フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド 「トゥー・トライブス(Two Tribes)」
いまどきの日本の言論の自由を考えつつ…(その1) ここのところ中国や韓国との領有権問題やら、北朝鮮のミサイル発射に核実験と、日本とその周りの国々でいろんな問題が報道される。それらを目にするにつけ、どちらに肩入れしているかはともかく、何とも“相手に聞く耳持たない”というか、“一方の側に偏った見解”みたいなのが横行しているように思えてならない。原発の時もそうだったけれど、マスコミもそれを受け取る国民も全体的な雰囲気に流され、冷静な判断ができなくなることがいちばん怖いと思うのに、実際のマスコミ報道はまるでその逆のような空気が漂っているように思うのは、筆者だけではないだろう。 先日、FGTH(フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド, Frankie Goes To Hollywood)による「明日なき暴走」を取り上げたが、その後も少々懐かしみながら他の曲も聴いたりしていた。FGTHは、80年代前半から半ばにかけての、米ソ冷戦真っ只中で短命の人気を博したイギリスのグループであったが、いろんな社会的話題を振りまいていたことを改めて思い起こしてみた。デビュー曲「リラックス」からして問題含みでBBCはもとより日本のNHKでも放送禁止となったものの、全英1位の大ヒットとなった(ちなみにこの曲は全英シングル史上売り上げランキング第7位だとか)。 これに続いて出されたシングルが、ここで取り上げたい「トゥー・トライブス(Two Tribes)」という曲で、9週連続全英1位を記録したほか、先の1stシングルのチャート再上昇も促し、1位と2位を占めるほどのヒットぶりだった。「トゥー・トライブス」という表題は“2つの種族(人種)”という意味だが、その内容は東西の冷戦を皮肉ったもの。米ソそれぞれのトップ(当時の大統領レーガンと共産党書記長チェルネンコ)役の二人が土俵(のようなリング?)の上で反則技いっぱいのプロレスまがいの戦いをするというパロディ風ビデオが話題となった。とりあえずは、その内容をご覧いただきたい。 主役の二人(?)だけでなく、まわりの世界各国代表の熱狂ぶりの滑稽さもなかなか風刺が効いててよい。でもって、FGTHのこの曲を振り返った上で、再び話を昨今の情勢に戻すと、“北朝鮮が核ミサイルの準備をし始めたらどの時点から自衛権が行使可能か検討”などという物騒な話題が踊る昨今の日本の現状がある。四半世紀以上前のこのパロディーめいた内容も他人事ではないのかもしれないと思わされたりする。このビデオでの最後に地球が爆発するというオチは少々短絡的だけれど、こういう皮肉やパロディを公にできる言論環境だけは、今の日本(とくにマスコミ)に特に必要とされている気がしてならない。 長くなってきたので、続きは次回に(その2に続く)。[収録アルバム]Frankie Goes To Hollywood / Welcome To The Pleasuredome (1984年) 【送料無料】【輸入盤】 Welcome To The Pleasuredome [ Frankie Goes To Hollywood ]下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓