2852060 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

世界で一番愛する人と国際結婚

運命の出会い

★ 運命の出会い


初めてそのバーを訪れた暑い夏の夜、大手のコンサル会社で働く
オーストラリア人と出会い、翌週デートをする。
とても優しく穏やかな人だった。残念ながらお互い恋には落ちず、
友人のような関係でしばらくメールのやりとりをするにとどまったが、
このバーで出会いがあるかもしれないと直感した。



約1ヵ月後、1999年の9月、別の友人2人を誘い、3人で再度そのバーに行った。


金曜日の夜だったので、中は大勢の人で賑わっていた。
誰かの誕生パーティをしているグループがいた。男女10人くらい、
外国人が中心で、わいわい楽しそうだ。


そのグループの中に一人、ものすごく好みの男性がいるのを見つけた。

目が釘付けになった。


がっしりとした筋肉質。ビールを片手に、皆と楽しそうに笑って
いる。30代後半くらいだろうか。うわあ、見れば見るほどかっこいい。
ハリウッド俳優みたいに素敵な人。ちょっと彼、かっこよすぎ。


その時一体何を思ったのか、私はすくっと立ち上がり、すたすたすたと
彼に近寄った


「今日は誰のお誕生日なんですか?」


ドギマギしながら英語で聞いてみた。


「彼女の誕生日だよ。」


グループの中心にいた、ブロンドの細い女の子を指差し、私の目を
見てにこっと笑った。

かと思うと、すぐにくるりと背を向けてグループの中に戻ってしまった。


「エ、エクスキューズミー!」 


私は彼を再度振り返らせた。普段の私なら絶対こういうことはしない。


「お名前は?」

「どこから来たの?」

「日本に来てどれくらいですか?」

「どこに住んでいるんですか?」

「日本では何をしているんですか?」


まるで中学校の教科書の様な簡単な英語の質問を、矢継ぎ早に繰り返す私。
彼は一つ一つ丁寧に答えてくれた。


日本に来て4ヶ月目だという彼は、ブランという名前で、日本語は
全くできなかったが、とても聞き取り易いアメリカ英語で話してくれた。
そこに、私の友人2人が加わってきて、しばらく4人で話しをした。


12時を回って、終電を気にする友人に促されて、私は店を出た。
歩いて帰れる距離に住んでいる彼は、まだまだお店に残っていそうな
雰囲気だった。彼はエレベーターの前まで私達を見送ってくれた。
握手した。なんだか後ろ髪を引かれる思いがした。


家に帰ってもまだぼーっとしていた。


優しい笑顔だったなあ、、、かっこいい人だったなあ、、、また会いたいなあ、、、


私は完全に一目ぼれをしてしまったのだ。何故だか分からないけど、
一夜にして彼が運命の人だと思い込んでしまった。


つづく


© Rakuten Group, Inc.