カテゴリ:天文
2021年になりました。今年の三賀日は、昨年同様、快晴に恵まれ全て歩け歩け大会でした。一日約15,000歩強。昨年の山登りと違い平地だったので筋肉へのダメージは大きくありませんでした。
今年の初工作は、Edge HD800用のトライバーティノフマスクの作製でした。このシュミカセを月面に向けた時のボケ様は「Oh NO!」状況でした。木星を使って副鏡の傾きを調整しましたがボケは治らなかったため、光軸調整のあらゆる手段を整えることにしました。第一にHowieレーザーコリメーターと、ホログラフィックアタッチメント、第二にトライバーティノフマスクです。折しも「星撮り日記」の nabeさんがトライバーティノフマスクの記事を書いておられたので刺激を受け、作製することにしました。 トライバーティノフマスクの描画 nabeさんと違って近所にレーザー加工機を使えるホームセンターなどはありません。カッターを使って地道に切断作業をするしかありません。 トライバーティノフマスクはネットで調べてみると2種類あります。ひとつは、オリジナル版のもので、今一つは、第二改修版です。最初は、2種類あるとは知らず、第二改修版を作製していました。途中でオリジナル版があることを知り、両方を作製することにしました。 両方ともトライバーティノマスク・ジェネレータといるウェブアプリがあります。オリジナル版は、こちら、第二改修版はこちらにあります。焦点距離、外径、内径、ステムとスリット比、Bahtinov Factorを入力すると自動的に描画してくれます。 ステムとスリット比は、1:1にしました。Bahtinov Factorは、第二改修版は、150と200、オリジナル版は、150と240にしました。これらの値にした根拠は、ただただカッターによる切断の簡単さのみで決めました。 第二修正版トライバーティノフマスクの描画中の様子が下の写真です。 ![]() オリジナル版のトライバーティノフマスクが下の写真です。 ![]() オリジナル版トライバーティノフマスクの修正 【2021/1/10 追記】 ステムがブラブラする問題点は、描画アプリの中にある 「Build boundary stem」にチェックを入れれば、自動的にブラブラするステムが無いマスク図を生成してくれます。 ![]() 【以上追記】 オリジナル版を作製してみて不都合なことがおこりました。下の写真の、赤マルで囲ってある場所の枝分かれしたステムがブラブラと揺れ動く箇所があることです。市販されているもの、nabeさんのものにも、このブラブラしている箇所は見られません。 ![]() 厚さ2mmくらいの固い素材で作製すれば、ブラブラしても大丈夫でしょうが、紙で作製する今回の場合はステムが動くのでマズイです。仕方がないので、下の写真の赤マルで囲った場所の形状に修正してみました。実際の星を見た時にどのように影響するかは未知です。 ![]() トライバーティノフマスク原版のプリントアウト 上記の様に作成したトライバーティノフマスクの図を svgファイルをダウンロードして保存します。svgファイルはAbobeの illustrater か inkscape にインポートしてプリントアウトします。今回は、inkscapeにインポートしてプリントアウトしました。inkscapeの操作手順は、 1.inkscapeを起動し、ドキュメントをA3の大きさにします。 2.トライバーティノフマスクのsvgファイルをインポートします。 3.インポートした図をドキュメントの用紙内に移動します。 4.A4のプリンターの場合は、50%の縮小印刷をします。 5.コンビニなどのコピー機でA3用紙に200%の拡大コピーを行います。これでトライバーティノフマスクの原版の出来上がりです。 ![]() トライバーティノフマスクの作製 カッターナイフでステムとスリットを切り分けるため、マスクの素材は容易に切れる素材を選ぶ必要があります。かつ形状を保持できるくらい固い必要もあります。この両方に性状に合致する厚紙が下の写真の紙です。ダイソーの百円ショップで売っています。鏡筒のフードを作製した際に多用した紙です。 上の厚紙は、通常の厚紙に比べて固い性質がありますが、大きな欠点があります。カッターナイフで切断しても、切口に繊維状のものが浮き出てきます。この繊維状のものが出ない素材をずいぶん捜しましたが、0.75㎜厚のポリプロピレンシート、0.5㎜厚の塩ビシートもトライしましたが、カッターナイフで切り刻むのは無理でした。 マスクの素材は硬い厚紙になりましたが、マスクにするには形状維持力がさすがに貧弱過ぎます。百円ショップで探したところ、下の写真のようなカラーボードを見つけました。厚さ5㎜の両面を紙で挟んだスポンジです。カッターナイフで簡単に切れますが、形状維持力は大きい性質を持っています。このカラーボードをマスクの骨格にすることにしました。 トライバーティノフマスクの画像をマスクにする厚紙と、骨格となるカラーボードにノリで貼り付けます。 あとは、カッターナイフで切り刻む地獄の作業です。 下の写真が、カッターナイフの作業が終了したマスクの厚紙と骨格となるカラーボードの写真です。 マスクの厚紙と骨格のボードを接着剤で合体させればトライバーティノフマスクの完成です。下の写真は、第二改修版のトライバーティノフマスの150と200のBahtinov Factorのものです。写真を拡大すると分かりますが、スリットの切り口に厚紙由来の切り屑が多く付着しています。これは、地道にカッターなどで取り除く必要があります。 次の写真は、オリジナル版のトライバーティノフマスクの150と240のBahtinov Factorの表の写真です。 オリジナル版の裏面の写真が、下の写真です。 以上が、2021年早々の天文工作でした。これから、Edge HD800の光軸調整作業がはじまります。今回作製したトライバーティノフマスクの登場場面がありましたら、原版の違いや、Bahtinov Factorの違いによる像の違いなどを報告したいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 10, 2021 08:47:30 PM
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