マーティ・ペイチ 『ジャズ・フォー・リラクゼーション(Jazz for Relaxation)』
BGM用ジャズっぽいが、それは制作の意図通り? 良い悪いとは別に、正直、個人的に“騙された盤”というイメージが強い一つがこの『ジャズ・フォー・リラクゼーション(Jazz for Relaxation)』である。こういう言い方をすると、最初から印象が悪いかもしれないけれど、特にジャズのアルバム(無論ジャズには限らないけれど)は、勝手な印象でもって、購入者が勝手に思い浮かべた内容を期待するというケースが多いような印象を受ける。いわゆる“ジャケ買い”と呼ばれるのが、その典型例であるが、本盤は、ソファに横たわる全裸女性という、中途半端にエロチックなジャケット写真である。 その上で、ピアノ奏者のマーティ・ペイチ(Marty Paich)を筆頭に、本盤のジャケットには3人の名がプリントされている。筆者はピアノ・トリオ盤だと思って最初に手にしてしまった。ところが、聴き進めると、突如としてヴィブラフォンが響き始める(そのうちにギターも入ってくる)。リラックスしてマーティ・ペイチの本領発揮のピアノ盤かと思いきや、どうやらまったく異なる意図の盤らしいと気づくのにさほど時間はかからなかった。 結論から言えば、意図的に作られた“BGM盤”と言えるように思う。その内容は、西海岸風テイストを存分に活かし、さらりと聴かせるアルバム。収録時間もやたら短く、アルバム全体で20数分という収録時間で、各曲の演奏時間も短いので、通して聴いても“あっという間の体験”となる。 ちなみに、ヴィブラフォンを担当しているのは、ラリー・バンカー(2., 3., 5.)、ギターはハワード・ロバーツ(7., 8.)である。ジャケットには、3人(ピアノのマーティ・ペイチ、ヴィブラフォンのラリー・バンカー、ベースのジョン・モンドラゴン)の名があるが、上記の筆者の思い違いは、ラリー・バンカーをドラムスと思ってしまったことだと判明するには、演奏者のデータにたどり着いてからのことだった(苦笑)。[収録曲]1. Dool's Blues2. Jump for Me3. There'll Never Be Another You4. The Lamp Is Low5. What's New6. Theme from Lighthouse7. Lullaby of the Leaves8. I'll Remember April[パーソネル、録音]Marty Paich (p), Joe Mondragon (b), Frank Capp (ds), Larry Bunker (vib: # 2, 3, 5), Howard Roberts (g: # 7, 8)1956年録音。 【輸入盤】Jazz For Relaxation [ Marty Paich ] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓