動画エンコードの需要が増えてゆき、遅まきながらIvyBrideマシンを組んでしまった。Haswellではなく、Ivyで組んだ理由は、HaswellのQSVがIvyに比べて遅いという書き込みがあったからだ。
さて、IvyのQSVは、Sandyのそれと比べてどのくらい速くなったのか、検証してみました。比較の中にQSV機能のないCore i7-870マシンも入れてみた。
【IvyBridgeマシン】
CPU Core i7-3770 3.4GHz Intel Graphic HD4000
CPUクーラー CoolerMaster Hyper TX3 EVO
Memory 16GB (8GB×2)
OS Windows7 (64bit)
【SandyBridgeマシン】
CPU Core i7-2600K 3.4GHz Intel Graphic HD3000
CPUクーラー CoolerMaster Hyper TX3 EVO
Memory 16GB (4GB×4)
OS Windows7 (64bit)
【870マシン】
CPU Core i7-870 2.93GHz
CPUクーラー CoolerMaster Hyper TX3 EVO
Memory 4GB (2GB×2)
OS Windows7 (32bit)
1. mpegファイルをm2tsファイルに変換する
1) 元映像ファイル
・7分10秒の759MB mpegファイル
・1,920×1,080pixel, bit rate=13.0Mbps, at 29.970fps
2) エンコード作業
・使用ソフト: Corel VideoStudio X6
・ファイル変換: mpeg→AVCHD (m2tsファイル)
3) 結果

結果は、IvyのQSVは93秒で、Sandyの122秒に比較して31%ほど速くなった。QSVを使わない場合のIvyの性能は更に高くなっており、Sandyの319秒に対して、Ivyは150秒と2倍強の速さになっていた。
2. フルハイビジョンAVCHDディスクを作成する
通常よく行なう作業は、mpegファイルからAVCHDディスクを作成するためのエンコードです。自分は、5~15GB容量のmpeg動画は、フルハイビジョンのAVCHDのDVDに焼いています。15GBを越える容量のものは、Blu-ray(H.264)にしています。2時間のフルハイビジョン動画でAVCHD-DVDを作成すると、Bitrateが4000kbpsくらいになりますが、大画面テレビで鑑賞しても耐えられる品質です。
1) 元映像ファイル
・58分30秒の8.28GB mpegファイル
・1,920×1,080pixel, bit rate=10.0Mbps, at 29.970fps
2) エンコード作業
・使用ソフト: Corel VideoStudio X6
・Bitrate=10Mbpsの1,920x1,080pixelフルハイビジョンAVCHDディスクを作成する(DVD容量)
3) 結果

フルハイビジョンのAVCHD-DVDディスクを作成するエンコードでのIvyBridgeのQSVエンコード時間は、981秒でした。SandyBrideの2600K機では、1,294秒であり、やはりIvyのほうが32%高速であった。Ivyの3770機は、1で行ったファイル変換と同程度の再現性ある高速性を示しました。
一方、QSVを使わないエンコードでは、なぜかIvyとSandyで同程度のエンコード時間を示した。両者とも、core i7-870機に比べればかなり高速でした。
エンコードの際に問題になるのが、CPU温度です。今回新しく組んだcore i7-3770のCPUクーラーは、CoolerMaster社のプッシュピン方式のHyper TX3 EVOを選択しました。他の2600K機も870機も、このTX3へ換装しました。その効果でか、室温19℃でエンコード時の最高温度は60℃を越えることはありませんでした。さらに、通常使用するQSVエンコードでは、最高温度は51℃と低く、ファンコントロールを使う必要も無く、静かなファン音でした。