ケニー・バレル 『ウィーヴァー・オブ・ドリームス(Weaver of Dreams: the Vocal Artistry of Kenny Burrell)』
秀才ジャズ・ギタリストのもう一つの才能 ジャズの楽器演奏者の中には、本来の楽器演奏とは別に、ヴォーカルで才能を示す人が時に存在する。チェット・ベイカーはその典型例かつ大きな成功例だが、ギター奏者として知られるケニー・バレル(Kenny Burrell)もまた、ヴォーカルの才能を持っていた人物である。本盤『ウィーヴァー・オブ・ドリームス(Weaver of Dreams: the Vocal Artistry of Kenny Burrell)』は1961年にリリースされた。ジャケットにも銘記されているように、“ケニー・バレルのヴォーカルの芸術性”が主題の盤である。 吹き込みがなされたのは1960年後半から1961年前半にかけてである。実はケニー・バレルのヴォーカルは、この頃にひょっこり見いだされたというわけではなくて、その10年以上前かられっきとしたキャリアがあった。1949年にはナット・キング・コール・トリオを模して、ケニー・バレル・トリオとしてデトロイトで活動を展開していた。ナット・キング・コールの場合はピアノ伴奏が主だったが、バレルのものはギター弾き語りのスタイルで、このトリオのピアノ奏者がトミー・フラナガンだったという。また、1953年にはケニー・バレル&フォー・シャープスなる4人組を結成し、バレルがリード・ヴォーカルを務めていた。 そのようなわけで、この盤の聴きどころは、以前から得意だったケニー・バレルのヴォーカルを楽しむ盤で、その渋い歌声が再注目のポイントということになる。とはいえ、演奏を無視してよいという訳でもない。セッションによってベースとドラムに異同があるものの、ピアノについてはいずれもトミー・フラナガンが務めており、随所でさりげなくきらりと光るプレイを見せている。バレル自身のギターもいろんな場面で耳に入ってきて、彼らしいフレージングが顔を出す場面がある。また、いくつかの曲に登場するボビー・ジャスパーのテナーも効果的な役割を果たしていると思う。さらに、10.「フー・チー・クー」と11.「アフタヌーン・イン・パリ」の2つはヴォーカル曲ではなく、これらメンバーの楽器演奏がじっくりと堪能できる。 筆者の好みとしては、アルバムの表題にもなっている2.「ウィーヴァー・オブ・ドリームス」、3.「ザ・モア・アイ・シー・ユー」、7.「ザ・ブルース・イズ・オーフル・ミーン」、8.「ザット・オールド・フィーリング」なんかが挙げられるといったところだろうか。技巧に走るというよりは、天性のヴォーカル力が光るという印象で、聴き終わった後には、バレルのロマンティックな歌声が見事に脳裏に残る。そんな1枚だと言えるだろうか。[収録曲]1. I'll Buy You a Star2. Weaver of Dreams3. The More I See You4. I'm Just a Lucky So-and-So5. A Fine Romance6. Until the Real Thing Comes Along7. The Blues is Awful Mean8. That Old Feeling9. If I Had You10. Hootchie-Koo11. Afternoon in Paris12. Like Someone in Love[パーソネル、録音]Kenny Burrell (g, vo), Bobby Jaspar (ts), Tommy Flanagan (p),Joe Benjamin (b), Wendell Marshall (b), Bill English (ds), Bobby Donaldson (ds)1960年10月18日、11月1日、1961年3月7日、4月11日録音(録音日については諸説ある模様)。 【輸入盤CD】【新品】Kenny Burrell / Weaver Of Dreams/Introducing Kenny Burrell (ケニー・バレル) 【中古】 ウィーヴァー・オブ・ドリームス/ケニー・バレル(g、vo),トミー・フラナガン(p),ジョー・ベンジャミン(b),ウェンデル・マーシャル(b),ビル・イングリッシュ(ds),ボビー・ドナルドソン(ds),ボビー・ジャスパー(ts) ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓