カテゴリ:天文
1.天文分野ではCMOSカメラが一眼レフカメラ(DSLR)を凌駕した(のか?)
今回のお題は、一眼レフカメラを使うライブスタックです。全ての内容を動画にまとめています。下の写真をクリックしますと動画へ移ります。 ![]() 天文の趣味に入ったのは2018年の春でした。何もわからないまま機材を揃え始めました。最初に選んだんのは、鏡筒は、屈折がSD81sで、反射がEdge HD800。赤道儀は、CelestronのAVX。カメラはEOS 6D (天体改造)とEOS Kiss X5 (天体改造)だった。その頃、オートガイドとしてM-Genが大流行で、Cマウントレンズを含めて10万円強の買い物もした。 その後、極軸合わせのためにQHY社のPoleMaster、ガイドカメラとしてQHY社のCMOSカメラを。そうしているうちにZWO社が台頭して来てCMOSカメラの大流星の時代となりました。ASi224MC、ASi120MM Miniを2台、ASi294MC Pro、ASi1600MM Pro、ASi462MCなどと散財ばかりで切りがありません。で、一眼レフカメラは一度も天体撮影の表舞台に上がること無しに、静かに防湿庫で眠っていました。何と言う無駄な買い物をしたのでしょう。 ところが、時代は変わって行くものです。ASiairが特定のDSLRに対応するようになり、ASiair Proがライブスタックに対応、続いてSharpCapがASCOM DSLR Driverに対応できるようになり、いよいよDSLR復権の時代になってきました。確かにCMOSカメラは高感度や冷却有り、データ送信速度など性能は高いが、なにせ高額であることが難点である。APS-CのものがCMOSカメラでは20数万円、フルサイズに至っては40万円越えと狂気の沙汰です。 SAM氏のブログを参考にし、ASCOM PlatformとASCOM DSLR Driverを管理者権限インストールを行い、眠っていたEOS 6DとX5を接続、SharpCapは難なく認識して映像をPCに映し出してくれました。 一方、DSRLと言えば、今やミラーレスの時代となり、あの重々しいカシャッはなくなり使いやすく、軽量になって益々天体向きになってきています。このDSLRの追い風に乗って、さらに調子にも乗り、APS-Cサイズで重量が260gと軽量なEOS M2をキタムラで1万5千円で入手。早速ASCOM DSLR Driverで認識させようとしましたが、NG!のお手付き。 残念至極でございました。 WindowsのDSLRドライバーについて調べてみると、Zoomに対応できるドライバーとしてEOS WebCamera Utlilityが公開されています。一眼レフカメラへの対応機種がASCOM DSLR Driverへの対応機種と類似しています。 EOS-1D X Mark III/EOS-1D X Mark II/EOS-1D X※/ EOS 5Ds R/EOS 5Ds/ EOS 5D Mark IV/EOS 5D Mark III※/ EOS 6D Mark II/EOS 6D/ EOS 7D Mark II/ EOS 7D/ EOS 90D/EOS 80D/EOS 70D/EOS 60D※/ EOS 9000D/EOS 8000D/ EOS Kiss X10i/ EOS Kiss X9i/EOS Kiss X8i/EOS Kiss X7i/ EOS Kiss X10/EOS Kiss X9/EOS Kiss X7/EOS Kiss X5/ EOS Kiss X90/EOS Kiss X80/EOS Kiss X70/EOS Kiss X50 EOS WebCamera Utilityに対応するミラーレスカメラは、下に示す機種となっています。おそらくASCOM DSLR Driverに対応するミラーレスカメラも同じではないかと思われます。【追記:Canon EOS Kiss M は、ASCOM DSLR Driver で認識されませんでした。残念!】 EOS R5/EOS R6/EOS Ra/EOS R/EOS RP/ EOS Kiss M2/EOS Kiss M/EOS M6 Mark II/EOS M200 ミラーレスカメラであればプレビュー時やフォーカス時にミラーが上がる音から開放され、快適にライブスタックが出来るのではないかと考えています。ミラーレス一眼のドライバーがあるのは、SharpCapのみで、ZWO社のASiairは頑として対応してくれません。 と言う訳で、早速ASi294MC、EOS Kiss X5、それとEOS 6DとをASCOM DSLR Driverに認識させWin10上でASiCapで壁写真を撮影して、画角を確認してみました。 APS-CのEOS Kiss X5とフォーサーズのASi294MCの比較写真が下の写真です。画角は、そんなに違いません。 ![]() フルサイズのEOS 6Dは、下の写真のとおり、画角はかなり広くなります。 ![]() 実際に撮影素子の大きさと画角を比較してみると、私にはAPS-Cとフォーサーズは変わりはないと思えるようになりました。フルサイズは、さすがに別格であると再認識しました。 2.ASiair ProとDSLRを使ったM42ライブスタック いつもながら前置きが長くなりました。本題のDSLRでのライブスタックですが、今回はASiair Proで行ってみました。 機材は、 DSLR: EOS Kiss X5 (天体改造) レンズ:EOS 200mm F2.8L 赤道儀:AZ-GTi ガイド鏡:ファインダースコープ(f=160mm) ガイドカメラ:ASi120MM Mini フィルター:CLSフィルター(SVBony APS-C用) ![]() 最初は、明るいレンズを選び、観望、撮影対象として、M42を選びました。ASiCapでのテスト撮影では、オートフォーカスで合焦しましたが、実際の空ではオートフォーカスは動きますが、合焦はしませんでした。期待していたので残念だったです。ので、バーティノフマスクを使いました。 対象の近くにあるリゲルをPlate Solvingで捉え、フォーカス合わせ後、ノータッチガイドで10秒露光のライブスタック開始。結果が下の写真です。 ![]() そして、USBメモリーに保存されたスタック画像が下の写真です。 ![]() トリミングを実行。 ![]() 3.ASiair ProとDSLRを使った馬頭星雲ライブスタック 続いて、馬頭星雲のライブスタックを試みてみました。30秒露光でも何とか馬頭と燃える木を確認することが出来ました。馬頭星雲は、30秒以上の露光なのでオートガイドを動かしました。AZ-GTiで実践にオートガイドを動かしたのは初めてでしたが、極軸合わせをしないで1.5秒くらいのガイド精度には驚きました。 ライブスタックでのスクリーンショットが下の写真です。 ![]() 保存されたスタック画像が下の写真です。右上にM42が写っています。 ![]() トリミングを実行。 ![]() 4.まとめ ・ASiair ProとDSLRとの組み合わせで、PCを使うことなくスマホでライブスタックが出来た。撮影と観望が同時に出来るライブスタックは楽しい。 ・USBメモリーをASiariProに挿し込んでいれば、スタック元の個々のFitsファイルやスタックファイルを保存してくれる。 ・カメラレンズでは、高解像度の画像は無理であったが観望で充分堪能できる画質であった。 ・オートフォーカスは期待したが、合焦しなかった。バーティノフマスクで我慢! ・AZ-GTiのガイド精度は思った以上に高かった(1.5秒くらい)。 ・月齢8.8下(2021/12/13)では60秒露光までのライブスタックは可能であったが、月齢10.8(2021/12/15)になると30秒露光以上のライブスタックは出来なかった。ライブスタックは月明かりに弱そうである。 ・DSLRのミラーの上げ下げの音が少々ストレスだが、慣れれば我慢できそう。ZWO社がミラーレスに対応してくれれば良いが実現しないであろう。とすればSharpCapに移行するしかない。 ・今後は高品質のズームレンズと天体望遠鏡で質の高い撮影と観望へと飛躍したい。 ・ライブスタック観望は現状では電視観望の範疇に含まれる形ですが、スタックなしの映像とは明らかに異なるので、独立した観望形態として区別することを提案したい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 27, 2021 12:24:47 PM
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