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カテゴリ:洋ロック・ポップス
いきなりの完成度の高さ、白人ブルースの祖の「驚愕」 シカゴ生まれのブルースロックの雄、ポール・バターフィールド率いるバンドが1965年に発表したアルバム。当時、リーダーのバターフィールド(ヴォーカル、ハープを担当)は23歳、リード・ギターを務めるマイク・ブルームフィールド(マイケル・ブルームフィールド)は22歳。今から44年前、それも二十歳過ぎの若者たちが最初に出したアルバムでありながらにして、この完成度ということを考えると、驚愕という以外に言葉が見つからない。 白人ブルースとは何か。そのことをこのアルバムで示しているのは、ある見方に立てば、バターフィールドであるが、見方を変えれば、バターフィールドではないとも言える。バターフィールドの歌い回し、ブルース・ハープ(ハーモニカ)のプレイは、見事にシカゴ・ブルースを継承している。こうした見方からすれば、白人がこれを演っていること自体が、白人ブルースであり、ブルースロックということになる。しかし、観点を変えれば、このようなバターフィールドは「黒っぽい」わけであって、それゆえ白人的ではないという解釈も成り立つ。そのような見方に立った場合、このアルバムの白人ブルースらしさはどこにあるのだろうか。ベースのジェローム・アーノルドとドラムのサム・レイ(ちなみに、彼は、5.ではヴォーカルも担当している)は黒人である。よって、残る3人(リード・ギターのマイク・ブルーム・フィールド、サイド・ギターのエルヴィン・ビショップ、オルガンのマーク・ナフタリン)の演奏によると言うことになり、とりわけブルームフィールドの貢献が大きい。 とまあ、このように相反する二つの観点から評価可能なアルバムな訳であるが、冒頭からとにかく迫力がすごい。個人的な好みをいえば、1.「ボーン・イン・シカゴ」と2.「シェイク・ユア・マネー・メイカー」が大好きだ。この冒頭の2曲からして、いきなりのテンションの高さに聴き手は圧倒される。さらに、3.「ブルース・ウィズ・ア・フィーリング」や7.「スクリーミン」でのバターフィールドののハープも見事であれば、それがブルームフィールドのギターと絡む4.「サンキュー・ミスター・プーバー」や6.「メロウ・ダウン・イージー」もある。さらに、12.「ルック・オーヴァー・ヤンダーズ・ウォール」では、ブルームフィールドのスライド・ギターが冴える。 本作に収録された曲の大半は、50~60年代のブルース系ナンバーで、メンバーの自作曲は3曲だけである(さらに、そのうち2曲はインストルメンタル曲)。したがって、題材となる曲という意味においては、さして革新的なわけではない。ところが、実際に演奏を聴くと、きわめて革新的であり、私たちは、まさしくブルース・ロックの成立の瞬間のドキュメントを目の当たりにすることになる。そして、最初にも述べたように、二十歳過ぎの若者たちが堂々とそれを成し遂げている様を見て、出てくる言葉は、やはり「驚愕」しかないわけである。 [収録曲] 1. Born In Chicago 2. Shake Your Money Maker 3. Blues With A Feeling 4. Thank You Mr. Poobah 5. I Got My Mojo Working 6. Mellow Down Easy 7. Screamin' 8. Our Love Is Drifting 9. Mystery Train 10. Last Night 11. Look Over Yonders Wall 1965年リリース。 ポール・バターフィールド・ブルース・バンド/ポール・バターフィールド・ブルース・バンド[CD]【返品種別A】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.01.28 22:20:50
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