ブルース・スプリングスティーン 「ハイウェイ・パトロールマン(Highway Patrolman)」/「ステイト・トルーパー(State Trooper)」
『ネブラスカ』全曲紹介(第3回) ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)のアルバム『ネブラスカ(Nebraska)』の収録曲を順に紹介していますが、今回はその第3回です。元のアルバムの収録曲的には、A面の最後とB面の最初という、少々アンバランスな巡り合わせになってしまうのですが、それら2曲を見ていきたいと思います。 アルバムの5曲目で、LPのA面最後の曲に当たるのが、「ハイウェイ・パトロールマン(Highway Patrolman)」です。これもまた1人称の語りで進んでいく詞なのですが、表題通り、高速道路のパトロールをしているジョー・ロバーツなる人物がその語り手です。曲のテーマは、彼自身の弟で、問題児のフランキーです。フランキーの人生模様が語られ、最後は、警官をしている兄が弟の起こした事件現場に立ち会い、その弟は逃走犯となって姿を消していくというストーリーになっています。このフランキーというのは兵役から戻ってきた、つまりは帰還兵で、ヴェトナム戦争帰還者をモチーフにした「ボーン・イン・ザ・USA」と同じく、アメリカの影の部分を想起させます(実際のところ、「ボーン~」もこのアルバムの時期に書かれた楽曲でした)。 お気に入りの曲なので話が長くなってしまうのですが、この「ハイウェイ・パトロールマン」の詞で決め文句になっているのは“家族に背を向けるなんて、よくない奴だ(Man turns his back on his family, well he just ain’t no good)”という部分だと思っています。弟の過去の話を語るヴァースの最期にもこのセリフがあれば、事件の経緯が明かされた後の曲の最後の締めくくりにもこのセリフが出てきます。付属の歌詞カード(邦訳)ではあまり印象的ではないのですが、元の詞を見ると、個人的にはこのセンテンスがキーになっているように思います。ちなみに、この曲を元ネタに俳優のショーン・ペンが映画「インディアン・ライナー」の脚本を書き、監督デビューしているというエピソードもあったりします。 さて、ここからはアルバムの後半、LPではB面に収録されていた曲です。後半最初の曲は、「ステイト・トルーパー(State Trooper)」です。演奏は何ともおどろおどろしい感じなのですが、それもそのはず。詞の内容はというと、自動車の免許も登録もない男が、警官に怯えてどうか止められないようにと心で叫んでいる、その悲痛な声を歌にしたものです。下層労働者が苦しみの中、“最後の祈り”として、“このどうしようもない状態から抜け出させてくれ”という悲痛な声を発するところで曲は終わっているのが印象的です。 さて、今回はここまでということにします。続きは次の第4回で見ていくことにしたいと思います。元アルバム過去記事: ブルース・スプリングスティーン『ネブラスカ』(1982年リリース)『ネブラスカ』全曲紹介: 第1回(「ネブラスカ」)第2回(「アトランティック・シティ」、「マンション・オン・ザ・ヒル」、「ジョニー99」)第3回(「ハイウェイ・パトロールマン」、「ステイト・トルーパー」)(本記事)第4回(「ユーズド・カー」、「オープン・オール・ナイト」)第5回(「僕の父の家」、「生きる理由」) ネブラスカ '82 エクスパンデッド・エディション [ ブルース・スプリングスティーン ] 【送料無料】[枚数限定][限定盤]ネブラスカ '82:エクスパンデッド・エディション/ブルース・スプリングスティーン[Blu-specCD2+Blu-ray]【返品種別A】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓