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世界で一番愛する人と国際結婚

勝負は3回目のデートまで

★ 勝負は3回目のデートまで


家に帰る途中、一つ懸念したことがある。


私を本当に気にいってくれたなら、大抵の男は、
初めてのデート中に次の約束をしてくるからだ。
もしくは、最低でもその日のうちにすぐに連絡が来るはず。


私と一緒にいるのが楽しくて、また会いたいと思ってくれたなら、
それこそ駅に着くや否や携帯がなるか、最悪、家に帰って
PCを開けるなりメールが入っているかのどちらかだ。


ところが家に帰っても、ブランからのメールは入っていなかった。
5分くらい待ったが電話も鳴りそうにない。


相手の出方を見るために、すぐに連絡はしないつもり
だったが、すっかり舞い上がっていた私には
とてもそんな余裕がなかった。


そうだ!お礼のメールをしなきゃ!


私はその日の夜の、英語のお手伝いとDinnerのお礼の
メールを書き、おまけに、


『今度はお返しに、是非私にご馳走させてください』、


と余計なことまで書いてしまった。


ブランからはすぐに返事が来て、その週の半ばに
また会うことになった。今度は彼のお気に入りのレストランで
食事をして、近くのバーに行って話した。


2回目のデートも1回目同様に楽しかった。
だが、また次の約束がないまま別れた。


このままでは、今後お付き合いに発展しないかもしれない。
3度目のデートは、絶対に絶対に、今度こそ相手から誘って
くるまで意地でも誘わないぞ。
私は自分に堅く誓った。



帰るなりメールしたくて、とても辛かった。
でも、ブランの気持ちを確かめたかった。
ブランが私を気に入って会いたいと思っているのか、
暇つぶしで会ってくれているのか知りたかった。


翌日、今度は彼のほうからメールが来た。
そして、次の私の予定を聞いてきた。


ところが、なかなかお互いの予定が合わず、日曜から
出張に出るブランに合わせると土曜日の夜しか
お互いに会うのは無理だった。


その日の夜に、私はキャンセルできないパーティの予定があった。
でもどうしてもブランに会いたかったので、土曜の夜の
待ち合わせに承諾し、待ち合わせを遅めの9時半にしてもらった。


結局、パーティが終わってタクシーで駆けつけたものの、
道が渋滞していて、六本木の交差点でブランを立たせたまま
30分も待たせてしまったのだ。携帯も通じなかった。


これは、別にブランの気持ちを試したわけでも何でもなかった。


彼は待っていてくれた。
私を見つけるなり、笑顔になった。



本当に申し訳なくて泣きそうになった。


その晩、西麻布の雰囲気のあるバーに入った。
店の一番隅のテーブルで、薄明かりの下、私達は何度も何度も
見つめ合っては微笑み合い、そっと唇を触れさせていた。
気がついたら私の終電ギリギリだった。
彼はすぐにタクシーを呼びとめ、私を送ってくれた。


つづく




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