カテゴリ:天文
1.メシエ99銀河
おとめ座銀河団の中にある風車形状の銀河。メシエ99番の銀河でもある。昨年の6月にも焦点距離2,700mmのSkyMAX180で撮影しましたが、西に傾きかけた悪条件で撮影したため再撮影を実行しました。今回は、焦点距離を1,500mmに下げての撮影を試みました。 撮影の様子や画像処理などを下の動画にまとめています。 ![]() 2.M99の撮影結果 撮影は、2025/3/21に行いました。 鏡筒は屈折鏡筒のTAKAHASHI TSA-120( f=900mm)に専用エクステンダーED1.5xを使って行なった(最終 f=1,480mm)。今回は、M99銀河が東側より天頂に向かって昇っている状況での撮影だったので、解像度が上がることを期待していました。その撮影結果が下の写真です。 ![]() 撮影日:2025/3/21。 撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:TAKAHASHI TSA-120 (f=900mm) + エクステンダーED1.5x (最終f=1,480mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi533MC Pro (Gain: 250、冷却:-10℃)。フィルター:2" Kenko ASTRO LPR Type2。ガイド:AstroStreet社オフアキシスガイダー。オートガイド:ASiair Plusを使用。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。300秒露光で合計25コマ撮影(総露光時間:2時間5分)。ダーク:5コマ、フラット:20コマ、バイアス:50コマ。画像処理:25コマのライトフレームをPixInsightで処理(FBPP, GraXpert, CC, HT, BXT, NXT, CT)。 比較のために、昨年の2024/6/19に焦点距離2,700mmのSkyMAX180で撮影した画像を下に示します。 ![]() 撮影日:2024/6/19。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:SkyMAX180 ( f=2,700mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MC Pro (Gain: 200、冷却:-10℃)。極軸合わせ用ガイド鏡:EVOGuide 50EDII(f=240mm)+ ASi120MM Mini。オートガイド:アストロストリート製オフアキシスガイダー + ASi220MM Mini。極軸合わせ、オートガイド、ライブスタック共にASiair Plusを使用。フィルター:2インチ Kenko ASTRO LPR Type2。300秒露光で25コマ撮影。画像処理:25コマのライトフレームをPixInsightで処理(FBPP, ABE, ColorCalibration, HT, NXT, BXT)。 今回と昨年撮影の画像を比較すると、期待どおり今回の撮影の方が解像度が高いように感じられました。 3.あとがき 1)ASi533MC Proは、ダーク減算なしの画像処理で良いか? → ダークは必須 同じアンプグローの出ないASi2600MC Proの場合はダーク減算なしの画像処理をおこなってもバックグランドに異常なホットスポットなどが現れなかったので、ASi533MC Proでもダーク減算なしの処理を行ってみた。結果が下の写真で、拡大してみるとホットスポットが多く出現しています。ASi533MC Proは、ASi2600MC Proに比べてダークノイズが異常に多いことが確認できました。 ![]() 撮影日:2025/3/21。 撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:TAKAHASHI TSA-120 (f=900mm) + エクステンダーED1.5x (最終f=1,480mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi533MC Pro (Gain: 250、冷却:-10℃)。フィルター:2" Kenko ASTRO LPR Type2。ガイド:AstroStreet社オフアキシスガイダー。オートガイド:ASiair Plusを使用。ガイドカメラ:ASi220MM Mini。300秒露光で合計25コマ撮影(総露光時間:2時間5分)。ダーク:なし、フラット:20コマ、バイアス:50コマ。画像処理:25コマのライトフレームをPixInsightで処理(FBPP, GraXpert, CC, HT, BXT, NXT, CT)。 2)18cmマクストフ鏡筒とTSA-120鏡筒との解像度の比較 今回の比較では、TSA-120鏡筒の方が解像度は高かった。しかし、この結果は鏡筒の差というよりもシーイングの差の結果であるような気がします。最近、M51:子持ち銀河での比較を行いましたが、明らかに18cmマクストフ鏡筒の方が高い解像度でした。ですので、解像度に関しては結論は持ち越しです。 3)TSA-120での撮影はオフアキシスガイドでのガイド星が簡単に指定できる 焦点距離が2,700mmのSkyMAX180では、ガイド星がやっと1個見つかるくらいで、かなり神経を使います。TSA-120だと必ず複数個のガイド星が見つかり、オフアキシスガイドのストレスから解放されるのは撮影を楽しむという観点からは大変大きいことです。 4)ライブスタックの画像の比較 SkyMAX180とTSA-120でのライブスタック画像の比較を行ってみると、なぜかTSA-120の方が明らかにライブスタック像がきれいでした。理由は良くわかりません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 30, 2025 09:49:07 PM
コメント(0) | コメントを書く
[天文] カテゴリの最新記事
|