テーマ:Jazz(1991)
カテゴリ:ジャズ
裸体女性のジャケはどうかと思うが、内容は素晴らしいキャノンボールの初録音源 なぜだかサヴォイというレーベルのジャケットは、趣味が悪く、ダサいものが多いが、本盤もそうした一枚。ジャケット面を縦に分けた半分ほどが上半身裸の女性の写真で、残り半分は白地と言うかクリームっぽい色にメンバー等の文字表記。アルバム名は右側から写真部分に覆いかぶさるように(女性の胸元を隠すためか?)、赤字で入れられている。ジャケットはアルバムの"顔"と言われたりもするが、人は容姿だけで判断できないというのも事実。こういっては何だが、サヴォイのアルバムには、人は容姿だけではない(=アルバムはジャケットだけで判断すべきでない)ということを教えてくれるものがなぜか多いように思う。 さて、本盤『ボヘミア・アフター・ダーク』は、1955年に録音された、ドラムのケニー・クラーク名義のアルバムである。それと同時に、このアルバムは、ジュリアン・キャノンボール・アダレイの初吹き込みとしても知られる(ちなみにキャノンボール・アダレイの初リーダー作は同じサヴォイの『プレゼンティング・キャノンボール』というアルバムである)。本作『ボヘミア・アフター・ダーク』に収録された7曲のうち、6.のみメンバーが違うのは、この曲だけがデビュー・アルバムのセッションからの音源であるためである。 とにかく1曲目の「ボヘミア・アフター・ダーク」がかっこいい。これだけで本盤を手にする価値が存分にあるのだが、他にも筆者のおすすめは、4.「ヒア・ミー・トーキン・トゥ・ヤ」、6.「ウィール・ビー・トゥギャザー・アゲイン」、そして7.「レイト・エントリー」。 メンバーを見ると豪華な顔ぶれなのだが、キャノンボールはもとより、ドナルド・バード(参考記事)もまだニューヨークへ出てきたばかりの初期の録音。つまり、みんな若かったのだ。アルバムを聴くと、確かに若々しさが感じられるのだが、それと同時にどこか貫禄を感じるのが不思議である。若々しく、風格を漂わせながら、見事にハードバップに決める。このメンバー、このタイミングで吹き込まれたからこそ生まれた名演と言えるのかもしれない。 [収録曲] 1. Bohemia After Dark 2. Chasm 3. Willow Weep For Me 4. Hear Me Talkin' To Ya 5. With Apologies To Oscar 6. We'll Be Together Again 7. Late Entry 録音: 1955.6.28(1~5、7): Nat Adderley (cor), Donald Byrd (tp), Julian "Cannonball" Adderley (as), Jerome Richardson (ts, fl), Horace Silver (p), Paul Chambers (b), Kenny Clarke (ds) 1955.7.26(6のみ): Nat Adderley (cor), Donald Byrd (tp), Julian "Cannonball" Adderley (as), Hank Jones (p), Paul Chambers (b), Kenny Clarke (ds) ![]() ボヘミア・アフター・ダーク/ケニー・クラーク[CD]【返品種別A】 ![]() にほんブログ村 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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