ロス・ローリン 『ルンバ・ビートルズ!(Por rumbas)』
ふざけてる? いやいや大真面目に… ルンバ・フラメンカ(英語での表現からフラメンコ・ルンバとも呼ばれる)は、キューバのルンバとスペインのフラメンコの融合から生まれた音楽のことを言う。このジャンルで大胆にもビートルズをカバーしてしまったというのが、1991年にリリースされた『ルンバ・ビートルズ!(Por rumbas)』というアルバムである。ビートルズのカバーは星の数ほどあれども、これだけ個性が強いのはなかなかお目にかかれない1枚だと感じる。 さて、ロス・ローリン(Los Rolin)は、男性5人と女性3人から成る8人組のグループ。メンバーのほとんどはその当時20歳台の若いメンバーだった。スペイン人が中心のようだが、南米チリの出身者やジプシーの血を引く人物などが含まれている。ビートルズの定番曲・有名曲を中心に取り上げ、一部にスペイン語ヴァージョンも含まれるものの、基本的には英語で歌っている。 冒頭の1.「ヘルプ!」からして、元気いっぱいの勢いで押していく演奏。メンバー最年長(当時30歳)のパコ・アギレラ(Paco Aguilera)の、ややダミ声で、スペイン語訛りの強い英語のヴォーカルが聴き手の耳に残る。2.「シー・ラヴズ・ユー」に進むと、このルンバ・フラメンカの演奏がビートルズの楽曲のアレンジとして、“なるほど、このようになるのか”と聴き手は思い始める。そして、3.「イエロー・サブマリン」に至ると、このスタイルでひたすら押しまくっていくのだということを聴き手は確信し始める。 実際、4.「イエスタデイ」や5.「ノーホエア・マン(ひとりぼっちのあいつ)」、さらには6.「アンド・アイ・ラヴ・ハー」という、ビートルズ・ナンバーとしてはじっくり聴かせるタイプの楽曲が続く場面でも、ひたすらルンバ・フラメンカのノリである(ただし、哀愁を漂わせるという場面では、フラメンコ的な要素がうまく作用している部分もあるように思う)。8.「ビートルズ・メドレー」では、他の収録曲と重なる楽曲が含まれているが、ルンバ・フラメンカという器に様々なビートルズ・ナンバーを放り込んでチャンポンにしたというのがよくわかる。 他のナンバーも見ていくと、7.「アイ・シュッド・ハブ・ノウン・ベター(恋する二人)」は、王道とは異なる意外な選曲。さらに、目を引く曲として、10.「オール・マイ・ラヴィング」と13.「サムシング」がある。これら2曲は、どちらも彼らの音楽性を原曲に合わせていくというのではなく、原曲が彼らの演奏するルンバ・フラメンカにだんだん飲み込まれていくというのが見えて面白い。なお、スペイン語で歌っている曲として、11.「ミ・グラン・アモール・レ・ディ(アンド・アイ・ラヴ・ハー)」、12.「ソコーロ!(ヘルプ!)」、14.「スブマリーノ・アマリージョ(イエロー・サブマリン)」、そして15.「スパニッシュ・ルンバ・ビート」(スペイン語ヴァージョンのビートルズ・メドレー)があるが、これらを聴くと、主に英語で歌った理由がわかるような気がする。スペイン語の詞だと、彼らの音楽になり過ぎてしまうのである。その意味で、ビートルズの楽曲であるという部分を維持しつつ、ルンバ・フラメンカでこれらの楽曲を表現するには、案外、英語の方が具合がよかったということになるのかもしれない。[収録曲]1. Help2. She Loves You3. Yellow Submarine4. Yesterday5. Nowhere Man6. And I Love Her7. I Should Have Known Better8. Medley (Yellow Submarine, She Loves You, Michelle, All You Need Is Love, All Together Now, Yesterday)9. Ob-La-Di-, Ob-La-Da10. All My Loving11. Mi gran amor le di (And I Love Her) 12. ¡Socorro! (Help)13. Something14. Submarino amarillo (Yellow Submarine) 15. Spanish Rumba Beat1991年リリース。 【中古】西CD Los Rolin Por Rumbas COL4693392 CBS/Sony 未開封 /00110 下記ランキングに参加しています。お時間のある方や 応援くださる方は、ぜひ“ぽちっと”お願いいたします! ↓ ↓