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世界で一番愛する人と国際結婚

長年夢に見た結婚式

★ 長年夢に見た結婚式


日本ほど、結婚するのも離婚するのも簡単な国はないと言われている。
アメリカでは、結婚するために、まず結婚許可証(Marriage License)を
取得しなければならない。

結婚許可証は発行から90日間有効で、これを取得して初めて結婚式を
行える。教会やチャペルで司祭が行う結婚式のほか、州の役人の
立ち会いによる結婚式を行うことも可能だそうだ。そこで初めて、
結婚した証のMarriage Certificate がとれるそうだ。


つまり、アメリカで結婚するには、簡単な式のような物が必要になってくる。


一方、日本での結婚は簡単だ。婚姻届を役所に出すだけで、結婚を
した証拠の証明書が取れる。
正式には、この婚姻届を出した日が日本では法律上の婚姻日となる。


婚姻届は私が仕事の合間に、タクシーを飛ばして出しに行ったので、
ブランは、それがいつ提出されたのかもよく分かっていない。


忙しくて時間がなくて、昼休み中に適当に私が一人で書いた婚姻届。
日本語の読めないブランは、わけも分からずサインをしただけ。
私一人で出しに行った区役所で、係員に記入の間違いを指摘されたりして、
訂正印だらけで真っ赤な婚姻届を出してしまった。


感動も何もない、単なる事務手続きになってしまった。
実際、それがいつだったのか、書類を見ないと
私も覚えていないくらいだ。


実は私は、日本では書類の手続きだけで結婚が完了なのだということを
ブランには話さなかった。


何故ならば、きちんと結婚式を挙げたかったから。


結婚するためには、式を挙げなければいけないと考えているブランと
きちんと式を挙げて、お互いに誓い合い、結婚した自覚と意識を
持って欲しかったからだ。


私は結婚披露宴には何の思い入れもなく、やるつもりもなかった。
式に参列してくれた人達とシャンパンで乾杯して、プチギフトを渡して、
終わりにするつもりだった。
披露宴は結局、両親の希望で親孝行のために仕方なくやったが。


だが、結婚式だけはかねてからの憧れがあった。
結婚するならば結婚式だけは、どうしてもやりたかった。
少女の頃から、そして結婚願望のなかった20代の頃でも、
結婚生活ではなく、結婚式だけはしたいと思っていた。


そうして、その結婚式は教会で挙げる式と決まっていた。

キリスト教式でも、ビーチや公園やゲストハウスに設置された
素敵なチャペルやガゼボ、ホテル内のチャペルも素敵だが、
私はあまり興味がなかった。


私は無宗教だが、教会での挙式は全く知らない人同士の式でも
のぞいてみたくなるくらい、厳粛で身が引き締まるのにロマンチック。


数年前、ブランと出会って2年たった頃だろうか。
私は、ブランと式を挙げる教会を勝手に探し始めていた。



・ブランの家の宗教である、プロテスタントであること。
プロテスタントであることは、バツイチのブランを受け入れてくれ、
かつ、私が信者でなくとも構わないので好都合だ。


・カトリックの教会のような荘厳さはなくとも、多少の
重厚さがあること。


・ステンドグラスがあること。


・パイプオルガンがあること。


・日本語のできないブランの為に、牧師が英語を話せること。


・フラワーシャワーができること。



以上の点を考慮して、都内の目ぼしい場所を2、3箇所、
勝手にピックしてあった。そして、それは式場選びの役にたった。


実際に、4年後、その中で第一候補だった場所で、本当に
式を挙げることになったのだ。



つづく


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