ライアン・アダムス 『イージー・タイガー(Easy Tiger)』
ストレートな直球勝負のお薦め盤 ライアン・アダムス(Ryan Adams)は、90年代後半にウィスキータウンとういバンドで活動し、2000年にソロ・デビュー。本ブログでは、セカンド作の『ゴールド』を取り上げたことのあるアーティスト。今回、ここでとりあげる『イージー・タイガー(Easy Tiger)』は、2007年発表で、彼のアルバムとしては9作目にあたる。 本盤の特徴として、どこかカントリー的なテイスト(メロディラインやアゴギに代表される各所の演奏)が漂う部分がある。面白いのは、これに関して何ら意図的な感じがしないところである。これって、おそらくは、ライアン自身の血肉の一部がそのままにじみ出ているだけではないのだろうか。つまりは、とてもナチュラルにそうなっているように思えるのである。 同様に、全体を通して聴いたときに、無理にロックしようとしていない、という印象も受ける。無論、彼のバックグラウンドにロック音楽があるのは事実だろう。そう考えると、逆説的ではあるのだけれど、あえて背伸びや無理をしてまでそれを前に出そうとしないことで、結果的にナチュラルなスタンス、自然体での演奏が保たれているのではないかと感じる。 そんなこんなすべてをひっくるめて、本盤はライアン・アダムスの諸作の中でも特に自然体な感じがする。自身が背負っている音楽的ルーツ、音楽的バックグラウンドと言えるもの全部ひっくるめて、自分自身を真っ直ぐにさらけ出しているというのが、本盤の最大の魅力なのだろう。つまり、カントリーの直球とか、ロックの直球というのではなく、ライアン自身、彼そのものをそのままストレートに出せていて、それが魅力となっている作品と感じるのだけれど、いかがだろうか。 ついでながら、本盤にはもう一つ好感が持てる点がある。それは、1つ1つの曲の短さ。意味なく冗長になるのではなく、必要なものを必要な分だけ綴っているように思える。結果、総収録時間は13曲で40分足らず。多作なライアンのことだから、少し頑張って無理すれば70分や80分のアルバムはすぐに作れそうなものなのかもしれないけれど、敢えてストレートに出した結果、こういう長さに落ち着いたということだろうか。[収録曲]1. Goodnight Rose2. Two3. Everybody Knows4. Halloweenhead5. Oh My God, Whatever, etc.6. Tears of Gold7. The Sun Also Sets8. Off Broadway9. Pearls on a String10. Rip Off11. Two Hearts12. These Girls13. I Taught Myself How to Grow Old*日本盤はボーナストラック2曲入り(筆者は未聴)。2007年リリース。 【Aポイント付+メール便送料無料】ライアン・アダムス / イージー・タイガー[CD] 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓