カテゴリ:天文
1.SkyMAX180でM99銀河をライブスタック
記事が空いてしまいました。理由は想定外の手術入院のためです。2か月前、雨の日のゴミ出しの際、滑って転んで頭を打ちました。自覚症状は何もありませんでしたが、念のために近くのクリニックでCT検査をしたのですが、医師の検査結果は緊急な状況ではないとの診断で胸を撫でおろしたところでした。家族の者が会計を終えた直後救急車で近隣の基幹病院に運ばれ、いきなり頭の手術です。病院との間で入院手術の同意を交わしたこともありませんでした。不可解で理不尽な手続きと手術で、退院後もずっと頭がモヤモヤしています。 7月、8月の間、天候や上記の理由で撮影は出来ていませんので、これまでに撮影したものの整理を含めて、今回は、M99のライブスタックと処理画像をアップしました。そして長焦点(焦点距離=2,700mm)ならでのプレートソルビングの不安定さを解決するひとつの手法について経験談を記します。 ライブスタックと画像処理、および長焦点でのプレートソルビングを成功に導く手法について下の動画にまとめています。 M99のライブスタック動画【写真クリックで動画へゆきます】 使用した機材や、撮影条件は下の通りです。 使用した機材・条件 2.長焦点でのプレートソルビングの不安定さの解決法について Asiairを使ってプレートソルビングをする際、長焦点(2,700mm)の鏡筒を使うと、撮影対象周辺の星が少なかったり、暗い星だったりするとプレートソルビングに失敗することがあります。その際は次のような対処をしていました。 1.露光時間を10秒から20秒に伸ばす 2.ゲインを200から300に増やす 3.何度も「Retry」を繰り返す しかし、今回は「Retry」を繰り返してもプレートソルビングがうまくゆきません。 プレートソルビングの失敗 最後の手段として明るい星のアークトゥルスを導入した後、アライメントを実行してから再度M99のプレートソルビングを実行してみました。 アークトゥルスの導入はプレートソルビングを実行すれば成功しますが、ときどき最後までソルビングが進行せず中途半端に終わる場合があります。中途半端に終わっても大概の場合、ど真ん中でなくともカメラの視野に入っています。ど真ん中でない場合、方向キーを使ってカメラの真ん中に持ってゆきます。 明るいアークトゥルスの導入 明るい星がど真ん中に導入できたら、Sky-Atlasをクリックします。 アークトゥルスの導入後のSky-Atlasの立ち上げ 次に「Sync」をクリックしてアライメントを実行する準備をします。 Syncをクリック 「Sync」をクリックしてアライメントを完了します。 Syncの実行 そしてM99のプレートソルビングを実行しますと成功します。 M99のプレートソルビングの成功 3.M99銀河の最終画像 合計25 コマのライトフレームを使って画像処理を行いました。今回もスタック処理はPixInsightのFBPPを使いました。 M99銀河最終画像 撮影日:2024/6/19。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:SkyMAX180 ( f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 200、冷却:-10℃)。極軸合わせ用ガイド鏡:EVOGuide 50EDII(f=240mm)+ ASi120MM Mini。オートガイド:アストロストリート製オフアキシスガイダー + ASi220MM Mini。極軸合わせ、オートガイド、ライブスタック共にASiair Plusを使用。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。300秒露光で25コマ撮影。画像処理:25コマのライトフレームをPixInsightで処理(FBPP, ABE, ColorCalibration, HT, NXT, BXT)。 4.あとがき 1.M99銀河の撮影も子午線反転後の西に傾いた条件での撮影であったためか、解像度があまり宜しくない結果となりました。ライブスタックでは8回目のスタックの途中でオフアキシスガイドのガイド星を見失ってしまい7回のスタックで終了せざるを得なくなった。M99、M109、M100と中途半端な撮影に終わってしまいましたが、来期はこの経験を活かしてより良い撮影をしたいと思っています。 2.7月の悪天候と入院と静養で撮影が出来ないまま2か月が経過しました。これまで入院の経験がないのでショックが後を引いています。9月になれば撮影などの気力が回復すれば、と念じています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 1, 2024 06:55:38 AM
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