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世界で一番愛する人と国際結婚

天国に一番近い島 ~ニューカレドニア~ 2

ニューカレドニアは、かなり昔、原田知世の『天国に一番近い島』
という映画を見た時から、何となく憧れていた。


到着した翌日、早速、天国に一番近い島の舞台になった、
ウベアという島に行った。真っ青な海。どこまでも続く、
サラサラのパウダーサンド。25kmも続くその白いビーチには
人っ子一人いなかった。どこを見渡しても、私一人。


ポツンと取り残された気がした。


美しい海を見ているのに、何だかとても寂しい気分になった。


やはりブランと一緒にいたかったと、強く思った。



ウベアは何もすることがない。海しかない島だが、一人で来ている
日本人女性が多いのに驚いた。特に、30代と見受けられる女性が多い。

20年前の少女の頃に見た映画に影響されて、大人になって
やってきた女性が多いのだろうか。



私は、ウベアには日帰りだったので、夕方首都ヌメアのある島に戻った。
そこで、明美さんという、やはり一人で旅行に来ていた
日本人の女性と知り合った。


彼女は姉御肌で、面倒みのいい豪快な人だった。
一緒に夕食を食べながら、ブランの話を聞いてもらった。


ブランは、私が一人でニューカレドニアに行くと言っても、特に
関心をしめさなかった。滞在先の電話番号も聞かれなかった。
当時の彼は、自分の仕事や生活に夢中で、私は少し寂しさを感じていた。


明美さんは黙って、私の話を聞いてくれた。



翌日、私はイル・デ・パンという島に行ってみた。
とにかく何でも見たい私は、1箇所にとどまっていることが
できない。


イル・デ・パン、フランス語では松の島という意味だったと
思うが、メラネシアの人には『海の宝石箱』と呼ばれているらしい。
その名に恥じないほど、驚くほど美しい島だった。


ウベアは、ひたすらまっすぐ続く白いビーチと青い海しかない。


一方、イル・デ・パンは入り江になっていて、ビーチは狭いが
遠浅で、どこまでも透き通るようなエメラルドグリーンの
海が広がっていた。椰子の木が生い茂り、明るい雰囲気の島。
小さな集落もあり、観光客も多く賑わっていた。
イル・デ・パンでは、私は夢中になってシュノーケリングを
しまくっていた。


そこでは寂しい気分にならず、ブランのことも強く思い出さずにすんだ。



幸せな気分でヌメアに戻り、私は街のカフェで絵葉書を書き
ながら、一人でお茶を飲んでいた。


「すみません。あの、日本の方ですか?」


急に日本語で話しかけられた。



顔をあげると、白い歯を見せて笑う日本人の男の人が立っていた。


「はい、そうですけど。」


彼は、いきなり私の隣の席に座り、ニコニコしながら自分の
コーヒーを注文した。


彼の名前はジョーヌ。ニューカレドニアには日本人のガイドとして
2年間住んでいるそうだ。恐らく20代半ば。


彼は私を夕食に誘ってくれた。彼があまりに感じよかったのと、
一人で食べる夕食は味気なかったので、お誘いを受けることにした。



つづく



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