本の虫が鳴いているの巻
元本屋の兄ちゃんはその名前の通り本屋だったので、本が大好きである。昔は自分のお店で注文したら気軽に読めたが、本屋を辞めた今はそう簡単にはいかない。当り前だが、本屋さんでお金を出して買わなければいけないのだ。いや、当り前だが・・・。俺もその伝でいくと元果物屋の兄ちゃんなのだが、果物がモチロン大好きだ。昔は店のをガンガンタダで(でもないが)食べていた。今はお金を出して買わなければならないのがなんか悔しくて全く食べてない。「もう一生分食べたから」とうそぶいて痩せ我慢してるのだ。それで元本屋の兄ちゃんはやはり本が読みたくなるようで本を買っている。そのおこぼれにあずかってその本を俺も借りて読んでいる。そのなかでお薦めを紹介してみようとおもう。それはこれ。風野真知雄という人の書いた「若さま同心 徳川竜之助シリーズ」消えた十手これが第一作目。風鳴の剣これが第二作目。空飛ぶ岩これが第三作目。陽炎の刃これが第四作目。秘剣封印そしてこれが第五作目で最新刊。出たばっかしのホヤホヤ。あらすじはこんな感じ。南町奉行・小栗忠順の計らいで通常考えられないことが…。市井の人々に接し、磨いた剣の腕で悪を懲らしめたい一心で、御三卿・田安徳川家の十一男、徳川竜之助が定町回り同心見習いへ。小銀杏髷、着流しに羽織の颯爽とした竜之助だが、持前の聡明さ、勘の好さで江戸に起きるちょっと奇妙な事件を次々解決していく、というお話。奇妙な事件も明るいからりとした調子で飄々と竜之助が解決していくので読んでいて非常に楽しくいい気持ちになれます。竜之助は徳川家に代々伝わる秘剣の持ち主でもあり、その秘剣を破ろうと様々な者達が竜之助に襲いかかります。そして竜之助の出生の秘密もからんで物語りは進んでいきます。作者は最近の時代小説の書き手同様非常に筆が早く多作です。元本屋の兄ちゃんはこの作家の作品を気に入って色々買ってますが、俺はこの若さま同心シリーズが一番気に入りました。是非読んでみてください。