それでも、生きてゆく---------。
今期、一番続きが気になったドラマの最終回。
初回を見たときは、重いテーマを取り扱う作品だなぁという感覚くらいしかなくて、視聴者を選ぶ作品だけど、ちゃんと受け止めて、描ききれば、すごい作品になると思ってました。
結果は・・・これもまた視聴者の方が各々感じられた感想でいいのではないかなぁと思います。
正解なんてない題材だし、未来への希望がある。
前に進めた。
その1歩が大きかったということだろうと思うし。
これは役によっても立ち場も感じ方も違うだろうし、それぞれの役を、たとえ登場シーンは少なくとも、印象強く見せてくれたから、それだけでもすごいことでしょ。
最終回は、前回までのような緊張感はなく、始終、どちらかというと穏やかな流れだったので、物足りない方もいらっしゃったかもしれない。
そういう意味では盛り上がりには欠けたけれど、文哉が捕まったことで、ひとつの事件としては結果が出てるわけで。
その中で、いかにしてこの物語の決着をつけてくれるか、が焦点でしたものね。
それぞれが選ぶ道は---------?
私はこのラストでよかったと思いました。
反省の姿勢も見せない文哉。
それに絶望した双葉は、自分が傷つくのも構わず文哉に殴りかかる。
それでも、同じようなことになったとしても、また助けると思うと言う洋貴。
「殺したら、文哉と同じ人間になるじゃないですか」
文哉のような人間にはなりたくない。
双葉にもなって欲しくない。
「だから、これでよかったんです-------」
今日は亜季の命日。
そこで親子で墓参りに行く洋貴たち。
だが、そこに隆美たちが!!
どうやら響子が来ていいと言ったよう。
でも、ひとつだけ響子は願う。
「亜季に謝らないでください」
決して長くはなかった亜季の人生。
それでも、亜季はちゃんと生きていたのだ。
だから謝罪も後悔もいらない。
「7年の人生を全うした、亜季の冥福を祈ってください」
その言葉に誠意を込めて頭を下げる隆美たち。
大きな大きな一歩。
なんだか響子は穏やかになったかなぁ。
今すぐ全部を・・・とはいかないけれど、亜季の人生と考えられるようになっただけでもいい傾向だと思う。
そして、墓参りの後、洋貴の元を訪ねる双葉。
最近どう?
電球替えました。
ガム踏みました。
やっぱりふたりらしい会話。
でも、洋貴は言う。
「最近、遠山さんの事ばかり考えてます」
ずっと一緒にいられたらいいなぁと言う話をする洋貴。
それを嬉しいと喜ぶ双葉。
だが・・・双葉は、もう洋貴と会うのはこれが最後だというのだ。
なんと、彼女は、草間ファームに住み込みで入り、悠里の「お母さん」になると決めたというのだ!!
加害者の妹というだけで、何故文哉の罪を双葉が背負わなければならないのか?
納得できない洋貴。
「真面目に生きたいんです」
それが理由だという双葉。
忘れられるわけがないのだ。
兄の罪を。
もう双葉は決めたのだ。
どんなことがあってもすべてを受け入れると----。
「それが私の見てる明日です」
じゃぁと出て行く双葉を、どうしても止めたくて、洋貴は来週デートしようと誘う。
それにOKを出す双葉。
そして、ふたりは遊園地ではしゃいで、笑って・・・15年ぶりに楽しむ世界。
そこで気は変わらないかと尋ねる洋貴。
「もっと楽に生きたっていいじゃないですか」
その言葉に、それでも笑って今は悠里の母親になることで頭がいっぱいだと笑う双葉。
一方・・・拘置所に入った文哉を尋ねる三崎。
「お父さんのせいだ。
お父さんを憎んでくれ。
恨んでくれ」
お父さんがそんな風にしたと。
でも、もう分からないのだ。
自分の子供なのに、どうしたらいいか、分からないのだ。
涙を流し謝罪と後悔を告げる三崎。
文哉はそんな父に、手を伸ばし、ガラス越しに尋ねる。
「ねぇ、お父さん、お母さんの顔が思い出せないんだ。
ねぇ、なんで?なんで?」
騒ぎたて、強制的に連れ出されてしまう文哉。
文哉が伸ばした手。
連行されていく文哉が最後に言ったのは「お父さん!!助けて!!」
その言葉をかみ締め、涙を流す三崎だった------。
最後のデート。
そこで、いつものとりとめもない会話をするふたり。
だが、楽しいはずなのに、涙が出てしまう双葉。
あっち向いててといわれて、素直にそれに従う洋貴。
それがふたりの距離なんだろうなぁ。
だが、洋貴はまた尋ねる。
「行くの、やめませんか?」
「やめません、行きます」
一生悠里の母親代わりになると決めた。
傍にいると。
洋貴にはこれからたくさんいいことあると笑う双葉。
それでも双葉といるほうが楽しいという洋貴。
だが、別れは訪れる。
楽しかったと頭を下げて、手を振る双葉。
だが、洋貴はそれに答えないで、ただじっと双葉を見つめていた。
「手、振ってるんですけど」
そう言って何度も洋貴の胸を叩く双葉。
洋貴はそんな双葉をふいに抱き寄せ、強く抱きしめたのだ!!
「ホント言うと、ずっとこうして欲しかったです。
ホント言うと、私的にだいぶ嬉しいことです」
涙交じりに答える双葉。
でも、オチは足を踏んでたって(^^;)
決まらないのも洋貴らしいか。
「何で」
もう一度問う洋貴に、双葉はしっかり答える。
「加害者の妹だからです」
そして、少しだけ距離を取って振り返った双葉。
「いってきます」
そう言って、今度こそ本当に手を振ったのだ。
それに笑顔で手を振る洋貴は、走り去っていく双葉を姿が見えなくなるまで見送るのだった------。
加害者家族も、被害者家族も・・・それぞれの時間が動き出す-----。
双葉は草間ファームに行き、悠里と一生一緒にいると約束を交わす。
その報告を、結局延命を受け、眠り続ける真岐にも告げたよう。
響子は、まだ時々泣いているよう。
でも、笑う回数も増えてきたという。
三崎は拘置所の傍の工場で住み込みで働き始める。
そこを訪ねる洋貴。
たった1度だけ会ってくれた文哉。
だが、その後は拒否されているという三崎は、洋貴にあるものを託す。
あの時、文哉が助けを求めてくれた。
それが今の生きがいだと語る三崎。
そして、文哉に会いに行く洋貴。
妹どうしてる?
そう聞かれた時、洋貴は、もう双葉は文哉の妹ではないと母になった話を聞かせたよう。
そして、面会時間の最後。
三崎から託された写真を見せた洋貴。
それを見せた途端、泣きじゃくりだした文哉。
そこには-----母親の姿が--------!!
帰り道、夕立に降られる洋貴。
「友達だったやつの目から、涙があふれるのを見ました」
「雨が上がって、洗い流された町が光るのを見ました」
そんな双葉に聞かせたい話を書いた手紙を・・・出す宛てもなく、書き綴る洋貴。
それは木におみくじのように括り付けられていく。
何枚も、何枚も・・・。
そして、同じように洋貴に聞かせたい話を綴る双葉。
彼女もまたそれを何枚も木に括り付けていたのだ。
一瞬、手紙のやり取りはしてるんだと思ったこの演出。
でも・・・お互いがお互いを想い続けているだけで、話も、そして手紙も届けられることはないんだ。
ただそれでも、ふたりは感じることが出来る。
「朝日を見てまぶしくて、遠山さんの今日一日を思います」
「こうして 朝日を見てると どうしてか深見さんも 同じ朝日を見てる気がします」
「いつも あなたを思っています」
「私が 誰かと つないだ手のその先で誰かが あなたの手をつなぎますように」
「つないだ手に込めた思いが届きますように」
「悲しみの向こう側へ・・・進め」
同じ想いで----------!!
「進めって・・・」
その時、洋貴が思い出したのは、あの日借りたままになったレンタルビデオ。
それを返しに行った洋貴。
1996年のレシート。
「延滞料、いくらになりますかね?」
そのラストですか。
でも、これもまた洋貴らしくていいんじゃないかなぁ。
穏やかに。
そして何かあったかいものが残るラストだったと思う。
道は違えてしまったけれど、想いは同じだから・・・ふたりはずっと一緒にいるような感覚なのかもしれない。
最後に涙を流した文哉に・・・今度こそ心が戻ったのだと思いたい。
いつか・・・息子と一緒に山に登れたらいいね、三崎。
それでも、生きてゆく---------。
このタイトルに込められたそれぞれの役の重さを、今は感じていたいです。
役者さんがとてもいい芝居をしたドラマだったなぁ。
みなさん本当に素晴らしかった。
それだけでも十分見ごたえある作品だったと思います。
感謝!!
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