フォガット 『イン・ザ・ムード・フォー・サムシング・ルード(In the Mood for Something Rude)』
バンドの方向性の模索 1970年代初頭に結成されたフォガット(Foghat)は、ツイン・ギター体制でブギー・ロックの作風を押し出した。けれども、バンドの方向性は時とともに変わっていった。とりわけ、1980年にロッド・プライスが脱退した後は、新たな音楽性を確立しようとしたものの、うまく続かず、解散へと向かってしまった(バンドが復活するには、1994年の『ザ・リターン・オブ・ザ・ブギー・マン』を待たねばならなかった)。 本盤『イン・ザ・ムード・フォー・サムシング・ルード(In the Mood for Something Rude)』は、前作(『ガールズ・トゥ・チャット&ボーイズ・トゥ・バウンス』)と違って自作曲は含まれていない。R&Bやカントリーのカバーが中心となっていて、ポップ寄りのサウンドも志向しようとしている。 そうはいってもブギーっぽさから抜け出せないのも彼らの性だろうか。結局、筆者の耳はそっち方面が気になってしまう。そんな観点からすると、ソウル系のナンバーである3.「テイク・ディス・ハート・オブ・マイン」、カントリーの5.「エイント・リヴィン・ロング・ライク・ディス」、JB(ジェームス・ブラウン)の8.「アンド・アイ・ドゥー・ジャスト・ホワット・アイ・ウォント」なんかが面白い。 以上のようなわけで、本盤はフォガットの代表作と呼ぶには程遠いし、大部分のファンはもっと以前の諸作こそがフォガットらしさを感じられるものと言うだろう。とはいえ、従来とは異なる曲にトライし、新たな方向性を模索しつつもブギーが顔を出す。これはこれで面白い作品と言えるんじゃないだろうか。[収録曲]1. Slipped, Tripped, Fell in Love2. Bustin' Up or Bustin' Out3. Take This Heart of Mine4. Love Rustler5. Ain't Livin' Long Like This6. Back for a Taste of Your Love7. There Ain't No Man That Can't Be Caught8. And I Do Just What I Want1982年リリース。 【輸入盤CD】Foghat / In the Mood for Something Rude (フォガット) 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓