キロは三千八百十三キロでございまして、全国の鉄道の営業キロは大体二万キロでございます。このうち大体、一九%だけが北海道の鉄道であるということになります。旅客輸送量は一億三千百万人余りでありますが、これは全体からいいますと、約五%ぐらいに相当しているようであります。

さらに、会議では戦後の国鉄運賃の収支についても触れていますが、国鉄の運賃が他の公共料金等と比べて低いんだと言うことが、数字で示されています。
1割の値上げで、北海道の管理局全体が1割ほど赤字ですので、1割の値上げで赤字は解決するのではないかと発言をしていますが、値上げによる乗客が他の交通手段に移動することがあまり考えられないため、このような発言に至ったかと思われます。​
「国鉄経営の諸問題」これは「経営能率」と「運賃」とに分けてございますが、先ほど申しました通りに、いまだ未調査でございますけれども、かりに運賃についてこの下にあります表をごらんいただきますと、一つの重大な事情がわかるのでございます。それはここに書いてありますように、昭和十一年を一〇〇といたしまして、今日までの物価指数を出しておるのであります。似たような仕事としまして郵便と電話を取り上げております。これは二十九年のところをごらんいただきますと、昭和十一年に対しまして実に三百三十三倍の高い値上りになっておる。大体三百余りが一般の指数でございますが三百三十三倍、電話につきましても二百三十三倍ということになっておる。新聞を取り上げておりますが、これも三百四十三倍、これに比較いたしまして、国鉄の運賃の上り方がきわめて少いという数字でございまして、旅客の場合には百十六倍であり、貨物の場合は百七十倍という程度でございまして、これによって、国鉄が運賃値上げのことをしばしば言うております事情も、御推察が願えると思うのであります。前に、北海道の国鉄の赤字が約一割であるということを申し上げましたが、この一般物価に比較して低い鉄道運賃を、かりに一割上げるとすれば、それだけでも赤字が片づくという実情であることを、御参考までに申し上げておきます。
​最後には、青函トンネルの話が出ており、約600億で建設できると説明していますが。
実際には、国鉄が調査した後、鉄道建設公団がその建設に携わるわけですが、破砕帯などでかなり苦労したわけですから、ここでの報告を見る限りでは、かなり楽観的に報告されているのが気になります。

「青函鉄道隧道」でございます。これは全く運輸省で検討いたしました資料に基いて、概要の数字を書いただけでございますが、現在の連絡航路のことを先に書いてございまして、航路の延長は百十六キロ、そして百十六キロであるのに、営業キロとしては、約四倍に当る四百五十キロを見ておる、こういうことでございます。そして現在時間は五時間と四十四分かかっておるということであります。次に計画されておる青函隧道のことでありますが、これは青森から函館間百六十九キロ、そのうち隧道の延長が三十六キロであって、海の底になっている部分――陸地の方からずっと隧道を作っておりますが、海底の部分だけを見ますと、二十二キロ半ということになっておるのでありまして、これができ上りますならば、貨物列車は三時間四十分で通ることになり、旅客列車は三時間で通る。そして建設工事の総経費は六百億というのが、現在総工費の予定でございます。​
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国鉄があった時代 JNR-era
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**********************以下は、国会審議本文になります。******************

次に、運輸交通施策資料。一番初めには国鉄の経営の現在の概要だけを記しておりまして、これに対しどういうふうな合理化をするかということにつきましては、今後の問題として特に書いてございません。その次に青函トンネルのことが概要書いてございまして、そうして最後に、北海道における自動車道路の経営につき書いてございます。最初に、現在北海道における国鉄の経営の現状だけ概略書いてございますが、一番初めのところは、二十八年度の資料について書いてあります。営業キロは三千八百十三キロでございまして、全国の鉄道の営業キロは大体二万キロでございます。このうち大体、一九%だけが北海道の鉄道であるということになります。旅客輸送量は一億三千百万人余りでありますが、これは全体からいいますと、約五%ぐらいに相当しているようであります。その次に貨物輸送量、機関単数、客単数、貨車数等はここに書いてある通りであります。経営機構でございますが、要員としましては、下の合計にある通り、約五万人が北海道の施設のために働いているわけであります。そうして経営機構はその次の表にあります通りです。支社と書いてあるのがございますが、これは本社の間違いでございます。(昭和28年度であれば支配人制度でしたので、その意味で支社と書いたものと思われる。(加藤注記))

参考:北海道総支配人の管轄区域
 釧路、旭川、札幌及び青函の各鉄道管理局、北海道地方自励車事務所、北海道地方資材部、釧路、旭川、苗穂及び五稜郭の各工鳩.札幌工事事務所
となっています。

昭和28年国鉄組織図 鉄道​交通年鑑​から引用

ここに書いてありますような非常に複雑な機構、各管理局の下には、に十三にわたる区とか場とかいうような仕事場があるわけであります。次に四ページに経営状況がございます。これが北海道における国鉄の収支損益の一覧表でございまして、二十七年度、二十八年度、二十九年度だけを拾ってあるのであります。それで釧路の管理局、旭川の管理局、札幌の管理局、そのほかに青函だけを切り離しまして、青函管理局というものがございます。これらの各収入が、二十七年度についてごらん願いますと、合計しまして二百五十億という収入が上っております。これに対しまして、支出が二百七十八億でございますので、結局二十八億余りの赤字であるということになっております。同様に、二十八年度のおしまいをごらんいただきますと、二十四億の赤字になっておりまして、二十九年度に至っては、実に四十六億に上っておるのであります。これは、洞爺丸事件その他によって相当な赤字を出したのでありますが、大体申しまして、全体の収入の約一割が赤字になっておるという概況でございます。二十九年度は特別だとしまして、二十七年度、二十八年度、大体一割程度が赤字である。管理局ごとに見ますと、一番下の欄をごらんになりましても、青函の鉄道管理局だけが黒字になっております。御承知の通り、青函のキロにつきましては、相当特別な料金を徴収をしておるのでありまして、実際の一般の国鉄のキロ当りの料金に対しまして四倍に近い料金を特別に青函の鉄道は取っておるのであります。そういう事情も特に御留意を願いたいと思うのであります。
 五ページ「国鉄経営の諸問題」これは「経営能率」と「運賃」とに分けてございますが、先ほど申しました通りに、いまだ未調査でございますけれども、かりに運賃についてこの下にあります表をごらんいただきますと、一つの重大な事情がわかるのでございます。それはここに書いてありますように、昭和十一年を一〇〇といたしまして、今日までの物価指数を出しておるのであります。似たような仕事としまして郵便と電話を取り上げております。これは二十九年のところをごらんいただきますと、昭和十一年に対しまして実に三百三十三倍の高い値上りになっておる。大体三百余りが一般の指数でございますが三百三十三倍、電話につきましても二百三十三倍ということになっておる。新聞を取り上げておりますが、これも三百四十三倍、これに比較いたしまして、国鉄の運賃の上り方がきわめて少いという数字でございまして、旅客の場合には百十六倍であり、貨物の場合は百七十倍という程度でございまして、これによって、国鉄が運賃値上げのことをしばしば言うております事情も、御推察が願えると思うのであります。前に、北海道の国鉄の赤字が約一割であるということを申し上げましたが、この一般物価に比較して低い鉄道運賃を、かりに一割上げるとすれば、それだけでも赤字が片づくという実情であることを、御参考までに申し上げておきます。
 それから「青函鉄道隧道」でございます。これは全く運輸省で検討いたしました資料に基いて、概要の数字を書いただけでございますが、現在の連絡航路のことを先に書いてございまして、航路の延長は百十六キロ、そして百十六キロであるのに、営業キロとしては、約四倍に当る四百五十キロを見ておる、こういうことでございます。そして現在時間は五時間と四十四分かかっておるということであります。次に計画されておる青函隧道のことでありますが、これは青森から函館間百六十九キロ、そのうち隧道の延長が三十六キロであって、海の底になっている部分――陸地の方からずっと隧道を作っておりますが、海底の部分だけを見ますと、二十二キロ半ということになっておるのでありまして、これができ上りますならば、貨物列車は三時間四十分で通ることになり、旅客列車は三時間で通る。そして建設工事の総経費は六百億というのが、現在総工費の予定でございます。​

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最終更新日  2022.02.23 23:20:58
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