ラス・フリーマン/チェット・ベイカー 『カルテット(Quartet)』
端正でメリハリの利いた爽快盤 1950年代、ラス・フリーマン(Russ Freeman)は、チェット・ベイカー(Chet Baker)との共演を何度も行った。そして、この2人が組んだ最後となり、なおかつ出色の出来の演奏を披露しているのが、この『カルテット(Quartet)』という盤である。アルバム表題の通り、演奏内容は、チェット・ベイカーのトランペットのワンホーン・カルテット。ラス・フリーマンのピアノの他は、ベースがルロイ・ヴィネガー、ドラムスがシェリー・マンという面子である。 ラス・フリーマンのピアノがしばしば小気味よく打楽器的な感性を滲ませる。シェリー・マンは持ち前の軽快かつ安定のドラミングを見せる。ベースのルロイ・ヴィネガーは、いつもながらの安定感・安心感のある演奏。そして、チェット・ベイカーのトランペットは、この人らしい軽妙さが存分に発揮されている。無論、ここの演奏が優れていても全体としてうまくいくとは限らないわけだが、本盤に関しては、4人のオリジナリティが合わさって、このメンバーでのオリジナリティに結びついていると言えるように思う。 私的な好みから注目の演奏を何曲か挙げておきたい。ベイカーのトランペットの軽快さにドラムスとピアノが見事に呼応している1.「ラヴ・ネスト」は、間違いなく本盤の聴きどころとなる演奏。4.「アン・アフタヌーン・アット・ホーム」は、このカルテットの息が合っているのがよくわかる好演奏に仕上がっている。6.「ラッシュ・ライフ」は、フリーマンのピアノとベイカーのトランペットをじっくりと堪能できる1曲である。8.「ヒューゴ・ハイウェイ(ウーゴ・ハイウェイ)」は、ベイカーのトランペットが個人的に気に入っている。[収録曲]1. Love Nest2. Fan Tan3. Summer Sketch4. An Afternoon at Home5. Say When6. Lush Life7. Amblin'8. Hugo Hurwhey[パーソネル、録音]Chet Baker (tp), Russ Freeman (p), Leroy Vinnegar (b), Shelly Manne (ds)1956年11月6日録音。 チェット・ベイカー=ラス・フリーマン・カルテット [ チェット・ベイカー/ラス・フリーマン ] 【中古】 チェット・ベイカー=ラス・フリーマン・カルテット/チェット・ベイカー,ラス・フリーマン,リロイ・ヴィネガー,シェリー・マン 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓