テーマ:鉄道(21803)
カテゴリ:桜木町事故
○内藤(隆)委員長代理 二人おつたというのは……。
久々に更新させていただきます。 本日も、引続き中澤重二証人の証言が続きます。 現場の責任者と言うこともあり、受け答えとしては、しっかりなされていると思われます。 二人の信号手は事故の重大さから、知らなかったことにしてくれと懇願 ここで注目すべきは、信号手が、信号の操作を中澤証人から頼まれたにも関わらず、ポイントの操作を行わず、事故が起こってから、そうした依頼が無かったことにしてくれと懇願した事を証言しています。 ○中澤証人 二人おりましたのは、高山信号手でありますが、それが頼む、頼むと一緒に言いました。 「私もそこでちよつと興奮しまして、あれほど言つておいたに、知らぬことはないだろう、どういうわけかと私が言いましても、ぜひ頼む、頼むと、こう言われますので、私はそんなことは知らぬ、私はこういうふうに言つたのであります。」と言うところは、本人のそんな気持ちをよく表しています。 さらに、証言が続くのですが。 ホームの助役からは、何故このような事故となったのかと聞かれたと証言しています。 助役は、事故の概要等を知らされていない? 私は信号所からすぐ出まして、焼けている電車の方へと思つて行きましたら、もうそのときには電車は手のつけようもなく、私はその辺でまごまごしておりました。そうしますと高原信号手から、さつきから探していた、ホームの助役さんが用事があるからすぐ行つてくれ、こういうふうに話がありましたので、私もそこにいてももうどうすることもできないししますから、ホームの助役さんの所へ行きますと、どういうわけか、こういうふうにホームの助役さんに聞かれました。私はあれほど上り線に入れては困ると言つておいたのにどういうわけかと言つたのでございます。そうしますと助役さんからは、さつき信号所から電話があつて、すぐ横浜に電話をかけたけれども、間に合わなかつた、こういう返事がありました。それからお互いに困つたことをした、たいへんなことをしたということで、何も話もなく、助役さんとは別れました。 ○内藤(隆)委員長代理 そうするとその高原信号手からさような驚くべきことを頼まれたということを発表されたのは今初めてですか。 この証言では、助役も十分現状を把握していなかったように見えます。 それと、気になるのが「横浜に電話をかけたけれども、間に合わなかつた」という点なのですが、これは、列車を止めるようにという意味だったのでしょうか。 少なくとも、信号係が電力区の依頼通り、ポイントを変更していれば起こりえなかった事故であるわけで、信号手の不作為が問題となってきます。 これは、中澤証人も明確に証言していますが、「一つスイッチを入れますと赤信号にもなりますし、ポイントも切りかえができたと思います。十分時間もありますし……」と言う言葉が全てを語っていると言えそうです。 さらに、その後警察か新聞社か判らないが、質問攻めに遭ったと告白していますが、スパナを作業員が落下させてそれが直接の原因で、ここまでの大惨事になるとなれば、中々口頭で説明しても難しいでしょうね。 駅長と電力区も直接の情報共有はないと証言 さらに証言は続きますが、架線の工事をする際に駅長には連絡はしないし、完全に縦割りな仕事であると証言しています。 まぁ、この当時はこのような情報の縦割りは一般的だったのでしょうね。 それ故に、信号所の職員も電力の職員が信号の停止を言ってきても、結果的に無視していたと言うことなんでしょうね。 ○内藤(隆)委員長代理 それから駅の構内で架線工事をするときは事前に駅長に連絡なんかをするのですか。 ○中澤証人 そういう指示は一度も受けたことはありません。 ○内藤(隆)委員長代理 連絡していないで、駅長は何も知らないのですね。 ○中澤証人 連絡して工事をやれという指示は一度も受けたことはないし、話も聞いたことはないのです。 ○内藤(隆)委員長代理 そうすると架線工事はだれの命令でやるのですか。 ○中澤証人 私は私の所の分区長さんの命令によつてやつております。 ○内藤(隆)委員長代理 その分区長と駅長とは連絡はありませんか。 ○中澤証人 それもおそらくないと思います。 にほんブログ村 にほんブログ村 ******************************************************** 取材・記事の執筆等、お問い合わせはお気軽に blackcat.kat@gmail.comにメール またはメッセージ、コメントにて お待ちしております。 国鉄があった時代 JNR-era ******************************************************** *********************桜木町事故国会審問の議事録************************ ○中澤証人 二人おりましたのは、高山信号手でありますが、それが頼む、頼むと一緒に言いました。 ○内藤(隆)委員長代理 知らなかつたことにしてくれとは高山は言わなかつたのですか。 ○中澤証人 そうです。そして二人で、ぜひ頼む、頼む、関係ないことにして、頼む、頼むと非常に言われましたので、私もそこでちよつと興奮しまして、あれほど言つておいたに、知らぬことはないだろう、どういうわけかと私が言いましても、ぜひ頼む、頼むと、こう言われますので、私はそんなことは知らぬ、私はこういうふうに言つたのであります。そうしましても、ぜひ頼む、頼むと言われるので、私はそこから出ようと思つたときに、どういう方か、制服を着た人でなく、私服の人だと思いますが、飛び込んで来たので、その話は一旦中止になりました。それから私は信号所からすぐ出まして、焼けている電車の方へと思つて行きましたら、もうそのときには電車は手のつけようもなく、私はその辺でまごまごしておりました。そうしますと高原信号手から、さつきから探していた、ホームの助役さんが用事があるからすぐ行つてくれ、こういうふうに話がありましたので、私もそこにいてももうどうすることもできないししますから、ホームの助役さんの所へ行きますと、どういうわけか、こういうふうにホームの助役さんに聞かれました。私はあれほど上り線に入れては困ると言つておいたのにどういうわけかと言つたのでございます。そうしますと助役さんからは、さつき信号所から電話があつて、すぐ横浜に電話をかけたけれども、間に合わなかつた、こういう返事がありました。それからお互いに困つたことをした、たいへんなことをしたということで、何も話もなく、助役さんとは別れました。 ○内藤(隆)委員長代理 そうするとその高原信号手からさような驚くべきことを頼まれたということを発表されたのは今初めてですか。 ○中澤証人 いや、検察庁でも調べられて、はつきり言つております。 それから私はその助役さんとそこを出まして、また現場の方へ行こうと思つてホームを歩いていましたら、新聞社の方か、また警察の方かわかりませんが、三人ぐらいで私をつかまえまして、今の事故はどういう事故だ、原因を明かせと言われて、私もたいへん困つておりました。私はそんな事故はわからぬ、こう言つておりましたが、知らないことはないだろう、明かせ明かせと非常に言われたのでございます。私はそんな事故はわからないと言つて逃げるようにしてまた電車の方へ行つたのでございます。 ○内藤(隆)委員長代理 そこであなたの今の陳述から見ますると、要するに信号手が信号手の務めを完全に果せば、こういう惨事は起らなかつたと認められますね。 ○中澤証人 私はそう思います。そのときに一つスイッチを入れますと赤信号にもなりますし、ポイントも切りかえができたと思います。十分時間もありますし……。 ○内藤(隆)委員長代理 それから駅の構内で架線工事をするときは事前に駅長に連絡なんかをするのですか。 ○中澤証人 そういう指示は一度も受けたことはありません。 ○内藤(隆)委員長代理 連絡していないで、駅長は何も知らないのですね。 ○中澤証人 連絡して工事をやれという指示は一度も受けたことはないし、話も聞いたことはないのです。 ○内藤(隆)委員長代理 そうすると架線工事はだれの命令でやるのですか。 ○中澤証人 私は私の所の分区長さんの命令によつてやつております。 ○内藤(隆)委員長代理 その分区長と駅長とは連絡はありませんか。 ○中澤証人 それもおそらくないと思います。 ○内藤(隆)委員長代理 それから架線が切断した場合にはとつさに電車をとめる方法を講ずべきだと思うが、それは一体どういう方法をとることになつておりますか。 ○中澤証人 直接影響のある場合にはすぐに信号機を出してとめるということになつておりますが、あの場合は信号所が近いし、上り線の電車も多少関係することもあると思いましたので、これは信号所に行きさえすれば電車はとめられるものだ、こういう気持で私はかけて行きました。 ○内藤(隆)委員長代理 その信号というのは赤旗ですか。 ○中澤証人 いや信号所に……。 ○内藤(隆)委員長代理 とつさの場合に信号所に行く前に列車をとめる方法は赤旗を出すのですか。 ○中澤証人 そうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.10.04 00:32:00
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