カテゴリ:天文
ASiairによる赤道儀のコントロールシリーズの最後の記事になります。手持ちの赤道儀の中で最後までASiairとつながらなかった赤道儀がCelestronのAdvanced VX赤道儀でした。つながらなかった理由は、この赤道儀は初期化が必要であり、初期化しないと、外部のコントロールを受け付けないことによるものでした。
今回は、ASiairがASiair Proとアップグレードされていたので、Proを使った試験を行いましたが、実質的には電源が5Vから12Vに変わったこと以外は同一条件と考えて良いと思っています。AVXマウントの初期化と形ばかりのアライメントを終えたあと、鏡筒としてVixenのSD81s、メインカメラとしてASI294MC Pro、ガイドカメラとしてASI120MM miniを使って接続試験を行いました。恒例のSkySafariとの接続試験も行い、ASiairによって全てが順調にコントロールできることを確認することが出来ました。 ASiair ProとAdvanced VX赤道儀 【写真クリックで拡大します】 今回の記事の内容は以下のようになっています。 1.ASiairとAdvanced VX赤道儀との接続方法 2.AVX赤道儀の初期化 3.ASiairアプリのセッティング方法 4.SkySafari6 Plusとの接続 5.GoTo試験 6.Celestron SkyPortalとの接続は危険 7.ASiairとAdvanced VX赤道儀との接続(動画説明) 尚、緯度経度(GPS)の情報は個人情報保護の立場よりモザイクを入れています。 1.ASiairとAdvanced VX赤道儀との接続方法 ASiair ProとAVX赤道儀との接続は、下図のように接続しました。スマホでのSkySafariでの操作を行うため、今回はCelestron WiFiモジュールも使用しました。SkySafariを使わない場合は、Celestron WiFiモジュールは必要ありません。 ASiairとAdvanced VX赤道儀の接続図 ハンドコントローラーの下部にミニUSB端子があるケーブルを挿し込み、それをASiairの任意のUSB端子に接続します。 ハンドコントローラーにミニUSBケーブルを挿し込む スマホでSkySafariを使用する場合は、WiFiモジュールをAux1端子に挿し込んで使います。 WiFiモジュールをAux1へ挿し込む ASiairを鏡筒のファインダー台座へ固定すると、ASiair回りは下写真のようになります。鏡筒のファインダー台座だと、コードのゴチャゴチャも和らぎます。 ASiairの実装場面 2.AVX赤道儀の初期化 AVX赤道儀の初期化は、年月日、時刻の入力とアライメントの2つの作業があります。アライメントは、赤道儀の前回使用時の電源オフ時のホームポジションがしっかりしており、かつ今回使用時の赤緯と赤経の向きがしっかりしておれば、「実際のアライメントを実行せず、実行したことにする」で良いと思います。 今回の試験は、カペラが北極星の近くにある年月日時刻でありましたので、カペラを仮のアライメントStarとしました。 Oneアライメントとして選定したカペラ 画面通りに初期化を実行し、最後にアライメント・ボタンを押すと初期化完了の下の画面になります。この画面が出れば、外部からのコントロールを受け付けることが出来るようになります。 初期化完了後のAVX赤道儀ハンドコントローラーの画面 3.ASiairアプリのセッティング方法 AVX赤道儀の初期化を完了してから、スマホのASiairアプリを立ち上げます。最初にスマホをASiairのWiFiに接続します。 スマホをASiairのWiFiに接続する スマホがASiairのWiFiにつながったら、スマホのASiairアプリを起動します。 ASiairアプリが起動した画面 ASiairアプリが立ち上がり、ASiairとつながると下のような画面になります。ここでカメラの選択や焦点距離を入力します。年月日日時とGPSデータがスマホからASiairアプリに読み込まれます。 ASiairアプリのカメラの選択と焦点距離の入力画面 「Enter」をクリックすると、下のような画面に移行します。望遠鏡のマークをクリックして、「Telescope Settings」を行います。 Telscope: Celestron AVX/CGE/CGEM/CGX Serial を選択して、「赤枠」をクリックします。 Telescope Settings画面 数秒後、ASiairとAVX赤道儀が接続して下の様な画面となります。GPSデーターにはボカシが入れてあります。 ASiairとAVX赤道儀との接続画面 4.SkySafari6 Plusとの接続 SkySafariは大変使いやすいプラネタリウムアプリです。ASiairアプリでは星図がありませんので、SkySafariと一緒に使用すると安心感と面白味が出てきます。SkySafariアプリは、ASiairアプリと同一のスマホでも使えますし、別のSkySafari専用のスマホを使っても良いです。 ます、SkySafariを使うスマホをASiairのWiFiにつなげます。 SkySafariを使うスマホをASiairのWiFiに接続 一方、ASiairアプリを使っているスマホのWiFiを再設定します。つまり、Station Modeに変更します。下の画像のとおり、WiFi Station ModeとしてCelestron WiFiモジュールのSSIDを選択して設定します。 この設定により、ASiairアプリを通してCelestron WiFiモジュールに接続することが可能になるわけです。この設定で、1台スマホ使いの場合は、SkySafariアプリを立ち上げればSkySafariが使えます。2台使いの場合は、ASiairから出ているWiFi電波につなげば、Celestron WiFiモジュールに接続してくれます。 WiFi Station Modeの設定画面 SkySafariのSetup画面が下の画像です。以下の設定で接続できます。 Scope Type: Celestron AVX/CGE/CGEM/CGX IP Address:10.0.0.1 Port Number:4030 SkySafariのセットアップ画面(左側) 「Connect」ボタンをクリックし、しばらくすると「チーン」という音と共にSkySafariがAVX赤道儀とつながります。赤道儀が現在向いている方向は、「青い〇」で表示されます。下の画面では、一応「カペラ」へのアライメントを行った直後なので、青い〇はカペラを指しています。 SkySafariがつながった直後の画面 5.GoTo試験 次に任意の星を指定してGoTo試験を行ってみました。最初は、ASiairアプリから星を指定します。下の画面は、北極星を指定してASiairからGoToを行いました。 ASiairアプリからGoToした画面 次は、SkySafariからカペラを選択し、SkySafariからGoToした場合です。下画面のように順調にGoToできました。 SkySafariからのGoTo試験の画面 最後にEther接続(WiFi接続)が可能か否かを確認してみました。下の画面の条件でつながりました。しかし、シリアル接続で充分事足りているので、この接続は実質的には意味がありません。 Ethernet接続設定画面 Ethernet接続画面 6.Celestron SkyPortalとの接続は危険 スマホをCelestron WiFiに接続して、Celestron SkyPortalに接続すると接続できます。 Celestron SkyPortalとの接続 接続後、SkyPortal画面はきちんと北極星を向いており、正常にみえます。 Celestron SkyPortal接続直後の様子 ところが、ASiair画面でCapellaを指定してASiairからGoToをかけると、Capellaを通り過ごして暴走をはじめました。要注意です。 Celestron SkyPortalによるAdvanced VX赤道儀暴走の様子 7.ASiairとAdvanced VX赤道儀との接続(動画説明) 本ブログに記載の内容を動画にまとまめています。多分、動画を見た方がわかりやすいと思います。下の写真をクリックしますと、YouTubeへゆきます。 ASiair ProとAdvanced VX赤道儀の動画【写真クリックで動画へゆきます】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 11, 2020 06:24:23 AM
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